優しさと怖さについて

 
いつでも他人に優しくしてはいけない。
あなたからの優しくされた他人は、いつでもそれを当たり前として考えるようになり、
せっかく優しくしてあげても、たいして感謝されないからである。
 
しかも、そのような他人に限って、たまに優しくするのを忘れると、怒ったりするのである。
つまり、いつでも優しくしないと感謝されず、優しくしないと怒られる上に、
普段から他人に主導権を握られてしまうという状況を、自分から作ってしまうのである。
 
そして、そのような他人一度でもナメられてしまうと、その評価を挽回するのはかなり難しくなる。
そのような他人にナメられるのが嫌なのであれば、怖がられる存在になればよい。
自分が決めたルールは絶対に守らせ、守らない奴がもし一人でもがいるときには絶対に許さない、
という断固とした状態をとっていれば、そのような他人は従ってくれるのである。
 
優しいだけでは指示も話も聞いてくれない。やはり、一度は怒っておくべきである。
ただし、やる気があって、それがうまくいっていない場合は別である。
怒るべき場面は、やる気のない人、甘えた態度の人、ナメてかかってくる相手に対して。
やる気のある人は優しく見守り、良い関係を見据えて大切に接するべきである。
 
加えて、そのような他人のそういった甘えた態度を逆手に取ることだ。
怖がられる存在の人は怖さでも勝負し、ごくたまに優しさも見せて勝負するのだ。
怖い人、怖く見せてる人は、何かそうなる事情を抱えているだけで、根は優しいかもしれない。
しかし、そうして敵を転がして、押さえるところは押さえ、有利な立場に立つのである。
 
ただ、本当に残念なことに、優しいだけの人は、優しさでしか勝負できないことが多い。
 
 「武器なき人格者は滅びる(マキャベリ)」
 
武器はたくさん持っていた方が有利である。
 
奪われたものは、きちんと奪い返さなければならない。
守らなければならないものは、きちんと守らなければならないのだ。
あなたを軽く扱ってくる者は、あくまでも「他人」であり、決してあなたの人生にのさばらせてはならない。
 
あなたに対していつでもやる気なく甘えた態度をとったり、ナメてかかってくる態度で接してくる他人には、
会話中の相づちを減らし、そっぽを向き、ため息をついて目を閉じ、相手を不安と恐怖に陥れること。
いつも優しいあなたなら、時折このくらいの態度を見せたって、バチは当たらないだろう。
 
ただし、相手は決して間違えてはいけない。
あなたよりも優しそう、気弱そうに見えるからと言って、先のような態度を身近な人に対して試しにでもやってはならない。
あなたなら分かるだろうが、もしその相手が真の優しさを持っていて、あなたがそれ裏切るような行為をした時は、
その相手からの怒りの炎は消えることなく、あなたには一切信用できない愚か者の烙印が押されることになる。