学習性無力感に対処するには

 
★自己効力感を高める。
やればできるということ。
自分にはそうするだけの能力があると分かること。
自分には乗り越えられる方法も、実行する方法もあると認識すること。
 
 ×心の中で「やればできる」と励ましたり言い聞かせる
 ×「あなたはやればできる子よ」と褒めてもらう
 ×「自分は素晴らしい」と思う(自己肯定感。自分の価値や存在を肯定する力。)
 
自己効力感とは、結果を出すために適切な行動を選択・遂行するということについて、
自分にはその能力があるのかどうかを認知するための言葉である。
心理学者・アルバート・バンデューラ(Albert Bandura)氏が提唱した。
ここではその中から、自己効力感を高める4つの要素を対処法として紹介している。
 
また、学習性無力感とは、いくら努力をしても結果を伴わない、回避できないという状態を、
何度も繰り返したり長期間続いたりする経験をしていくうちに、「何をしても無駄」だと学習し、
たとえ結果を変えられるような場面でも、自発的な行動を起こさなくなる現象や無気力な状態を言う。
他に、「学習性絶望感」、「獲得された無力感」、「学習性無気力」とも言われる。
 
 
●対処法
①達成体験を積む
小さくてもよい。目標を小分けにしてもよい。
例えば筋トレのステップなら、
 (1)回数をこなす
 (2)できるようになる
 (3)見た目が変わる
 
 
②代理体験をする
自分以外の人が目標を達成したり成功したりするのを見たり聞いたりすること。
この体験を通じて、「あの人ができたなら、自分もできるかも。」とイメージを膨らませたり、
よいものを真似したり、よく観察して学びを深めたりすることができる。
身近に成功しそうな人を増やしていくとよい。
 
 
③言語的説得を受ける
言葉による励ましのことであり、誰かに言葉で肯定してもらうこと。
実際に上手くいっている他者から「あなたにもできるよ」とか、
「自分も成功できる」と思えるような声掛けや評価をもらうことで認識を作り上げていく。
似たような境遇にある情報発信者などでもよい。
ただし、否定してくる相手からは即距離を置くこと。
 
 
④生理的喚起(生理的情緒的喚起)を感じる
心と体は大きく影響し合う(逆の状況でも)ので、心身の状態を良好にする、ということ。
 
 ・健康的な食事(タンパク質、野菜など)
 ・適度な運動(一日7時間以上など)
 ・十分な睡眠(有酸素運動、筋トレなど)
 
また、自分の内部に生じた生理的、感情的な変化や状態を意識すると、
自信や意欲の向上や自己効力感の形成に繋がると言われる。
 
例えば、音楽やスポーツの本番前などで、緊張して脈が速くなっている場合でも、
「そういう変化が出ている。それがなければいつも通りの自分だ。」という意識を持つことで、
本番での行動に向けて自信が生まれるきっかけにつながる、ということである。