自分を犠牲にして、ただ相手の為に何かしないこと。
その先に幸せはないからである。
自分を犠牲にして自分が不幸になると、
自分が不機嫌になり、性格が歪み、最後には相手も不幸にする。
たしかに、自分を犠牲にして他人の幸せや利益のために尽くすことは、
成功の要因になると言われているが、100%の自己犠牲がいいわけではない。
幸せをおすそ分けをする感覚で、余裕のある人だけがそうしてあげればよい。
相手を幸せにする前に、まず自分が幸せになること。
ない幸せは分け与えられないからである。
だから、なんでも自分を犠牲にするのは得策ではない。
1. 前提
まずは、利他的な行動、利己的な行動、返報性の原理という心理があることを知ること。
・利己的行動
他人の立場を考えず、自分の利益だけを考え行動すること。
・利他的行動
自分を犠牲にして、他人のために行動すること。
・返報性の原理
「他人から施しを受けたら、自分も何かお返しをしなくては」と考えるという心理。
また、利他的な人が他人に尽くす行動に対して、
それを受けた人々が恩返しをする、というケースもあると想定しておくこと。
次に、人には大まかに分けて、次の3つのタイプがあると言われている。
①利他主義者。惜しみなく与える人。
②利己主義者。自分の利益最優先の受け取るだけの人。
③バランスをとる人。一番多いと言われ、与えられたらお返しをする人。
そして、①には成功できる人とできない人が両方存在しており、
先程の想定がなければ、自分自身がそのうちの成功できない部類かもと気づけない。
そうなると、「自分さえ我慢すれば」の精神を持つただの自己犠牲的なお人好しとなり、
ただただ人に与え続け、搾取され続けるだけの人生になってしまうだろう。
例えば次のような場合、自分を見つめ直すことが必要である。
・忙しくても頼まれると断れない
・急いでいる時に呼び止められるても「急いでいる」と言えない
・何でも人の決断に従う
・いつも自分の意見は「特にない」
自分の時間とエネルギーを他人に与え続けていると、いつかは燃え尽きてしまうし、
自分の気持ちを我慢したり、抑え込んでばかりいると、
自分が何をしたいのか、どう感じているのかを掴みづらくなってしまい、
普段の生活や仕事に不可欠な決断力も、感情も退化してしまう。
成功できる利他主義者は、人に多くを与えても自分の利益を見失わず、
しかも誰にどう与えるかまで、しっかりと考え行動できる人であるため、
最高の勝利者であり、他者志向的と言える。
また、基本的に受け取ってばかりの人は、相手が何でも与えてくれると分かれば、
感謝するどころか都合の良い便利な人だと考え、常に利用しようとしてくるだろう。
他人に対する思いやりの気持ちは忘れてはならないが、
避けるべき状況は避けなければならない。
そして、自分の利益も他人の利益も考えた方がよいし両立できるものだ、
と知るべきである。
2. 他者志向的な人になるには
①要注意人物を見極める
とにかく受け取ってばかりの人は、他人の善意を食い尽くす。
それが満たされることもないし、他人から見てあまりよく思われていないことにも気づかない。
だから要注意人物とは、できるだけ、縁を切る。すぐ逃げる。距離を置く。関わらない。
自分の大切な命と時間の上では、感謝の心がない人に搾取され続ける必要はないのだ。
また、そういった「信頼できない人」には共通点がある。
・自己中心的
・自分の利益最優先
・クレクレ星人
・言うことがコロコロ変わる
・不安や恐怖をあおる(相手を騙すために)
・時間や締め切りに遅れる
・嘘をつく
・言いわけが多い
・責任をとらない
もちろん、初心者や経験が浅い人、新人などで、他人からの恩恵を受ける時期で、
「自分も何かしたいけどまだ結果が伴わない」という段階かつ、
そういう思いが感じ取れたり、見て取れる、いわゆる「これからの人」は別である。
純粋に頑張ってくれる人は、道を外すことなくこちら側に来てもらえるようにすべきである。
②言われたことを一旦オウム返ししてみる
例えば自分が定時に仕事を終わらせて帰る時に、他人から、
「用事があるから早く帰りたいので、少しだけ手伝って欲しい」と、
自分には関係ない仕事を、理不尽な理由で手伝わされそうになった場合などに使う。
「用事があるから帰りたいけど、仕事が終わらない。
それで、自分の仕事を私に手伝って欲しいと言っている、ということ?」
と確認してみることである。
その場では少し嫌な感じが出てしまうかもしれないが、まずはとっさに「いいよ」と言わないこと。
頭の中で一方的に相手の気持ちを分かってあげようとすると、いつもと同じになってしまうが、
言語化すれば客観的になれるし、「自分は今まさに理不尽なお願いをされている」と気づけるだろう。
相手が要注意人物であればあるほど、その相手の善意に訴えても無駄なので、
「私も今日は大事な用事があって、頑張って定時に終わらせたので、悪いけど帰ります。」
とでも明るく堂々と言い、その場を離れた方がよい。
たとえ今回は相手に効果がなかったとしても、
その時の自分や状況を客観的に見つめ直すことができる。
③不利益を防ぎ、与える
もしお願いをしてきた相手が、人にものを頼むことが滅多にない人物であるとか、
普段も特に仲が悪くなく、信頼できない人でなく、本当に困っている様子ならば、
自分が受ける不利益を防ぎつつ、相手に与えられるように対処できるようになるとよい。
例えば次のように。
「じつは私も大事な用事があって早く帰りたいのだけど、30分だけなら手伝えるよ」
もちろん30分は厳守し、時間が来たら手を止めて「ごめんね、ここまで。」と言って帰ったとしても、
相手が要注意人物でないなら、普通なら「用事があるのに無理して手伝ってくれた」と、
恩を感じてくれるものだし、その後の人間関係もさらに深まるものである。