①今まで通り普通にやる
本番に強くなるための唯一の方法は、
これまでやってきたことを「普通にやる」ということである。
そうすればリラックスできて、結果も出やすくなるからだ。
試験でも、大会でも、プレゼンなどの本番でも、
当日になっていきなり実力が何倍も上がることはない。
本番で特別なことをやろうとしても、さらに緊張するだけだし、
スーパーヒーローのような潜在能力を発揮したり、魔法が使えるようにはならないのだ。
また、普段の練習で失敗した時も、どのようにリカバリーするかを段取りしておくとよい。
特に集団で本番を迎える場合、〇〇パートが補う、とか、〇秒以内に元の状態に復帰する、
とかを決めておけば、普段の練習から本番を想定した状態で取り組むことができる。
もちろん、ミスなく成功する確率が上がるよう腕を磨いておくに越したことはない。
②本番までに身に付けたことを振り返る
本番で緊張すると考えてしまう人でも、たとえそれがどんな結果になったとしても、
本番に向けて準備してきた中で身につけた知識や技術は、自分の資産になる。
これまでの積み重ねが直ちに無駄になり、ゼロまで退化してしまうわけではないのだ。
「本番までの道のりが既に自分の価値になっている」と考えれば、緊張も和らぐだろうし、
この事にかなり手前の段階で気付けていれば、本番までの期間を大切にするようになるし、
本番自体の成功の可能性も一段と増すだろう。
③いつもと違う部分や変化や環境があることを知る
本番の緊張を和らげる方法として、
自分の内部に生じた生理的、感情的な変化や状態を意識すると、
自信や意欲の向上や自己効力感の形成に繋がると言われる。
例えば、音楽やスポーツの本番前などで、緊張して脈が速くなっている場合でも、
「そういう変化が出ている。それがなければいつも通りの自分だ。」という意識を持つことで、
本番での行動に向けて自信が生まれるきっかけにつながる、ということである。
他に、「環境の違いを比較して認識する(しておく)」、などがある。
音楽なら、本番の会場は音の反響がいつもと違うので、要所は必ず指揮者に合わせる。
陸上なら、本番の競技場の地面の感覚は、ゴムチップが混ざっているのでいつもと変わる。
など、当日の本番前に感じたり調べたりしておくことができればやっておく。
また、事前に下見をしたり、前回の経験があれば思い返してイメージトレーニングするのもよい。
ちなみに、圧倒的に大勢の観客がいるという違いは、他のライバル達にとっても同じである。
そこはむしろ、予選の小さな規模では得られなかった経験として、自信に繋げたらよいだろう。
何の想像も、計画も、準備も、対策もしないままで良いはずはない。
とっさの出来事に頭の中が真っ白になって、失敗に終わる可能性が上がってしまうだけである。