上手に相談に乗るには

 
1. 傾聴する
相手の話を聞き、解決方法を無理に示そうとしない、ということ。
「相談する」というのは、時には良い言葉ではないこともある。
相手が解決方法を求めているということは、アドバイスや具体的な解決方法、
ToDoなどでの対処法を示さなければいけないという先入観もあるためである。
 
また、相談しても解決しないという人は、
誰にも相談しないまま、一人でストレスを抱えてしまうことが多い。
例えば会社の人間関係などなら、会社を辞めない限りその関係性は続くので、
相談したって仕方がないと思ってしまうからである。
 
その代わりに「ガス抜き」言葉を使った方が、いくらか気分は楽である。
重さや深刻さという意味合いもそれほどハードルが高くなさそうに聞こえるし、
より気軽に悩みを打ち明けるだけで、気分が楽になるからだ。
 
心理カウンセリングの世界では、話を聞くというただそれだけで、
アドバイスは具体的には言わないようにする、という基本があり、
患者本人に気づいてもらうという方法が主流となっているのだそうだ。
 
そして、相手は解決法を求めているのか、安心を求めているのかを見極める。
「解決法を示したところで相手が何もやらない」のは、安心が欲しいからである。
だから、まず与えるべきものは安心であり、じっくり話を聞く姿勢が大切になるのだ。
 
 
 
2. その場での即回答を避ける
分からなければ、「次回までに調べておきます」とか、
「今はこのくらいにして、次の機会の時に詳しくお伝えします」などと言う。
 
細かいデータ、数値、過去の事例、正確な一次情報など、
ありとあらゆること全てにおいて周知している人は少ないからである。
 
相手も、大切なことを一度に大量に言われても処理できないかもしれないし、
答える側だって、解決策を示すなら示すで、それなりにしっかりしたものでないと、
かえって相手の迷いや不安を増幅させることに繋がりかねないのだから。
 
 
 
3. Q&A集(問答集)を作って育てていく
数十人単位の複数の人から相談を受ける場合、
そのすべてがまったく別々の内容ということはない。
大体はよく似ていたり、部分的に重なるものである。
 
だから、質問に対するベストな答えを、予め文章にしておくとよい。
実際に相談や質問を受けたら要点をまとめて、リストに加えていく。
②で調べた質問の答えなども、これに付け加えておくとよい。
 
 
●10対30対100の法則
①最低10個の質問に対する答えを作る
②次に30個の質問に対する答えを作る
③最大100個の質問に対する答えを作る
 
としておけば、やがてあらゆる質問に答えるようになることができる。
同じ立場やシチュエーションで出る質問は、分かれても最大100パターンくらいなので、
100問作っておけば、全く同じ質問でなくてもパターンに当てはめて答えることができる。