「同じ話ばかりしないで」と言ってあげるとよい。
そして他にも、楽しかった事、良かった事、前向きな話などもしてもらうとよい。
同じことを短い期間に何度も話したり書いたりすると、
記憶が強化されやすくなる。
これは何かを学んだり、試験勉強などをするのならとても良いことではあるが、
とりわけネガティブな話題はこれに含めないとよいだろう。
誰しも時にはネガティブな同じ話を何回もする人に出くわすことがあるが、
こういうタイプの人は、失敗でも失恋でも、自分の友達の数だけ話してしまうのだろう。
しかし、もし仮に自分が同じことをやったとしたら、
嫌な記憶を自分で反復強化し、記憶に完全に固定することになる、ということなのだ。
嫌な出来事やネガティブな話を一回だけするならストレス発散という面ではよいのだが、
3回以上してしまうと記憶が固定される可能性も上がってしまう。
だから、もし現在メンタルが不調な友人の話を聞いているとしたら、
良かれと思っていても、それは相手の症状を悪化させているに過ぎない。
その話を一回聞く程度でガス抜きがされているようならそれで落ち着くだろうが、
それでも何回も同じ話をしてくるというのなら、
あなたが話を聞いてあげても何の効果もなかったということである。
それはむしろマイナスであり、相手にとって毒でもあるのだ。
今後は、ネガティブな同じ話を何度も聞くのはやめることである。
二回目くらいなら「えぇ、またその話?」と仕方なく聞くこともあるだろうが、
それ以上は、冷たいと思われたとしても「前も聞いたから」と言うなどして、
バッサリ打ち切ってあげることが相手のためにもなるのだ。
恐らく相手は、あなたに対して依存をしているのだろう。
あなたは、相手のためと思って話を聞いてあげているのだろう。
しかし、これは「共依存」と言って、
相手が自分の力で立ち直る機会を奪っていることにもなるのだ。
ただ、友人などの良い関係であるならば、せめて話をバッサリ切った後には、
「ポジティブな話も聞かせてよ」などと話題を切り替えてあげたらよいだろう。
楽しかった事、良かった事、前向きな話なら何回聞いたって構わないのだ。
そして、どうせ記憶が固定されてしまうなら、楽しいことで固定された方がよい。
心理学では「1日の最後に楽しい話題を話すと、楽しい一日として終われる」と言われ、
たとえ一日のうちの9割が辛いことでも、最後に楽しいことを書いたり話したりすれば、
その日は楽しかった一日として記憶が固定されやすくなるというのだ。
また、どうしても辛い話を聞く必要があるような時には、これを上手く利用して、
話の後半では最近あった楽しかったことなどを聞いてあげると良いだろう。
そうすれば、ネガティブな話題でもポジティブに締めくくることができるようになる。
さらに付け加えるならば、ネガティブとポジティブの比率というものがあり、
ネガティブ1に対してポジティブ3の割合で対話がなされていると、
全体として精神状態としては非常に良くなると言われている。
それなら、相手にネガティブな話題を一つされたら、
ポジティブな話題をその後に三つしてもらうというのも良いだろう。
人間、ネガティブな話題ばかり話しているとロクなことにならない。
自己肯定感も下がるし、免疫力も下がってしまう。
一回話すくらいならガス抜きにもなるので、一回話して忘れること。
そして、他人からのネガティブな同じ話を何回も聞かないこと。
相手も自分も精神状態を健康に維持するために、大切なことである。