「すくない」の送り仮名は、「少い」か、「少ない」か

 
ブログを書いていく上でふと気になったが、
実際に文字を書く時は「少い」と書いていたが、
パソコンなどで変換されるときは「少ない」となり、
「少い」とは変換されなかった。
 
今まで「少い」だと習ったのでそのように使ってきたが、
あらためて思い起こしてみると「少ない」と書いてあることも多く、
自分は間違って覚えていたのか、それとも世の中の方が変わっていたのか、
大変気になった。
 
この件では変なこだわりはないし、
世の中でより使われている方に合わせていくが、
やはり考え方の拠り所は欲しかったので調べてみた。
 
 
 
文化庁によると、昭和56年10月1日に常用漢字表の実施が内閣告示された。
・常用漢字表 訓令,告示制定文
 
その一覧の中には「少ない」と表記することも含まれていた。
・第14期国語審議会 常用漢字表について(答申)
・常用漢字表一覧
 
 
 
また、これを受けて自治体や辞書の編纂などにもその拠り所として適用されていった。
一例として、
・茨城県 公用文における漢字使用等について
・三省堂
 
 
 
当時も、「少い」としていた例も多かったようだ。
・文化庁 かな部会 概況 第11~24回
 
 
 
「少ない」が現実的であることが分かった。
また、筆者はその後次第に切り替わっていく過程の時期を生きたことが分かった。
 
その時代に於いて言葉の使い方が多少異なることはそれとなく理解しており、
同じ言葉でも、ある年代のその言葉の使い方が自分と異なるからと言って、
いちいち目くじらを立てるということもなかった。
 
むしろ、「一昔前はそんな使い方をしていたのだな」とか、「今はこうなのか」と感じていたが、
この度自分にも同じようなことが起こったので少し新鮮だったし、
自分も寛容だったのかもしれないが、実は周りもそうだったことがあらためて分かった。
※筆者のようにいちいち気にしないだけかもしれないが。
 
なお、「少い」を「わかい」と読むこともあり、そこに触れたくもあるのだが、
本件とは外れていくので、今回はこの辺りで。
 
 
 
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●その他参考
・文化庁 国語施策
 
・文化庁 国語施策情報(旧「国語施策情報システム」)
 
・ことば食堂へようこそ!
※本来とは異なる言葉の意味や、
コミュニケーション上の齟齬が生じるものについて取り扱っており、
単純に面白かったが、本件とは関係はない。