誰にでも、できないことはあるものである。
気合いだ、根性だ、だけではなく、
今の自分のできる範囲でできることから始めていくとよい。
音楽指導で初心者の人や子供にも多く触れてきた中には、
「今の自分のできる範囲でできることから始めていく」ことすら、
どうしていいかわからない人も少なからずいた。
また、「できない」という簡単な言葉で済ませる癖がついてしまうと、
根気強さも粘り強さもなく、自力で奮起させる力が無いままになり、
自己分析の観点からも、その分析する力が伸びないことにも繋がる。
「できない」を頭の中で反芻して心理的に反復強化してしまうよりも、
少しでも言葉にしたり、キーワードや文章などで書き出してみたりして、
一度頭の中をスッキリさせてしまうとよいだろう。
備忘メモの段階ではあるが記しておく。
・そもそも今やっていることが理解できない
取り掛かる前に、これからやることを確認しておくとよい。
始めのうちはこれから何をするかが分かってから行動するとよい。
また、行動している最中も、目的を時折思い出してみるとよい。
・言葉や文章としては理解しているが、体がついていかない。
(頭で分かっていても体が反応しない)
慣れたり体が覚えるまで繰り返す。
最初のうちは誰でも同じようなものであり、
まだまだ実践経験が足りていないということもあるので、
一人でやってみてできた、という経験値を積み上げていくとよい。
・要求されたレベルでできない
初心に立ち返ってみるとよい。
守破離の守をもう一度復習してみる。
初心者であれば、焦らずに順を追って取り組み土台を作っていく。
さらに、自分で理想のかたちを描くなどの意識づけをしていくとよい。
・ゆっくりやらないとできない
今できる速さで始めて、頭や体が慣れるまで反復すること。
慣れてきたら少しずつ速めていくとよい。
・「ここからここまで」と提示された範囲が長すぎるとできない
できる範囲で短く区切ってみること。
できる部分とできない部分を見つけ、
できない部分や躓いてしまう部分を重点的に反復する。
できたら少しずつ繋げて長くしていくとよい。
・人前でやるとできない
まずは一人で誰にも見られていない状態で、落ち着いてできるようにする。
慣れてきたら自分自身を動画に撮ったり録音して確認してみるとよい。
それにも慣れてきたら、気の許せる人を一人選んで見てもらうとよい。
・失敗するのが怖くてできない
始めの頃や練習の段階でたくさん失敗しておくとよい。
最初のうちは誰にでも失敗はつきものである。
失敗すれば、うまくいかなかったことや、うまくいくための材料がみえてくる。
失敗からどう立ち直るのか、どう持ち直して元の流れに戻すかもまた練習である。
・うまくいかない状況を想像してそれを増幅してしまい、体が動かない。
既にうまくいっている人で協力してくれる人に補助してもらうとよい。
慣れてきたら補助を減らし、少しずつ自分でできる量を増やしていくとよい。
オーバーワークや過度の疲労を感じる時は、休息や睡眠を少し多めにとるとよい。