音楽指導をしていると、子供や初心者も多いことから、
褒めることの大切さを感じることも多い。
一言で言えば「褒めどころを見つけること」が大切だが、
経験上、褒め慣れても褒められ慣れてもいない人が結構多く、
なかなか一言で済ませられることでもないだろう。
まだまだ未熟な者の走り書きのようなものではあるが、
何かの参考になれば幸いである。
・相手のこだわりや、人と違うところを見つけること。
ずば抜けて過ぎて即判別できてしまうところではなく、
周囲とのちょっとした差、前にあった時とのちょっとした差、
に気付いてあげられるとよい。
・相手の「言葉以外で表されている主張」に気付けるとよい。
「声にならない声」と言われることもあり、それを拾えるとよい。
言葉、声以外にも、一挙手一投足に気を配っていると、
なぜその手順やタイミングを選んで行動したのかなど、
こちらから聞いてみないと分からないことに気付いてあげられるようになる。
・人間関係が浅い間は浅い(表面的な)ところを褒める。
人間関係が深くなったらそれに合わせて深いところも褒めてよいし、
そもそも深まらないと分からないことも多いものである。
もちろん深くなってからも、浅いところも褒めた方が良い。
・身近な人ほど人間関係を良くすること。
知ってるし、分かってるし、もう慣れてしまっているから、
褒めるのがより大変なことが多いこともある。
照れくさくて受け取らない人が多いが、
何気ない時に日頃の感謝を伝えられることも、関係作りには大切である。
もし相手を褒めることに慣れていないということであれば、
例えば街中や電車の中で、「頭の中だけで」褒める練習をしてみるとよい。
通りすがりの人の服装、鞄、靴の艶、姿勢、立ち姿、歩き方など、
「頭の中だけで」浅いところを褒めてあげるのである。
「洋服の上下の色遣いがイイですね」とか、
「肩からかけているバッグがおしゃれですね」とか、
「つり革を持って立っている姿勢が、背筋が伸びてていいですね」とか、
ちょっとしたことくらい何か気付けるはずである。
あくまでも小さくて浅いことだけでよいのでそこを褒め、
その上に、褒めた回数、自分が練習する頻度、どんな状況で褒めるかなど、
自分でできそうなを設定して慣れていくとよい。
小さくて浅いこと以外を褒める時間をかけなければならないのは、
あなたが本来伝えたいと思っている相手なので、そこは外してはいけない。
また、これは頭の中だけで一人で勝手に行う練習ではあるが、
最初は意外にも自分の言葉のレパートリーの少なさに愕然とするだろう。
しかし徐々に慣らしていき、実際の状況で少しずつ使い始めてみればよいのだ。
何でもそうだが、できることから少しずつやってみて、それに慣れていき、
できる範囲を広げていけばよいのである。