やるべきことを絞り込む

 
ある程度の道のりを来たけど何だかうまくいっているように思えず、
どうしていいか不安になってしまった時は、
次のことに焦点を当てる機会を増やすとよい。
 
①今やっていることは本当に必要なことか
②今までやってきたことで無駄・無意味なことはなかったか
③これからやることのために修正・改善させることはあるか
 
また、これらについて、どの段階で確認したり省みたりするかは、
その時の自分のレベルに合わせて調整していくとよいだろう。
 
 
 
目標達成のための期日や、何かの本番の当日が近づいてきて、
それに伴って焦ったり緊張感が表れ始めてくると、
今目の前にあることに対して何でもかんでもやろうとしてしまう。
人には、どうやらそういった習性があるように思えてならない。
 
だから最初に計画を立てる時に、やるべきこととその順番、
その中でも特に外してはならない核となることを、良く見極めておくとよい。
 
やるべきことを決めることは、他の不必要なことを削ぎ落とすとであり、
そうすることで、頭の中で考えることや判断や決定の負荷を減らし、
スッキリした状態にして作業効率も上げることにもつながるのである。
 
そして事を進めていく中では、どのタイミングで今までの道のりを振り返り、
現状と理想の差異を修正したり、どのように軌道修正するかという機会を、
定期的に入れ込んでいくことである。
例えば次のような例に対して。
 
どのくらいの期間でどの程度の成果を上げるか、上げられるか。
見切り発車や無計画は、手戻りや報われない反復の素になるだろう。
 
どの段階で、或いはどのくらいの頻度や周期で基礎を固めておくか。
例えば試験やテストだったら、当日の一週間前に基礎問題から始めても、
間に合わせられる可能性は限りなく低くなってしまうだろう。
 
例えば本番一週間前に台詞や楽譜を覚えていないからと言って、
発声や音の出し方に不安を感じて、またそこから積み直しをするのだろうか。
覚えるべき箇所は、何回くらい反復練習を試みた上でできなかったのか。
 
読書を月に4冊読むのなら、最初の一週間で一冊読んだのか。
今月2kg体重を落とすなら、最初の一週間で何百g落とせたのか。
副業でもう1万円稼ごうとしてかかる時間と、
実際はテレビやスマホを見ていた時間ではどちらが長かったのか。
 
 
 
決して、やるべきことをやれなかったことを責めているわけではない。
初めてのことで何が何だか分からないまま終わってしまったり、
未達成で終わってしまったり、今回はうまくいかなかったり、
計画や段取りが甘かったり、何だかやる気が出なかったり、
誘惑に負けたりするのは、誰にでもあることでなのだ。
 
ならば、さて次はどうするか、と切り替える必要がある。
もし何かが足りなかったが故に望む結果に届かなかった場合は、
足りなかった部分を見出し、適切な箇所に当てはめればよい。
 
しかし、経験上多くの場合、
「分からないなりにとりあえずやってみて、経験だけはできた」
「何かたくさん考えてしまい、どうしていいか分からなくなってしまった」
「思いつくことは思いついたが、レベルの低いものか的外れなものだった」
くらいには集約できるだろう。
 
これらの時はまさに、「やるべきことを絞り込んでみる」とよいのだ。
もしそれで失敗したりうまくいかなかったら、前述のように、
足りなかった部分を見出し、適切な箇所に当てはめればよいのだ。
 
 
 
失敗してもいちいち長く落ち込んだりしない。
それはそれとして、さあ次はどうするかと考えてみる。
ある程度段取りをつけて動く。
うまくいかなかった箇所は修正したり改善する。
そうして試行錯誤をしていけばよい。
 
なぜかうまくいっているように見えるあの人は、
実はこれらをやっているだけというのが大半である。
 
人知れずたくさんやって、たくさん失敗して、たくさん修正しているし、
めげずに涼しい顔をして再挑戦しているから誰も気づかないし、
失敗の手前までを実績としてしっかり得ているから自分の力になっているのだ。
 
その人は今まさにその上に立っているから、他の人よりも精度が高かったり、
速く動けたり、さっさと終わらせたり、調べ物の勘所が良かったり、
同じような失敗を上手に回避したりしているだけなのだ。
 
 
 
自分の頭で思いつくものなんて、最初は頼りないものである。
それは恐らく、自分を振り返ったことのあるほぼ全ての人が証明済みだろう。
 
だからまずは、今できる段取りと準備をして、とりあえず動く。さっさと動く。
うまくいかなかったら、冒頭の3点をやってみる。
そしてまた動く。さっさと動く。
 
これを繰り返して改善しながら進んでいくとよいだろう。
 
やるべきことを絞り込むには、
立ち止まって考え込んでしまう時間を減らすことに尽きるのである。