人前で話す時に押さえておくとよいこと

 
人前で話す機会というのは、何かの拍子で突然訪れるものである。
一人や数人程度ならば誰にでもあるだろうが、
大勢の前でとなると、どうだろうか。
 
筆者はさすがに何千人、何万人の前で演説やスピーチをした経験はないが、
それでも仕事柄、数十人~百人ちょっと、という程度ならば、ある。
こういうことは、人前で話す時に何の準備も無しに「どうしよう」となってしまう前に、
ある程度の知識と対策を持って、少しずつ慣れておきたいものである。
 
 
 
①話の目的を明確にする
人前で話す前の段階で確認しておく最も重要なことである。
だから、話し出しから締めくくりまでの道筋も立てられるのだ。
 
これがぼやけていると、いくら話術やテクニックを学んだり、
有名な人の言っていたことや名言などを話に含めても、
話の軸がズレて、自分が本当に伝えたいことが伝わらなくなってしまう。
 
 
 
②伝わらないことを前提で話す
演説やスピーチが上手い人に共通していることが多いことだが、
大切なことや話のテーマとなる言葉を伝えようとする時には、
同じ話を違う視点や切り口で何度も何度も繰り返して話したり、
エピソードを交えるなどして、聴き手の共感性や想像力に働きかけたりする。
 
また、何か一言喋ったら、相手がどう言い返してくるかを想定しておく。
反論という意味だけに限らず、相槌や受け答えや質問の様子によって、
どんな反応をしているか、理解の深さはどのくらいかを見ながら、
相手の興味、集中力、その場の雰囲気や反応などに合わせて、
話の枝葉の部分を一つ省略したりするなど、話しながら調整していく。
 
 
 
③先に形式を伝える
時間が限られている時や、既に大枠の流れが決まっている時などは、
先に形式を伝え、短く伝えた方が良い時もある。
 
例えば、朝礼で交通安全の話や、何かの本番が近づいてきたりして、
その時期に合わせた話をする時は、
 
 1. テーマを一つに絞る
  例:「今日は〇〇をする日なので、一番大切なことを伝えます。」
 2. 大事なポイントを3つに絞る
  例:「これから△△するにあたって大事なことを、3つ覚えてください。」
 3. 結論→理由→最後にもう一度結論
  
としてみると、話題をピックアップしたり、具体的な例や言葉を入れやすい。
全体的に話をざっくりまとめると、かえって伝わらないこともあるので、
まずは①の点を外さないようにして、注意して構成するとよい。
 
 
 
以上、初歩的な3つのポイントを挙げてみたが、
これらは相手が一人の時でも、もちろん使えるものである。
もし不安なのであれば、段階的に人数を増やして慣れていくとよい。
 
ただ、このようにして、ある程度の準備はできるようになるものの、
いざその時となったらやはり、度胸と場数と慣れ、というのが現実だろう。