ソーシャルメディアに使う時間を減らすとメンタル改善に効果がある

 
●英バース大学(University of Bath)のジェフ・ランバート(Jeff Lambert)らによる研究(2022.5.10)
●ソーシャルメディアの利用を一週間休止すると、不安や抑うつ症状を大幅に軽減できると報告された
 
 
 
 この研究では、ソーシャルメディア(Facebook、Instagram、Twitter、TikTok)を1週間中断した場合と、通常通りソーシャルメディアを利用した場合とを比較し、幸福感、抑うつ、不安への影響について理解することを目的とした。
 
 参加者は18歳から72歳までの154名(平均年齢29.6歳)で、研究開始時点では週に全体で平均8時間をソーシャルメディアに費やしていた。
 この参加者を、ソーシャルメディアを一週間使用を休止するグループ(グループ①)と、通常通り一週間使用し続けるグループ(グループ②)にランダムに割り付けた。
 
 実験終了後、グループ①の参加者は、不安や抑うつ、全般的な精神状態の大幅な改善を実感した。一方グループ②は、同じようなポジティブな結果を得ることができなかった。
 また、グループ①のソーシャルメディア利用時間は、平均7時間だったものが平均21分になったと報告された(実際には使ってしまった人が出ていたようだ)。
 この結果から、ソーシャルメディアの使用を一週間休止することで、幸福感、うつ病、不安について、有意な改善につながることが示された。
 
 
 
ジェフ・ランバート氏は以下のように指摘している。
 
 ソーシャルメディアは、人々が自分がいかに成功しているか、可愛いか、好感が持てるか、自信があるかを証明する手段であり、時にそれは「いいね」、「ビュー」、「コメント」の数によって競争を生み出してしまう。
 このような状況は、常に投稿し、チェックし、そして心配することにつながるため、そのような日常から一歩引くことで、リラックスでき、有害な「サイクル」を断ち切ることができる。
 問題の「サイクル」とは絶え間なく回転を続けるものであり、人は長年にわたってその状態に慣れきってしまい、自分自身が自分の指でずっとサイクルさせているにもかかわらず、そのことにほとんど気づかなくなっている。
 ソーシャルメディアのスクロールはあまりにユビキタスであるが故に、私たちの多くは、朝起きてから夜に目を閉じるまでほとんど何も考えずにそうしてしまっている。
 
 
 
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●参考
・Mary Ann Liebert, Inc. Publishers(メアリー・アン・リーベルト社 米ニューヨーク)
Taking a One-Week Break from Social Media Improves Well-Being, Depression, and Anxiety: A Randomized Controlled Trial
 
・The Swaddle(ザ・スワドル 印ムンバイ)
Just a Week‑Long Break From Social Media Can Reduce Anxiety, Depression: Study
 
・SciTechDaily(サイテックデイリー 米カリフォルニア)
A Simple One-Week-Long Break From Social Media Can Improve Your Health
 
・ナゾロジー
ソーシャルメディアを1週間休止すると不安や抑うつ症状を軽減できる