自分を責めたりネガティブなことばかり考えてしまう場合、リラックスする時間を作るとよいだろう。
例えば、風呂やサウナに入ると、「気持ちよい」や「熱い」という、たった今起きたことに反応することの方が優先され、それまで考えていた不安なことや心配なことを、引き続き考えたり維持したりすることが難しくなる。
また、入った後にはリラックスするので、その後に前向きな事を考えたり、今日あった良い事を思い出したり、睡眠の準備をして布団に入るなりして、あわよくばそのまま眠りについてしまった方がよい。
不安なことを考えている時は、脳にある扁桃体が興奮している状態である。
その扁桃体をリラックスさせる方法は、例えば以下のように他の面から刺激を入れることである。
①脳の中に言語情報を入れる(言語情報)
②人との繋がりを持つ、誰かと一緒にいる(オキシトシンの分泌)
③視覚以外の外部刺激を入れる(五感刺激)
特に③については冒頭の風呂やサウナの例もあり分かりやすいと思うが、体中で熱さを体感しているという外部刺激があるため、そちらに気が取られて扁桃体の興奮が和らぐことになる。
ネガティブな感情に包まれていても、風呂やサウナに入っていれば「熱い」ということに情報が集中していき、扁桃体が興奮しているという状態に、「熱い」が加わったり「気持ちいい」が加わったりして分散する。そしてやがて、「気持ちいい」、「リラックス」などと変わっていく。
もし火傷するほど風呂が熱いというなら扁桃体が興奮して条件反射が出るだろうが、通常はそこまでのこともないだろう。
その他、例えばマッサージなどの揉む刺激であれば、脳の注意はそちらに向いていくことになる。
このように、外部からの刺激、特に気持ちの良い刺激を与えることで、それまでの感情からリラックス状態に切り替えるというやり方を取れば、強制的に気をそらすことができる上に、不安や後悔などのネガティブな感情を無尽蔵に湧かせたり増幅させてしまう時間を減らすことにもつながるだろう。