相手に何かを伝えたいとか、自分を理解してほしいということは、ほとんどの人が思っていることであり、コミュニケーションの基本でもあることです。
友人や家族と話をしている時でも、もちろん自分の気持ちや意見を伝えるためにコミュニケーションを取っているので、よりよく伝えるためにも伝わるためにも、コミュニケーションについてより理解を深めた方が良いと思います。
気を付けるポイントとしては、
①自分の話を相手が理解しているか考える
②オウム返しをすることで相手の話を理解していることを示す
③右から左に聞き流されることは起こりうると心得ておく
①自分の話を相手が理解しているか考える
自分が相手に話をする時は、相手が自分の話を理解しているのかを、常に自分自身に問うことが大切です。
なぜなら、自分の話というものは、実は相手には伝わっていないいうことがほとんどだからです。
人は、情報を見たり聞いたり受け止めたりする時、多くの場合は素通しです。
よほど関心を持ったり、注意を払って聞いていたり、知りたいという強い興味を抱いていれば、その話は相手のインプットに繋がる確率が高いです。
しかし、一度に止めどなくずっと喋り続けてられてしまっては、その全てについて覚えておくことも、集中していることも不可能でしょう。
大抵は、例えば10分間他人の話を聞き続け、その要点をキレイにまとめて返すことができるという人は少ないのです。
メモを取りながらであれば可能かもしれませんが、普通のコミュニケーションではそんなことはまずしないでしょう。
ですから、あまり長々と話をする前に、相手が理解をしているかを要所要所で確認しながら話をしていくとよいでしょう。
自分が相手の話を100%理解しながら延々と聞いていられるということはまずないでしょう。であれば、その逆も同じなのです。
②オウム返しをすることで相手の話を理解していることを示す
自分が相手の話を聞く時は、①を踏まえた上で、ポイントを確認しながら話を聞いたり、質問しながら理解を深めたり、復唱やオウム返しというような技術を使いながらコミュニケーションを深めていくことが大切になります。
オウム返しとは相手の言葉を繰り返すことで、相手の言葉の断片がまだ脳に残っている状態で、すぐに言葉にしてアウトプットすることで記憶が強化されます。
だから、相手の話を理解して記憶しているということが目に見えて証明されることにもなるので、相手には「自分の話を聞いて理解してくれている」ということが伝わるから安心してもらいやすいのです。
また、話が一区切りしたところで、「◯◯したら✕✕になったんだね」とか、「◯◯に行って、✕✕も△△も買えたんだね、良かったね」というように、その時点で小さくまとめて返してあげるのもよいでしょう。
③右から左に聞き流されることは起こりうると心得ておく
最後は、コミュニケーションを取っている時の状況についてです。
実際のところ、話を黙って聞いている人ほど、意外と聞いていないものです。
しかし裏を返せば、コミュニケーションとはキャッチボールであり、双方向性のやり取りが必要ということです。
例えば以下のような点について振り返ってみて、相手と上手にやり取りができていたでしょうか。
・相手が聞く体制になる前から突然話し始めていませんか?
・自分の話が長すぎて、相手の集中力が切れていませんか?
・思いつくままに喋って、要領を得ない話になっていませんか?
・うっかり相手が嫌がって聞きたがらない話をしていませんか?
・元々は相手が始めた話を、自分が横取りしたかたちになっていませんか?
一方的にただ聞いているだけでは、情報が右の耳から入って左の耳に抜けてそれで終わりですし、またその反対に、一方的に話してしまっているだけでも理解されていない、ということなのです。
まずは自分が相手に向かって投げたボールが、自分の手元に帰ってきているかどうかを考えながら話をしてみるだけでも、コミュニケーションの深まり方は変わってゆくでしょう。