自分から不安を作り出す傾向を何とかするには

 
 自分から不安を作り出さないためには、「今は楽しいか」とか、「今日は調子が良いか」ということに焦点をあてられるかどうかが一番の問題です。
 
 例えば、今日も明日も調子が悪くて、半年後も一年後も調子が悪い人が、366日目になったら突然楽しく幸せな、思い通りの人生になるということはあり得ません。
 あまり先のことを考えると、人は誰でも不安になったり、自分から勝手に不安を作り出してしまうものなのです。
 だから、一年後や十年後の事を考えて不安になるよりも、今日を楽しく生きた方が確実に良いのです。
 
 冒頭のように、今のことだけを考えて、「朝気分よく起きられた」とか、「ご飯が美味しい」とか、「友達と楽しい話ができた」とかいうことを、小さくても一つ一つ感じることができれば、「実は今日は意外と良い一日だったんじゃないか」と思えてくるようになります。
 記録や日記をつけておけば、そういった出来事を後から振り返って確認することもできます。
 
 本来は、今日一日を楽しく、少しでも楽に、将来良くなるために、今日すべきことをやるべきです。
 もちろん、一年後に今よりも良い人生を歩んでいる方がいいに決まっていますし、誰でもそう思うでしょう。
 しかし、そうなるとそこから逆算して「今日一日何をしたら良いか」ということを考えて、今日できることを一つずつ実際に行動していくのが当然なのです。
 「朝起きたら世界が変わっていて、自分だけがこの上なく幸せな人生になる」ということはないのです。
 
 
 
 実際のところ、先のことを心配していたとしても、そんなことは起きなかったり、起きたとしても、その場になると意外と平然とできて何ともなかったり、ノリで何とかできたりすることがほとんどでしょう。
 仮にその時に自分に何らかのダメージがあったとしても、痛くも痒くもなかったりして「意外とこんなものか」と思ったりすることもあります。
 また、ギリギリでなんとか捌くことができて、その達成感から不安になっていたことすら忘れて、「もっと準備しておけばよかった」と後悔したりするものです。
 予期不安や取り越し苦労は、結構多いことなのです。
 
 それよりも、不安なことばかり考えて増幅して、本来すべきことから外れてしまったり、不安に飲み込まれ切ってしまい、何も準備せずに本当に丸腰のまま事に向き合うことになる、ということの方が現実的に考えて損失が大きいのです。
 
 不安になるならなるで、今現在のところ自分が本来の道筋に沿っているのか確認したり、避けて通れないことなら計画や準備を十分にしておくことの方が大切なのです。
 もし最終的に他人の評価で決まったり順位がついてしまうことで不安なのなら、「その中から自分は何を得よう」とか、「この経験を他のどんなことに活せるだろう」とか、「その時までに何を備えておく方が良いか」といったことに考えをめぐらせた方が、余程自分のためになったりします。
 さらにこれが体力や筋力の差で結果が変わってしまうことならば、当然悩んだり不安になっている暇などなく、直ぐにでも体力作りや練習や筋トレをした方が得でしかありません。
 
 というように、あまり先のことを考えて不安になり過ぎるよりも、期間があるならあるで最良の結果になるように逆算して考え、特にないなら、「今、今日一日、自分には何ができるのか」ということに焦点を当てて、実際に行動に移していくということが大切です。