在宅ワークでは、一般的に「報告・連絡・相談」と言われる通常のやり取りにしても、何かトラブルが起きた時にしても、なかなかそのやり取り自体がうまくいかない、ということに繋がってくることがある。
このような中においては、自分からコミュニケーションを取ったり、適切に主張するというような、「アウトプットする力」を磨いていった方がよい。
そして、今の自分は周りの人達と、「コミュニケーションが密にとれているか」とか、「雑談や相談をしたりされたりできる関係になっているか」という見つめ直しを積極的にやってみることが大切である。
在宅ワークが続く時に気をつけておくこと
①コミュニケーション不足
基本的にはメールなどの文章やオンラインでの対話が中心になることが多いだろう。
仕事上のやり取りや事務的なやり取りにおいてはそれで良いのかもしれないが、雑談などをはじめとした、人同士が実際に会った時にしているコミュニケーションが不足しがちになる。
特に、短い休憩時間やお昼の時間、先輩や後輩などとの移動の時間、会議が始まる前に待っているちょっとした時間などにするような、最近あった出来事などの近況とか、どこかで美味しい食べ物や飲み物などで良いお店を見つけたとか、そういった内容のやり取りがほぼ無くなるため、事務的な会話が主になってしまいやすい。
また、ちょっとした一言やメモなどを添えたりする機会も少なくなり、必要なことを必要なタイミングでやり取りするのみといった、少しお堅いかたちになってしまう傾向もある。
これは自分にとっても相手にとっても同じことが言えるのだろうが、少しニュアンスが変わっただけで解釈や伝わり方が変わってしまったり、真面目さや誠実さといった、相手の印象や性格などの受け取り方や受け取られ方にも多少は影響してしまうので、きちんとやり取りが完了するための気配りがより必要になり、これがストレスにもなりやすい。
②メンタル疾患に陥りやすい
雑談やちょっとした行動や仕草などで受け取れるコミュニケーションが少なくなっている分、何かあってもこちらから相談しづらいし、周りの人も気づきにくくなる。
周りの人だって、「調子が悪いようなら早めに言ってほしい」と思うだろうし、自分自身だって、何かおかしな前兆があるのだったら当然早めに感じておきたいものだ。
「最近どうですか?」とか、「元気なさそうだけど大丈夫?」とか、「アレ進捗どうなってる?」といった、ちょっとした何気ないやり取りが、意外と心の癒しや息抜きになっていたり、緊張感やプレッシャーといったものをほぐす行為だったのだろう。
であればやはり、コミュニケーションは積極的に取っていった方がよい。
③自己管理能力
自己管理能力が問われやすいことは、メリットでもありデメリットでもあるだろう。
進捗管理が自分次第なので、自己管理能力が高い人は楽に早く終わらせることもできるし、その反対に自己管理能力が低い人は、誰にも見られていないからダラけてしまったりする。
また、新人など経験の浅い人達は、出されている指示が分からないため、どうしたらいいのか分からなくなってしまうということにも陥ってしまいやすくなるだろう。
「これ、どうしたらいいですか?」のようなちょっと聞きたい時に、それが出来ずに自分一人でいる時間が多くなる分、会社のオフィスにいる時よりも自己管理能力が問われてくるのである。
誰かと一緒に会社にいることができると、ちょっとした相談ができたり、出された指示の細かい部分などを伝えたり、といった割と柔軟なやり取りができただろう。
しかし、在宅ワークだとそれがほぼ無くなる分、自分で考えて自分でタスクとその順番を決めて、自分で完結させなければならないことが多くなっているはずである。
ただ、よく考えてみれば、今は「言われた仕事を言われた通りにこなす」ということが少なくなっているだけで、その一方で、「自分で考えて決断し完結させる」とか、「自分で仕事の質や量を向上させる」という仕事のやり方もできるだろう。
それも、かなり初歩的なことだったり、小さな規模からやってみることができる、という機会が訪れていることでもあると言える。