スランプの乗り越え方

 
 誰でも、調子がいい時もあれば、悪い時もあるものである。
 しかし考え方はそれだけに限らず、「やる気を持って一生懸命活動的になりたい」という時もあれば、「のんびりリラックスして過ごしたい」という時だってあるものである。
 
 もしかしたら多くの人は、調子の良し悪しだけで判断して悩み、「どうせ自分なんて」と勝手に思い込んでいるのではないだろうか。
 そして自分を責めたり非難する方向に進んでいき、その結果としてスランプを長引かせてしまうのではないだろうか。
 
 もし「最近調子が悪くなってきたなぁ」と感じるようになったら、「少し休養をとってリラックスしよう」くらいの気持ちの余裕を持てるようにした方がよいだろう。
 そもそも、調子が良い日が続く時もあれば、その反対に悪い日が続くこともあるのだ。
 そこを分からずに自分を非難してばかりいると、スランプもより長引いてしまうのだ。
 今まさに調子の良し悪しでしか自分の状態を見ることができていないとしたら、まずは「調子の良し悪し以外の視点で今の状態を見る」という視点を作ることと、その余裕を持つことが必要かもしれない。
 
 
 
 また、たとえスランプに陥っても動じずに過ごすためには、「普段から記録をつけておく」ことが大切である。
 記録さえつけておけば、まずスランプの周期が分かる。
 例えば、単に3日調子が良くて3日調子が悪いというような周期だということが分かれば、その間は無理せずやり過ごそうと思えるようになるだろう。
 
 また、スランプになったきっかけ、抜け出たきっかけなどが分かる。
 直前に何をしていたかを見返すことができるし、原因が自分の内にあるか外にあるかも分かるからである。
 
 悪くなったきっかけならば、会社の上司に何か言われたとか、テレビの衝撃映像を見て不安になったとか、同じ失敗を同じように繰り返してしまって落ち込んだとか、何か見つかるだろう。
 同じように、良くなったきっかけも、会社の上司に励ましてもらえたとか、小さなことでも自分で決めたことを達成できたとか、何か得する出来事が起こったなど、何か見つかるだろう。
 
 というように、自分を見つめ直しておくことである。
 もし何か抜け出す方法ややり過ごし方を経験していたら簡潔にまとめておけばよいし、よくあるパターンなら事前に知っておいたり見つけておくなどしておけば心も少しは楽だろう。
 もちろん、起きるかどうか分からない状況まで過剰に妄想する必要はないが、せめてこの二点を使って自分の調子の波を把握しておくことが大切である。
 
 スランプに陥ってしまったら、足掻けば足掻くほど体力や気力を消耗してしまうので、必ず元の調子に戻ると信じてあまり落ち込まないようにし、落ち着いて乗り越えていけばよいだろう。