誰にでも、あれこれ悩んだ上に、「どうにかしたい」とか、「何とかならないか」と、やきもきすることはあるだろう。
一方でその悩みが、自分がコントロールできる範囲のことでない場合はスッパリ諦める、ということもまた大切である。
例えば、「明日は前々から計画していた大切な予定があるのに雨が降るかもしれない」などという場合、そういうことは悩んだり落ち込んだりしても仕方がないことなのである。
一般的には、「雨なら雨でこうしよう」とか、「やれるところまでやって、降ってきたら切り上げて次に行く」とか、「またの機会に改める」などとするしかない。
自分の力では何ともすることができないことに当たってしまった時には、「機転を利かせる良い機会が与えられたのかも」くらいに思って前向きにやるしかないのだ。
というように考えれば、諦めるということも、意外と悪いものではないのである。
もしも日本的に考えるのであれば、何となく周りの雰囲気を察して、「諦めないで最後まで頑張るのがすごいこと」だと考える人は意外と多いのかもしれない。
また、「傍から見てもできそうにないことや、困難なことに挑戦する」ということも同じようなことだろう。
確かにそれはそれで、見習ったり賞賛できるようなことなのかもしれないが、悩んでストレスになってしまうことを考えた場合、時と場合によって対応を変えるということを心得ておかなければならない。
天気も思い通りに晴れにできないし、時間も元に戻せない。
何奴も此奴も思い通りに動かせないし、動いてくれない。
人間一人の力ではできないことや、どうにもならないようなことに対して一生懸命やっても、意味がないのだ。
できないことに対して多大なエネルギーや労力を振り分けるということが、いかに体に負荷をかけたり精神的なストレスの原因となったりするのかを、よく考えるべきである。
そして、より自分がコントロールできると思うことに切り替えて、そこに対して情熱や実際の行動を注ぎ込むかということの方がよほど大切なのだ。
このようにして、気持ちも上手に切り替えて次に進み、できることに集中していかれるようになれば、それまで抱いていたストレスの大部分は消えて楽になることだろう。
人間一人の力ではどうにもならないようなことは、「まあ仕方ない。次、次。」としておき、「自分でできそうなことは諦めないでやってみて乗り越える」としていく方が、より悩みも少なく、前向きにやっていけることだろう。