コミュニケーション力を高めるにできること メモ

 
 良好な人間関係を築ける能力は、人生の幸福度としても、健康面としても、物事の達成に欠かせない要素としても、かなり前向きに作用すると言われる。
 確かに、コミュニケーション力が高ければそれだけで得をしそうである。
 結論としては気持ちの問題になってしまうのだろうが、「人に対してどれだけ安心感を持って接することができるか」ということが大切である。
 
 人に対する安心感を持っている人は、他人とも素のままで緊張せずに話せるし、話すほど元気になるし、会話の量も増えていくので自然とコミュニケーション力が鍛えられていく。
 その反対に不安感を持っている人は、他人に素の自分を出せないため、話すほど疲れてしまい、他人を避けるようになって会話の量も減ってしまい、コミュニケーション力も育たないままに、或いは衰えることになってしまう。
 
 心理学では、この「人に対する安心感」を育てるには、幼い頃にたっぷりの愛情を注いでもらうことが重要だと言われている。
 「ありのままの自分でも暖かく受け入れてくれる世界が通常」なので、様々な人と気兼ねなくコミュニケーションが取れるようになるのだそうだ。
 
 しかし、そのような環境になかったまま大人になってしまった人たちは、これからどのようにして育てていけば良いだろうか。
 細かいことをその都度気にしてみたり、いくつものルールなどを暗記して覚えたりすることなく、自然とコミュニケーション量が増えるようになるには、どうしたらよいのだろうか。
 
 
 
①体を預ける練習をする
 二人一組になって前後一列に並び、前の人が後ろの人に向かって、両手を広げて両足を揃えて、後ろ向きに倒れていく。
 後ろの人は両腕でしっかりと受け止めてあげる。
 
 もし前の人が「受け止めてもらえないかも」と思っていると、足をずらしてバランスを取ろうとしたり腰が引けたりするだろう。
 もちろん、後ろの人は必ず例外なくしっかりと受け止めてあげる必要がある。
 
 
 
②両親からしてもらったこと、してあげたことを書き出す
 ノートを開き、左のページには両親からしてもらったことを、右のページには両親にしてあげたことを、それぞれ思いつくだけ書いていく(紙を2枚用意するのでもよい)。
 自分が赤ちゃんの頃からどれだけ愛情を注いでもらったか、その事実がよく分かるだろう。
 
 当然、直接過去に戻ることはできないので間接的な方法になるが、このようにして「自分はありのままを受け入れてもらえる、価値のある存在なんだ」ということを感じることで、あらためて人間に対しての安心感が養われていく。
 また、それを感じた後に、もしも右側のページが明らかに少ないようだったら、これからお返ししてあげたいことを書いてみるとよい。
 或いは、自分の配偶者や、子供や孫などの後の若い世代に対して、これから無条件にしてあげたいことなどを書いてみるのもよいだろう。
 
 
 
③暗いニュースを見ない
 ニュース自体はある程度見ておいた方が良いが、ほどほどにしておいた方が良いだろう。
 確かに、知れば知るほど物知りになれるのかもしれないが、事故、事件、犯罪、衝撃映像、不祥事などといった情報に過剰に触れることによって、人間に対する不安感もまた膨らんでいってしまうのである。
 さらに、メディアをはじめとした情報の媒体や発信者などによっては、情報の偏りも大いにあることだろう。
 
 人の頭というものは、入れた情報の割合の多さや最初に入ってきた情報によって、次の行動を予測したり世の中や社会を俯瞰的に全体的に見て判断しようとするものなのだ。
 だから、例えばテレビのニュースやワイドショー、週刊誌のスキャンダルなどの情報ばかり見ていると、「世の中には悪い人が多いのではないか」ということを、知らず知らずのうちに心の隅で思うようになってしまうのである。
 
 もちろん、ニュースの中には知っておかなければならない大切な情報もあるが、その性質上、暗い話題や深刻な話題も含まれていることが多い。
 人助けをした勇敢な人の話や、今見ごろの国内の人気のスポットや風景、新しい技術の発表など、自分のためになることや心温まる話題はどんどん知ることができればよいのだが、なかなかそういう訳にもいかないだろう。
 自分に関係ないと感じた情報はスルーしたり、スポーツや映画に切り替えたりというように、無防備に一方的に受動的に情報にさらされ続けることなく、自分にとって必要な情報を選んでいくことが大切である。