苦手なもの、怖いものへの対処方法 メモ

 
①系統的脱感作法(徐々に慣らす)
(1)克服しなくても日常生活や社会生活に支障がないもの
 苦手なものや怖いものに徐々に慣れていくというやり方である。
 高いところが苦手なら10cmぐらいの台の上に立つことから始め、大丈夫なら10cmずつ高くしていく。
 
 なお、物事には程度というものがあるので、過剰になり過ぎずにほどほどに目標や範囲を設定しておくとよい。
 ほとんどの人は50cmぐらいの高さから地面を見ても怖いと感じないだろうが、高層ビルの上の方の階から真下の地面を見下ろしたら誰でも怖いと感じるものである。
 
 
(2)克服しないと日常生活や社会生活に支障があるもの
 まず本人自身に苦手なことを克服する覚悟があるかが大切である。
 問題となっていることを何とかしないと日常生活に支障がある場合は、「何とかする」ということを心に決めなければ解決は難しい。
 例えば、引きこもり気味を何とかしたいのであれば、早朝でまだ人気のない時間に、
 
 ・部屋から出てみる
 ・玄関先に出てみる
 ・ゴミを出しに行ってみる
 ・近所を散歩してみる
 
などというように、段階的に範囲を広げてみるとよい。
 
 なお、医師やカウンセラーなどの専門家を頼るケースは、筆者の専門外のためここでは省略する。
 
 
 
②知識をつけたり、実際に体験してみる
 「そのことについて知らない」という理由で、先入観を持ったり食わず嫌いをしたりして、苦手、嫌い、怖いと感じている場合がある。
 この場合は勉強して知識をつけることで、そのことについての本質や事実を理解したり、作り話や迷信であったということが分かれば、その後は特に感情を乱すことがなくなることも多い。
 
 
(1)怖い話が苦手、嫌いという場合
 例えばこの場合は、たくさん聞いて慣れたり、構成や展開やオチが分かってしまったり、実は○○さんの作り話だったと分かったり、歴史上の出来事が背景だと分かったり、何かの作品のパロディだと分かったりするなど、知ってしまえばその後は特には怖くなくなるものである。
 
 これが噺家の怪談話などであれば、噺家や一門(流派)が変われば大筋は似ていても表現方法は様々あるので、むしろ楽しみや期待に変わったりすることもある。
 
 
(2)特定の分野や技術が苦手、嫌いという場合
 学問や学習関連のことで一般的に起こりやすいことかもしれないが、例えば芸術やスポーツなどをはじめとした、反復練習や反復学習をすることによって何かの技術を身に付けていく中で、〇〇の技術が苦手、怖いという場合は、
 
 ・基本的な理論、基礎の型、などを学んでみる
 ・見本をみる、それを真似してみる
 ・ゆっくりな動作から実際に自分で体を動かしてみる
 ・既にできている人と一緒にやってコツを教えてもらうなどして、徐々に一人でできるようにしていく
 ・指導者に見てもらいながら、安全具や補助具、補助員などを徐々に外していく
 
などのステップを設定して、指導者や協力者と共に解決していくとよいだろう。
 この場合ついては、一度でもできたと感じたり、何らかの手応えを得られて自信をつけると、むしろ得意分野に変わる可能性もある。
 
 
 
③諦める
 虫が苦手、辛いものが苦手などの、治さなくても特に日常生活には支障をきたさないものは諦める、ということである。
 「そこまでして治さなければならないのか」というようなことは、無理に何とかしようとすると、かえって過剰な精神的負荷になりかねない。
 
 「治したいと思っても簡単に治せるものではない」ということもあるため、そうした場合はそのことを回避したり、他の何かで代用したり、和らげたりするなどの対策をしながら、ある程度は受け入れて生活をする必要もあるだろう。