ストレス、不安、大きな仕事や何かの大会の本番前での緊張など、精神的な負荷がかかって動悸が現れることがある。
まずは、人間は多くの場合、「やるな」と言われるとやりたくなるものであり、「動悸を止めなければならない」と考えると、いつもそのことが気になってしまうということを知っておく必要がある。
(本稿は今後の音楽指導に活かせそうなことについての備忘メモであり、本当に医師の診断や薬の処方などによって改善させる必要のある動悸ついては他の適切なサイトの発信情報をご参考ください。)
精神的なもの、特に発表会などの、人前で何かする緊張感などが原因で一時的に心臓がドキドキしてしまう場合は、放っておいても死ぬことはないので特に治す必要もないだろう。
命に関わることでなければ「動悸が止まらなくてもいいや」と思えるようになれば治まるし、その後も特に気にならなくなったり、「しばらくすれば治まる」と考えられるようになるものだ。
このあたりは、プレッシャーを撥ね退けるくらい上達したり、場数、成功、失敗、認められたり褒めてもらうなどの経験を積んでいけば、大抵慣れていくものである。
また、動悸だけに限ったことではなく、何かを「治そう」という気持ちが強い人ほど治らないもので、「ある程度はまあいいか」くらいに思える人の方が治るものである。
自分に今出ている症状に対して、治そうとか、消そうとか、早く何とかしようと思えば思うほどネガティブな部分に注目してしまう。
睡眠で言えば、なかなか眠れないと気にしすぎると本当に眠れなくなってしまう、というのと同じようなことだ。
それよりも、「ドキドキしたって別に死ぬこともないし、そのうち治まるだろうから、まあいいか。」と思えるようにしていく方が良いので、治す必要もないのだ。
治す必要がないと思えるようになったら、そこからは随分後になってから動悸の頻度が自然と減っていることに気付くようになるだろう。
そうして気にならなくなってしまえば、それが治ったという状態なのである。
誰でも、調子が悪い日や疲れている時はある。
そのような中でも、今日調子が良いというところに注目して、「今日も頑張ろう」と切り替えられるようになることが大事なのだ。
これが日々自然とできるようになっていくと、できるようになったことやできている部分にも注目して評価できるようになってくる。
そうすると、「今日の本番では動悸が起きずにできた」とか、「前に緊張した時よりは7割ぐらいマシになった」とか、改善できてきている部分がより見えてくるのである。
真に治ったと言えるのは、できていない部分に注目していることを自然と忘れていき、そのことを思い出さなくなった時である。
ネガティブに注目するのではなく、ポジティブに注目することが、改善させていくためのコツと言える。