他人と意見が異なった時の心構え メモ

 
 多くの場合、人は自分の意見が否定されたり受け入れてもらえないと、気分が悪くなるものだろう。
 しかし、人の考え方というものは、その人それぞれによって違うものなので、10人いれば当然10人とも考え方は違うのだ。
 人の話を聞くときのコツとしては、この辺りを知っておくとよいだろう。
 
 「他人の心や考えは変えられない」のは、自分が相手の立場に立って考えたら分かりやすいのかもしれない。
 それを無理やり変えようとしたり、自分の意見を押し付けようとしてしまうと、ただ疲れるだけで終わってしまう。
 日常での親しい間柄の人との会話などなら、説得したり批判するということは、全部が無駄というわけではないが、単純に大変疲れることではある。
 
 だから、人と話をする時には、「世の中には自分と違う考えの人も多い」という心持ちで聞くと、全く異なる考え方をする人と出会ったとしても、「この人はこのような考え方なのだ」とか、「そのような考え方もあるのか」と相手を尊重することができる。
 
 人生のうちでは実際に、わざとやっているんじゃないかと思ってしまうくらいに話が進まない相手に出会う経験というのも、誰にでも少なからずあるかもしれない。
 しかし、相手がそのように対応したり考えたりして、こちらの話を一切聞き入れないとか、はぐらかすとか、全く譲らないのであれば、それはその人のやり方として尊重(だけは)してあげればよい。
 
 ここに対して、「頑固者だ」とか、「頭でっかちだ」というように腹を立ててしまうと、腹を立てる原因を自ら作ることになってしまうのだ。
 そうではなくシンプルに、「この人はこういう考えなのだ」と思えば腹も立たないし、今までよりも気持ちが楽に済む。
 
 確かに、自分と親しい間柄の人たちに対しては、その中での価値観を共通させるためにとことん話し合うというのも良いし、そうした機会も時には必要なのかもしれないが、ただの普通の知り合いや会社の同僚などの場合はそこまでする必要もないのだ。
 
 人と意見が違った時は、「そういう考え方もある」と思えば、少なくとも今まで腹を立てていた状況よりは、心穏やかに過ごすことができるだろう。
 人生の時間は有限なのである。