社会に出て人と関わっていれば、すぐに不機嫌になってしまうような人とは出会うものである。
また、ちょっとしたことで怒りっぽくなったりイライラしたり、そうした感情が言葉や態度になって表れやすい、ある種の「我慢に弱い人」というのもいる。
なぜそういう人はそういう感じになってしまうのか、そして自分に伝染しないようにするにはどうしたらよいか。
全てではなくともいいから、原因になりそうなことぐらいはいくつか知っておいた方が良いだろう。
たとえいつでも「自分の機嫌は自分で取るもの」と思っていても、思いもよらないことが原因で不機嫌になってしまうことがあるかもしれないのだから。
①疲労が溜まっている
肉体的な疲労と精神的な疲労の両方が考えられる。
体が疲れていると「疲れた、疲れた」と言いやすくなって周りの雰囲気を下げてしまうとか、心に負荷がかかっているとちょっとしたことでイライラしてしまうなどである。
だから、こうした反応があまりに強いかもという人は、万全な健康な状態とは言えないのかもしれない。
ある程度健康なのであれば、少しくらいのネガティブな感情に対して「我慢強さ」というものがあるし、それを発揮したり上手く対処したりするはずである。
疲れが溜まってくると、こうしたことができなくなってくるという部分もあるのだ。
また、この程度であれば、少し休憩したり、数時間くらいの時間を空けたり、翌日になったりすればケロッとしているくらいで済むことも多い。
②セロトニンが低下している
セロトニンは感情をコントロールする物質と言われている。
脳の働きや気分が不安定なものを安定化させる働きがあるが、セロトニンが低下してしまうと脳がうまく働かなかったり感情が暴走したりしやすくなってしまう。
つまり、怒りっぽい人はさらに怒りっぽくなり、イライラしてる人はさらにイライラしたり、落ち込みやすい人はさらに落ち込んだりする。
セロトニンがしっかりと出ていれば感情のブレーキやアクセルのようなものがうまく働くのだが、低下していくとこれが効かなくなってしまっているのだ。
そうして酷くなってくると、今風に言えばキレやすくなったり、衝動的な行動を取りやすくなったりする、という連鎖が起こってくる。
下がったセロトニンを高める方法としては、しっかりと睡眠時間を確保した上で、朝に日光を浴びながら散歩するとか、それに合わせてリズムよく歩くなどのリズム運動などをすると良いと言われている。
③規則正しい生活ができなくなってきている
睡眠不足、運動不足、不規則な生活、というものが主に挙げられることである。
簡単に言ってしまえばこの逆をやると良い。
7時間から8時間は睡眠を取り、週に数回汗をかく程度の運動をし、早寝早起きをしたり三食ちゃんと食べたりするのだ。
睡眠時間が6時間以下になると、感情が不安定になったりイライラしやすくなったり、食欲が暴走しやすい。
きちんと睡眠を取れている人は、個人差はあるだろうが、余裕を持って様々な対応ができるし、感情も安定している。
朝早く起きて散歩をするのだって、夜更かしせずに しっかり睡眠を取らなければできないことだ。
また、運動が不足すれば、体を動かすことで発散できていたイライラやストレスが溜まるし、夜更かしをすれば体内時計がずれるので、精神的にも身体的にも様々な問題が起きてくる。
変わり映えのない毎日を繰り返すのは嫌気の一つも差すのだろうが、毎日「朝は同じ時間に起き、夜は同じ時間に寝る」という規則正しい生活をするのとは別であり、規則正しい生活を送ることの方が圧倒的に大切なのだ。
生活リズムを修正しやすい最初の一歩としては、まずはゲームやスマホやテレビなどの夜更かしをする時間から減らしていくのが良いだろう。
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上に挙げた項目以外にも、「今何とかしたいと思っていることが全然うまくいっていない」とか、「誰かに受け入れて欲しかったのに受け入れてもらえなかった」という理由などもあるかもしれない。
いつ自分自身が不機嫌な状態に陥って、心も体も上手くコントロールできなくなるかは分からない。
しかしそうなった場合には、まずは上の3つの項目を思い出して、自分の体調、疲労、感情を確認し、心身を整えていくことだ。
そして、疲労を溜めないようにして、日々の疲れをしっかり回復することに務めていくことで気分を安定させて、仕事でも人間関係でも円滑に進めていかれる状態に早く戻していくことが大切である。