他人を責めたり攻撃的な態度をする人と、嫉妬心を上手に活かす方法


①自分にとって良い材料があれば取り入れる
 人を攻撃したくなる心理の一つに「同族嫌悪」といものがあります。
 自分自身のコンプレックスや欠点を相手に見出した時にそこを攻撃するもので、実は自分と相手との間に何らかの共通性を持っていることが多いのです。
 例えば、好みや苦手なものが同じとか、成績が大体同じくらい、などです。

 自分自身が何も悪くない他人を一方的に攻撃してしまうような人間にならないためにも、その手前の対応として「相手や状況をよく観察すること」が大切です。
 これを、観察ではなく「比較」をしてしまい、その差にがっかりしたり腹を立てたりしてしまう人がいるのです。

 心理学には、自分よりうまくいっている人と比べる「上方比較」という考え方があり、それには2通りあります。
 これは、同族嫌悪につながらないためにも知っておき、上手に活用すると良いでしょう。

 ・良い上方比較 → 参考にする、真似をする、見本にする
 ・悪い上方比較 → 妬む、僻む、攻撃する

 世の中には「他人は自分を映す鏡」と言われる言葉もあるし、「人のふり見て我が振り直せ」という諺もあるように、普通の人なら自分以外の優れた人を観察して良いところを参考にして、自分の成長につなげることの方が重要なはずです。
 しかし結局のところは、同族嫌悪に負けて他人のことを悪く言ったり責めてしまう人がいます。
 こういう方は、残念ながら、自己成長を疎かにして他人を優先させている、物事が上手くいかない暇人となっていくことでしょう。

 もしあなたが相手を攻撃しそうになってしまうようなことがあれば、一旦は思い留まってください。
 その他人はもしかしたら、あなたと同じようなコンプレックスや欠点を持ちながらも、それを上手に補っている人かもしれませんので、そこだけは客観的に見て理解しようとしてみると良いと思います。

 結局、自分のことを攻撃してくる人とは、ほぼ自分と同じくらいのレベルであり、同じような悩みを抱えている人と見て間違いありません。
 とてもレベルの高い人はいちいちあなたの相手をしませんし、あなたもまだまだこれからの人に対してちょっかいを出したりしませんよね?
 だから、まずはよく観察して、状況や情報を切り分け、自分にとって良い材料があれば取り入れてしまう方が良いのです。

 

②嫉妬心の活用
 嫉妬の感情であっても、不安・怒り・ネガティブなエネルギーであっても、それらは人を突き動かす原動力になるので、ぜひ前向きな方向に利用していくと良いです。
 ①と似た内容になりますが、感情そのものとどう付き合うかは一旦横に置いておき、嫉妬心をもった相手のモデリングをしてみると良いでしょう。

 冷静に考えれば、嫉妬心が湧くということは、その相手はあなたが欲しがっている能力や実績を先に手にしているということなのです。
 であれば、感情に任せて自分の貴重なエネルギーを負のものとして使ってしまうよりも、「そうなるために何をどうやったのか」について分析したり、時には本人に聴いたりして、自分に役立てていく方が圧倒的にプラスに働きます。
 自分より優れた人がモデルであるなら、どこがポイントなのかを観察し、真似て自分に役立てていくことです。

 「あの野郎、憎たらしい、羨ましい、ちくしょう」となるよりは、筋トレでもして腹が立つのを一旦落ち着かせて、「自分も何か参考にできることをはないか」と切り替えて取り入れることです。
 その何かが手に入ったり自分に身に着いたりすれば、嫉妬心は知らない間になくなっていることでしょう。

 

③人を責める前に気を付けること
 一旦はその状況を受け入れたり、認めたりすることです。
 心理学では「受容」と言います。
 特に病気などの場合は、自分や他人を責めたところで治りはしないので、どこかで受容することは必要なこととなります。

 なお、念のためですが、受け入れたり認めたりすると言っているのは、相手の言い分を真に受けたり言いなりになるという意味ではありません。
 人を責めたり攻撃してくる人、とりわけそれが上手な人は、残念ながら存在します。

 その手の人は、あなたの罪悪感や無力感や未熟さを増幅させたり、「自分にも悪いところあるよね」とか、「自分を責めた方が楽だ」と思わせて洗脳させるのが大変上手です。
 そういう時は、言われるがまま、されるがままにならない姿勢を見せたり、話を打ち切ったりして徒労に終わったり泥沼に陥らないようにすることです。

 話は戻りますが、ちなみに、「余命わずかな人が精神的に抗いながら安らかに旅立つまでのフェーズ」について、言われていることがあります。

 (1) 怒り(自責・他責)
 (2) 抑うつ(落ち込み)
 (3) 取引(何らかの形で納得する、折り合いをつける)
 (4) 受容

 この場合は病気での例ですが、普段の生活や仕事の場では、誰にでも自分や他人を責めたくなってしまう時はあることでしょう。
 その時に重要なのは「許すこと」であるはずです。
 だから、その時のその時点では許していなくても、「許した」と言ったり書いたりして、一旦は「受容している」というかたちをとってみるとよいでしょう。

 そうすることで、例えば、書き出しているそばから分析ができるようになっていったり、「許せない」という言葉に集中しすぎて実はモヤモヤしていた理由がよりハッキリとした言葉になって、客観視できるようになったりしていくものです。
 そして、自分の気持ちに余裕ができ始めてきたら、相手や第三者の立場で自分を見つめ直してみるとより冷静になれるでしょう。
 また怒りの度合いによっては難しいこともあると思いますが、特に言うなら「○○を自分に気付かせてもらった、ありがとう」とか、「あなたも○○がコンプレックスだったんだね、自分一人だと思ってたけど違うと分かった、ありがとう」など何らかの感謝の気持ちを持ってみると、沈んでしまった自分の気持ちの改善も早まるでしょう。