失敗が気になって行動できない状態を改善する考え方


①行動して失敗しないと経験値は貯らないと考える
 人は今持ちうるものでしか対処していくこともできませんし、人に与えることもできません。
 逆に考えれば、今持っているものと置かれた環境で動き出さないと始まらないということですから、「アレがなければ何にもできない」とか、「コレが出来なきゃ失敗したのと同じ」などということもありません。

 ですから、行動することから始めてみて、進めていくその中で、「何をすれば先に進むか、何をしたから(しなかったから)失敗したのか」とか、「どうされたら嫌な気持ちになり、どうされたら嬉しくなるのか」などということを、様々なパターンや状況においてよく知ろうとし、また、経験することです。

 苦労をしている人というのは、様々な試行錯誤の経験や人々の色々な感情を知っているものです。
 だからこそ、物事に取り組むにあたって様々なことを想定したり、その経験値から相手に対して何かをする時には一つ一つの所作に、深さ、広さ、適切さなどが幅広く表れてくるのです。

 

②失敗よりも挑戦と考える
 これから何かをするにあたって「失敗したら恥ずかしい」と思っている人に言うことがあるとしたら、「ほとんどの人は、あなたの失敗なんて見てもいないし、失敗したとしても覚えていない。」ということです。
 人にはそれぞれやることもやりたいこともありますし、他人に興味があると言っても、結局はそれほどの興味も持っていないので、これを知れば少しは安心できると思います。
 どんな分野においても、成功している人というのは人知れず失敗しているものです。

 ですから、もしあなたが、「やりたい、やるべき」と思うものを見出したのなら、黙ってさっさと取り掛かるべきなのです。
 さっさと段取りをつけて、さっさと準備して、さっさとやって、さっさと終わらせる。
 もし途中で失敗したのなら、さっさと修正すればよいのです。

 人の目なんて気にせずどんどん挑戦して、現状を乗り越える方が大切です。
 せっかく素晴らしいことを思いついたのだからさっさとやればいいのに、いちいちあれこれ考えてもたもたしているから、やっているところを見られ、分析され、失敗を笑われ、良いところを真似され、盗まれ、出し抜かれ、先を越されて手柄を無しにされるのです。

 「失敗したらどうしよう」ではなく、「新しく挑戦することができた」と思ってすぐ取り掛かるのです。

 

③もし実際にやって失敗したのなら、その後にはフィードバックをする
 失敗するかと思ったらうまくいき、「運がよかった」と思うことはたまにはあることです。
 しかし、失敗することを運で回避したり、上手に取り繕って何事もなかったかのように進み直せるかといえば、限界があります。

 そもそも失敗してしまう場合には次のようなことが多いので、事前に対策したり後で振り返ったりしておくことです。

 ・自分の強みを活かす、あるいは活かす工夫をしていない
 ・自分の弱みや、強み以外のことで勝負をしている
 ・強みで勝負していても、あと少しのところで諦めてしまっている
 ・自分の戦略と他者の戦略及び実際の動きに興味を持たない
 ・準備不足
 ・慢心
 ・思い込み
 ・無目的
 ・無計画

 また、他人の評価軸のみにこだわると、挫折、自己否定、再起不能などに陥りやすいです。
 例えば、先生や上司の査定・評価、コンペや作品応募などでの採用不採用、コンク-ルや〇〇大会での順位や賞などで審査員が一定の得点をつける、などです。
 こういうことには自分(達)でコントロール可能な上限目標、下限目標なども合わせて作っておくと、他人の評価や競技相手などの存在で達成できなかったとしても、取り組み始めた頃の自分と比べて自分の成長を実感することができます。。

 もし運よく失敗に気付けた時は、「逆境を乗り越える機会」として色々工夫して向き合ってみるとよいでしょう。
 特に、失敗した後には次の三点のように「フィードバック」をやってみることで、冷静な分析と次への改善がより見込めます。

 (1) うまくいっている点を三つ挙げる(成長、才能、特技などの認識)
 (2) うまくいっていない点を三つ挙げる(原因の究明)
 (3) 次からどうするかを三つ挙げる(対処、改善、計画)

 

④今よりも少しだけでも具体的かつ計画的にして地道に取り組んでみる
 仕事や勉強などで失敗しがちな人がよく使う言葉に、次のようなものがあります。

 ・とにかく頑張る
 ・モチベーションをもっと上げたい
 ・気合いと根性でなんとかする
 ・一発逆転、一網打尽など、一撃で仕留める発想
 ・「成功は苦しみの後にやってくる」という苦行ありきの思い込み

 精神論やど根性は、漫画や映画であれば感動の展開につながるのでしょうが、現実に成功するにはそのような派手さではなく、「目標となる対象の選定と分析、自身の実力の分析、達成までの適切な期間と段取り及びその実行力」が必要なのです。
 もちろん、協力者を得られる場合はその関連も含みます。

 というように、成すべきことをより具体的にして、より計画性を持ってそれらを淡々とこなせる、いわゆる「コツコツと地道に積み重ねられる人」こそ、失敗をしても自分の糧として吸収して乗り越え、目的を達成する人なのです。