①話を聞き洩らさない(インプット力を高める)
仕事の指示を聞いたら、それを聴き漏らさない力があることが大切です。
要は、ちゃんとメモを取れということです。
大体の人は、他人の話を聞いているようで聞いていないし、分かっているようで何も理解してないし、覚えていないし、酷いとそもそも聞いていいないくらいです。
別に馬鹿にしているわけではありませんが、誰にでも知らないことや新しく触れる物事というのはありますから、そういったタイミングによっては誰にでも当てはまる部分があるかもしれません。
さて、仕事で指示を受けた時には、例えば、期日、相手、担当者、必要書類など、仕事を遂行して成し遂げるのに必要なポイントがいくつかあると重います。
しかし、人間は基本的にザル聞きをしているので、その人にとって身の危険になることや本当に大切で重要で必要なことしか聞けないし、覚えていられません。
まして会社の仕事なんて、こうした人間の本能レベルの力を常に使って記憶し実行できている人はほぼいない上、みんなそれぞれ自分の人生があるわけです。
とはいえ、仕事で大事なポイントを聞き漏らしたらその部分は絶対にやれませんし、抜け落ちる部分は必ず出てきます。
また、聞き間違えたり何となく伝わったものは、当初伝えたのとは想像もしないかたちになって返ってくることになります。
ですから、指示を受けたらメモをして復唱して確認をするとよいです。
もしあなたが指示を出す立場なら、相手に復唱してもらい、お互いに確認し合うとよいです。
今言われたことをただ聞いているだけなのに、下手をすれば言われた直後にすら覚えていないのに、「一週間後までにやっておいて」と言われてできるわけがないのです。
これが、記憶力の物凄く高い人や神懸った実力を全開で発揮している人なら、10個言われて10個覚えているかもしれませんが、普通はやれたところでせいぜい7~8個が限界でしょう。
だからメモを取るなどして補い、自分がやる事を復唱して確認する癖をつけておくとよいのです。
仕事の結果や出来栄えももちろん大切ですが、インプット力が低い人のままだと一番最初の指示すら聞き漏らしたり、聞き間違えてズレて受け取ってしまい、一手目から頓珍漢な行動をとり始めることになります。
ここがいけないのです。
そうなると、どれだけ能力が高く、頭が良くて、意欲的で、バリバリ仕事をする人でも、その後はどうすることもできないし、その仕事を100%の形で終えることもできません。
これは、ミスが多いとか仕事ができないとかいう仕事上の悩みなどでなく、「最初から人の話を聞けていない」という根本的な問題なのです。
大事な話や仕事の指示は、メモを取りながら聞くことです。
急に言われたなら、話が終わったらその直後にメモをとる。
時間が空いてしまったとしても30秒から1分以内に書き留めておかないと、それ以降は記憶からどんどん脱落してしまいます。
そして、メモを取ったその後には必ず復唱して確認しておくことです。
②適切に伝えられるようになる(アウトプット力を高める)
会社の仕事は、トップや経営陣でなければ、「インプット仕事」という言われた仕事を言われた通りにやることが基本となります。
これに対して「アウトプット仕事」という、自分で企画を考えたり、アイデアを追加・提案したりグレードアップしたりする、自分で考えて自分で行動することを中心に進める仕事があります。
日本の会社の仕事の大部分は、未だにインプット仕事も多いです。
かなり大まかな表現ですが、普通に働く社会人であれば、まずは言われたことを言われた通りにできることを優先させた方がよいです。
10個言われたら10個を平均的なレベルでできるようになることが最低条件となるのです。
その上で差が付くのがアウトプット仕事となります。
会社の仕事を色々頑張ってやってみたとしても、それが他の人に伝わらないと評価には繋がらないことがほとんどです。
その中で仕事をどんどん任されたり昇進していく人は、その辺りのアウトプット力が高い人と言えるでしょう。
アウトプット力が高いと、話したり、書いたり、行動したり、色々なことを言葉にして伝えることができます。
「頑張ってるから気付いて欲しい」と期待するのではなく、自分がやっていることをアピールし言語化して伝えるのが当たり前となります。
報告・連絡・相談も、もちろんアウトプットに含まれます。
最近では「報告・連絡・相談はもう古い」と言われることもあるそうですが決してそんなことはなく、現代社会でも極めて大事なことです、と個人的には強く感じます。
なぜなら、多くの大人には様々な世代があることを差し引いても、報告・連絡・相談をちゃんとできているとはとても思えませんし、雑誌やテレビやネットなどで「今の時代は○○」とか、「若い世代は〇〇」などと聞いては、個人でできる簡単な検証すらせずに現実から目を背けさせられてしまっていることがほとんどだろうと思えるからです。
このところは「ザッソウ(雑草→雑相→雑談と相談のこと)」というのを聞いたことがありますが、そもそも報告・連絡・相談がちゃんとできていれば、ミスやトラブルが発生するはずがなく、突発的に発生したとしてもかなり事前の段階で修正することができるはずなのです。
どのような要点でまとめ、どのようなタイミングで伝え、それかがいかに適切か。
報告一つにしても、これだけのアウトプットが含まれるのです。
また、アウトプットにはコミュニケーションともとれる一面がありますから、スムーズなやり取りをして良い人間関係を作っていくためにも、アウトプット力とコミュニケーション力は練習してでも高めていった方が良いでしょう。
どんな職場でも一長一短があるのでしょうし、仕事ができるできないで悩む時期があるのでしょうが、その環境で周りと上手にやり取りができる力を先に身に付けることの方が大切であり、気にするのは後回しにした方が良いのです。
③修正・改善ができるようになる(フィードバック力を高める)
仕事を継続しながら、しかもより良くしていくためには、同じミスが二度と起きないように修正する力が大切です。
起きたことを、「なぜ起きたか」、「なぜ失敗したか」など原因を振り返り、次に役立てていくことで、同じミスもなくなり、より高いレベルの仕事につなげていくことができるようになります。
もし今のところ「頑張っても評価されない」というのであれば、恐らく自分自身のどこかにまだ足りてない部分があるのかもしれません。
そして、それについて自己分析して補っていくことができるようにならないと、いつまでたってもよい評価を得られるようになるのは難しいでしょう。
さらに、修正点や改善点について人からアドバイスをもらったり指摘してもらったりするにも、②のアウトプット力やコミュニケーション力が必要になります。
----------
うまくいかないのは、これらの3項目のどこかが不足しているか、全部できていないかのどちらかでしょう。
ただ、完全無欠な人もいませんし、どこまで行ったら100点という決まりもありませんから、あまり悲観的にならないことです。
まずは初動として、大事な話や仕事の指示を聞く時は、メモをしながら聞くとよいです。
筆者自身も含めて多くの人は、人の話を100%最後まで完全に聞くことは難しいことでしょう。
だからこそ、恥ずかしがらずにメモを取って、聞き漏らしを可能な限りゼロに近づけることから始めていくことです。
また、「何を言っているか分からない」と言われてしまったり、「この人は何を言いたいんだろう?」となってしまうこともあります。
ここは、筆者自身の伝える力も理解する力もまだまだ伸ばす必要があります。
少し前のブログを読み返すと、「自分は何を書いているんだ。もっと適切な文章があるだろうに。」と恥ずかしくなってしまいます。
さて、話を戻して、メモを取って漏れがないようにすることと、伝える力と理解する力を身に付けることを土台として一つずつ自分の仕事をこなしていくことで、ノウハウも実績も信頼も構築していくことができるようになります。
その後に、或いはそれと同時に、他人から一歩リードするための「自分にできるもう一工夫」に繋げていかれるとよいですね。