「最近疲れやすい」と感じた時に振り返っておくポイント


①「自分は大丈夫」と思っている、言っている
 疲れやすさを放置したり無視したまま睡眠不足や運動不足が上乗せされて続いていくと、メンタル疾患や生活習慣病といったものに繋がってしまうケースも多いと言われます。
 会社や学校などで周りの人から「大丈夫?」と指摘されたり気遣ってもらった時に、それに対して「大丈夫」だと強調するばかりの人は、そのまま体調を崩していきやすい傾向があるかもしれません。

 相手からこのように言われた時に、それについて認めたり、「実は…」と打ち明けられる余裕がある人はまだ大丈夫でしょうが、何度も「大丈夫」と言う人の方が、自己防衛の観点から見ても本当は大丈夫でないことが多いでしょう。

 本来は、全体から見た時の現在の自分の位置付けや、仕事の進み具合や状態などをある程度把握できるものです。
 また、100%の状態というのはほぼあり得ないことですので、もし本当に自分と向き合えていたり状況判断できている場合は、「大丈夫」という言葉を安易に連発するはずがありません。
 従ってこういったケースは、その人の自己洞察能力が低下した状態に陥っている可能性があります。

 もし自己洞察力が高い状態であれば、「少し疲れ気味だな」とか、「休養が欲しいな」とか、「今日は早く帰ってよく眠ろう」などと、自分の現在の状態やここ最近の状態を振り返ったり、分析したり、反省したりするものです。
 また、そういうことができる人は、疲労やストレスを溜めづらいものです。

 「大丈夫ではない状態まで我慢してしまう」という、悪い意味での我慢強い人になる必要はありませんし、結構キツいはずなのに安易に「大丈夫」と片付ける必要もありません。
 それよりも、自分自身の正しい状態を知ってそれを認めたり、適切な判断や対応をして回復に努めたり、相手や周囲の人に状況伝えたり相談できるようになることの方が大切なのです。

 

②休みを取るのが下手
 要は、休憩、休息、休暇を取ったり、息抜きやリラックスをするのが下手、ということです。
 また、スケジュール帳に予定をびっしり詰め込まないと気が済まないとか、毎日誰かと会う予定を入れないと気が済まないというのもほぼ同様です。
 もし「自分はどうしたらのんびりできるのかを、誰かに聞かないと分からない」という状態なら、少し根を詰め過ぎている状態かもしれません。

 例えば、お風呂やサウナに入るとか、マッサージチェアに座るとか、寝転がって本や漫画を読むなど、リラックスできることを予め書き留めておいて、のんびりしたい時にはそれらを活用するとよいです。
 普段は「そんなのいちいち書き留めなくたって」と思っても、こういうアイデアが全く浮かばないという状態になってしまったら、そもそも思考力が弱まっているから思いつかないことも考えられます。

 仕事でもプライベートでも「緩急をつける」ということは非常に大切なのです。
 もし仕事の予定ばかりスケジュールに書き込んで息抜きのことをまったく考えていないなら、先に予定に入れてしまうか、息抜きできる時間ができた時にやりたいことをリストにしておくとよいでしょう。

 例えば日中の仕事をしているのであれば、「昼間はよく働き、夜はしっかり休む」というようなことが、誰にでも必要なのです。
 この時に「緩急」の「緩」の部分がなくなってしまうと、体調も、体力も、精神力も、生活も、時間も、今までの状態からもっと崩れていってしまうことになりかねません。


 ちなみに、仕事かプライベートかに関わらず、望み通りの成果をあげられていないから休めていないということであれば、次の対処が先かもしれません。


  (1) やり方や進め方そのものを反復して覚える
  (2) 手順化やルーティン化をして、その通りやれば済むようにする
  (3) (1)、(2)の具体化や効率化をして、時間短縮や並行作業などを可能にする
  (4) 完了までに必要な期間、数値、一回や一日で進められる適正な分量を割り出す


 上記はあくまでも大まかなものですが、こうすることで規模や時間の感覚を少しでも把握することができますから、必然的に休みと稼働時間のことも考えられるようになるでしょう。
 それよりも詳細については人それぞれに合わせればよいですが、もしかしたら一つ一つのことに真面目になり過ぎていたり、100点を目指し過ぎているのかもしれません。

 100点でなく70~80点でもOKなものは、「今のところ70~80点でできているからOK」としたってよいのなら、今わざわざ100点まで目指さなくてもよいこともあるでしょう。
 また、規模や時間の感覚が備われば、他人に手伝ってもらったことでも自分のペースと見積もりをしながらやれるようになりますから、もし100点の状態で返ってこなくても、「5~6割でも大助かりだよ。忙しいのにありがとう!」などと素直に言える余裕もできるのです。

 

③不規則な生活をしている
 規則正しい生活というのはあまり目立ちませんが、実際かなりの威力があるものです。
 例えば昼仕事の人なら次のように自分なりのサイクルを持っているとよいでしょう。


 ・睡眠時間を7時間から8時間しっかりとる
 ・朝目覚めたら散歩をしたり、朝日を浴びる
 ・運動や筋トレをして運動不足にならないようにする


 これに限らず、人それぞれに自分の健康管理や体調管理に対して気を付けていることが一つ二つくらいはあるでしょう。
 それを普段通りに守ったり、忙しくても維持したり、そもそもそういう考えを持ったりすることが大切なのだ。
 要は、「規則正しい生活を送る」ことをこれまで通り継続するなり、崩れているならうまくいっていた時の行動をあらためて習慣づけて元通りにすることです。

 少なくとも、特に夜勤やサイクル勤務の仕事の人でもないのに、夜更かしをしたり、睡眠時間を削ってまでスマホやゲームやテレビなどを見続けたりして昼夜逆転をした生活を送っていると、疲れは溜まるばかりで回復しないでしょう。

 また、運動不足を解消したいなら、運動後には成長ホルモンが分泌されやすくなり、これが疲労回復に効果があるため、疲れた時こそ少し汗をかく程度の運動をしてみるとよいでしょう。