苦手、欠点、コンプレックスなどのマイナス面を克服し、解決する方法


①肯定の語に置き換える
 例えば「嫌われない」や「憎まれない」は、「憎まれる + ない」で否定語が2つ入って二重否定の語となっている状態です。
 また、「反対しないとも限りません」とか、「やれないこともないです」という、ハッキリ言いづらいことや断定できないことにも使うでしょう。

 社会に出れば直球で言葉をぶつけにくい状況もありますから、こうした表現を使うことも確かにありますが、曖昧で誤解を招いてしまうことも少なくありません。
 二重否定の表現ばかりしていると、無意識のうちに「自分を表現しない」とか、「本音を言うことを避けるようになる」とか、「偽りの自分を生きていく」と捉える状態に陥りやすくなってしまうのかもしれません。

 二重否定の語は肯定の語に置き換え、冒頭の「嫌われない」や「憎まれない」といった表現などは「人から好かれるようになりたい」と考えるようにすることで、「自分を表現する」と捉えることができるようになります。

 「たかが言葉かよ」と思うかもしれませんが、思考をするには言葉を使います。
 言葉をより良く使えるようになることで、自分がマイナスに感じていることを乗り越えるための行動に直結させていかれるようになるのは間違いないでしょう。

 

②活かす、キャラ化する
 マイナスだと思っていた外的要因は、長所になり得ます。
 それが最大の魅力であり、キャラになるからです。
 そして、キャラ化することによって、欠点が長所に変わってくるものです。

 あまり大きな声で言いたくはないのですが、筆者は海外のトップモデルのように脚が長い人からすると、多少は見劣りするかもしれません。
 まあ、腕が長いだけなのですが。
 (ここでは文章のみでの表現ですから、現場で話すネタとしてスベるかどうかは雰囲気とタイミングに因ります。)

 その代わりと言っては何ですが、海外のトップモデルよりもやや控えめな脚ですから、柔道や剣道をはじめとした武道や、体の重心の低さや体幹の強さを上手に使う必要のある競技ではかなり優位に立つことができましたので、相手を組み伏せ、締め上げ、投げ飛ばし、打ち下ろし、跳ね返しておりました。

 リーチの長さも、身長に合わせた平均よりも10cmちょっと長いので、リーチが利点となるような競技においては、身長が同じくらいの相手ならそこそこ優位に立てたものでした。
 そのお陰もあってか、学生時代にはトロフィーや盾をいただく機会もありました。

 まあ、今では主となる活動は音楽に変わっていますから、海外のトップモデルのような長い脚を追い求めるよりは、長い腕を使って巧みに打楽器を操っております。
 また、腕の長さだけでなく、掌も大きいし、指も長いし、肩から指先までの筋力と演奏持久力もそこそこあるため、楽器演奏でカバーできる範囲も結構広めで便利です。

 という感じで、自分がマイナスと感じていても、実は良い面もありますからあまり落ち込まないことです。
 筆者も、脚の長さを気にしていても、ズボンを買う時に必ず調整が必要になる程ではありません。
 スーツの上着やワイシャツを買う時は腕丈がほぼ確実に短いので、人よりちょっと長く探すことになったり作ってもらったりしますが。

 キャラ化をすることは、自分を見つめ直すことに繋がります。
 良いところも、良くないところも、バランスよく見ていけば良いのです。
 もし苦手なまま放置したり、偏った見方ばかりしていると、自分のことが見えておらずに落ち込んでしまう状態になりやすくなるでしょう。

 そうすると、何をやるにもその分野のトップや伝説となった人と変に張り合ったり、他人や指導者からも無茶な比較をされてしまって、しかもそれを真に受けて、少しずつ自分で自分を下げて勝手に落ち込んでいってしまうのです。

 ここでは競技においての話で進めましたが、もし必要でしたらご自身の分野に置き換えてもらえたらと思います。
 脚の長さや腕の長さを活かしたキャラ化は、「いちいち悩んでいても仕方がないので、自分が優位に立てる場所を一つでも多く探そう」と探し続けた結果でしたが、結果さえ出ればそこそこ明るく自信を持ってやっていくことができました。

 その他で言うなら、例えば年齢をある程度重ねたことが気になっているのなら、その代わりおじさんおばさんキャラを使ってちょっと図々しく生きたり困難を明るく撥ね退けたりできるようになるチャンスかもしれませんし、例えば頭髪が心許なくなってきたのなら、その代わり頭も性格も明るいというキャラを作るチャンスなのかもしれません。

 

③視野を広げる
 マイナスを感じている時は、

  (1) できる範囲のところから始めて、少しずつレベルを高めていくこと。
  (2) 克服だけではなく、回避する方法、やらなくて済む方法も考えること。


 結局のところ、自分が「苦手意識で困っている自分に困っている」のではありますが、実は周りの人は気にしていないことの方が多いのです。
 また、よくよく考えたらそんなに気にすることでもなかったり、他人から「そのようなあなたでもいい」と認められていたり、仕事などでも「それくらいならOK、気にならないよ」とか言われていれば、多くの場合はマイナスの感情にはなりません。

 それなのに、どこかの時点で自分で勝手にそう思い込んで、自分で視野を狭めて、気が付けば自分で自分を下げてしまう人生を送ってしまっていることがほとんどなのではないかと思います。

 ちょっと粗い言い方かもしれませんが、苦手やコンプレックスは必ずしも克服する必要はありませんし、本人が悩まなければ一瞬で解決するものです。

 また、筆者も音楽指導をしている時に、うまくいかないこととかコンプレックスに悩んでいる旨の話を聞きますが、「こうすれば良くなるよ」とか「それって見方を変えれば強みだよ」と言ってもらうことで、「話をしてみて良かった」とスッキリできることもあるのです。

 自分のマイナス面に対して上手に付き合う方法もあれば、上手に活用する方法もありますし、回避する方法もありますし、他のことに没頭して一旦は忘れることもできますので、もし一人で苦しんでいるのだとしたら、いろいろ試してみるのが良いでしょう。

 長所や短所は人それぞれですし、誰でもマイナス面を気にして停滞することもありますが、クソ真面目に一つ一つ解決していったらそれだけで人生が終わってしまいますから、やはり無理をしすぎる必要はなくて、ある一定のところで線引きして対処してみるのが良いのではないかと言えます。