いつも頑張りすぎてしまい、休んだり、リラックスしたり、のんびりすることを忘れてしまうという時が、たまにはあるかと思います。
そういう時や、そもそも気を張った状態を解くことが苦手な人は、時折「やれる事をやれる範囲でやっていこう」という所に立ち返ってみることが大切です。
気持ちは分かりますが、特に頑張らなくてもいいところで頑張りすぎたり、平気で睡眠時間を削ったり徹夜してまで仕事や勉強で追い込んだり、必要以上に実力を発揮しようと無理をすることは、かえって無駄になることもあるかと思います。
よく、人生をマラソンに例えて「ここからは人生の折り返し地点」などという言い方をしたりしますが、そう考えるのなら必要なところで本腰を入れて走ったり、前の集団を使って風を避けたり、ということを戦略的に使い分けられるようになった方がよいはずです。
それなのに、後先を考えずに最初の方やどうでもいい部分で全力疾走していたら、バテてしまうのは当然なのです。
「頑張ればなんとかなる」、「頑張らなければうまくいかない」、そんなことばかり考えているから、なりふり構わずほんの一瞬だけ爆発的に力を使って体に負荷をかけたり、一人でゼロから全部やろうとして本当にうまくいかなくて心を壊したりしてしまうのです。
根性論や精神論といったものが必要なタイミングや、そういう考え方を大切に感じた方が良い時も確かにありますが、それ以外でも「やれる事をやれる範囲でやっていく」という、いわゆる「マイペース」の考え方が必要なのです。
ここで言うマイペースとは、自分のことや興味ばかりを優先して他人に合わせることができない、という自分勝手で困った人や状況を言う意味ではありません。
そりゃあ、「来週の試合で絶対に全国大会に行きたいから、それまでにやれることは全部やろう」となったら根性論や精神論はかなり大切であって、それで一時でも120の力が出て結果に繋がるなら、ボチボチそこそこやって70の力で長期戦というよりは圧倒的に良いわけですが、それは戦略的に取り入れたり、一気に士気を上げる時にすることです。
また、120の力の人達が全国大会の強豪レベルであれば、いつもボチボチ40くらいの力で1年間やっていた人たちが、残りの一週間で急に120になれるかと言えば、言うまでもなく難しいことです。
話を戻しますが、「目的や目標や叶えたいことを実現するために、自立して計画実行したり適切なペース配分をして、二、三年かかるとしても地道にコツコツと継続していく力」という意味であって、それも使い分けられる人が最終的に色々なことを達成したり実現することができるのです。
そのためにも、「無理に頑張りすぎずに、やれる事をやれる範囲でやっていく」という考え方が大切なのです。
その一方で、「やれる実力やその能力があるのにやらない」ということは考えものです。
また、人の話をよく聞かずに自分の中だけで妄想を膨らまし、勝手にハードルを上げて怖じ気づいたり面倒くさがったりするのも良くありません。
誰でも、どこかで、これまで培ってきた様々な能力や、前向きさや、実力や実績があるはずです。
それを、最初から決めつけて諦めてしまい、試しにやってみようとすらしないというのでは、「やればできたのに、やっていないせいで、できていない。」というだけの話です。
「やれる事をやれる範囲でやっていく」ことを大切にして、自分でできる範囲で、限界を一歩でも1cmでも少しだけ超えてみようとして小さく挑戦することが、成長や成功に繋がっていくのです。
仮に自分にできる力が100あったとして、普段(やれる事をやれる範囲でやる時)が100でやっているのであれば、少し調子が良い時には101~110くらいの所に挑戦してみればよい、というだけの話です。
そして、今までは105くらいのレベルの挑戦だったことが当たり前にできるようになったら、それも含めて100として、また新しい小さな挑戦をすればよいのです。
これを、いつも10とか20しかやらないというのなら「もうちょっと頑張れよ」という話ですし、いつどんな時でも130でも150でも200でもやり続けます、頑張ります、というのなら「やりすぎ」なのです。
このさじ加減を上手にしていくということが、「自分を成長させることができる人」や、「物事を達成させることができる人」になっていくということなのです。
物事は何事でもがむしゃらにやればいいというだけの話ではありません。
それだけでなく、「やれる事をやれる範囲でやっていく」こと、つまり、物事を淡々と継続できる力も大切なのです。
がむしゃらも時には大切なのですが、いつもそうして目標を高く設定しすぎたり短期間のうちに頑張りすぎていると、やがて体や心を壊してしまうことでしょう。
そのさじ加減次第で、いつでも自分の能力を最大限に発揮できるようになったり、たとえ長期間でもバランスをとりながら地道に継続して、良い習慣や成果を実らせることができるようになっていくのです。