何だか得体の知れない焦燥感を少しでも解消するための対処法


 あれもこれもしたいのに思い通りにいかず、もっと良くしたいのに今やっていることですら成果が上がらないということは、誰にでもあることでしょう。

 考えるのをやめようと思っても、「今やっていることを無事に終わらせられるのか」、「このままではうまくいかないんじゃないか」、「自分(や誰か特定の人)に負けてしまうんじゃないだろうか」と悩み、なんだか落ち着かないという感覚や、張り詰めて緊張した感覚がずっと続いてしまうものです。

 そうしたモヤモヤは頭の中にずっとあってもどうにもなりませんから、要らない紙を用意して、思いついた言葉をその通りありったけ書き出してみるとよいです。
 書き出していくうちに、やがてその書き出す行為にも集中力が切れて終わりが来ます。

 早ければ30分や1時間くらいの、そう時間が経たないうちに、「ああ、自分はこのように思っていたのか」と俯瞰して見ることができるようになってきますから、それらを良い言葉や前向きな言葉に変換していくとよいでしょう。

 何だか胡散臭く感じるかもしれないでしょうが、実際書いてからしばらく置いて読み返せば、「自分は随分稚拙や言葉や乱暴な言葉を使っていたな」と思えるでしょう。
 追い詰められている時というのは、考え方や視野が狭まっているためです。
 そんな中にあっては、判断も使う言葉も普段よりも質の良くないものになるものなのです。

 そこで、一旦時間を置いて冷静になって振り返ってみることで、「これは自分で読み直してもはっきりしない言葉だな」とか、「これってもっと良い言葉やはっきりした言葉に置き換えられるよな」とか、「ちょっと考えが甘すぎたな」とか、「これは自分を犠牲にし過ぎじゃないかな」と、視点を変えたり取捨選択をすることができるようになっていきます。

 


 例えば「あれもこれもしたい」というのは、言い換えれば、今は言葉が明確になっていないだけで情熱はあると言えるでしょうし、自分で決断をして主導権を持って進みたい、という責任感が備わっているということでもあるでしょう。
 また、今現在の時点で何らかの目的や目標を持って物事に向き合っているとも言えるでしょう。

 「もっと良い言葉を使いたい」というのも、今まで会ってきた人の縁に感謝を感じていたり、自分の未来に期待を持って今やれることに取り組み、それを少しずつ良くしていこうという気持ちがないと思いつかないことです。

 「うまくいかないんじゃないか」というのも、何か抜け落ちがないかと気を配る力があるとか、自分と何かとを客観的に見て比較できる力があるとか、「何が何でも達成したい」という内面での気持ちの表れでもあるでしょう。

 いずれにしても、頭の中でずっと思い続けて憂鬱になっているのは精神的に良くありませんから、それならばいっそのこと今の状態を紙に書き出して、今よりももう少しだけハッキリさせてしまえばよいのです。
 もし書き出して俯瞰してみて、「実はこういうことだったのか」とか、「これならすぐに行動できるじゃないか」と気付けたら、それだけでもかなりラッキーなことです。

 ですから、焦っていても悩んでいても、まずは今の時点の自分を認め、「今の自分でもなかなかやるじゃないか。大丈夫じゃないか。」と思って一旦自分を落ち着かせ、思うままに紙に書き出すことです。
 そしてあらためて、自分や、周りの人や、物や、今起きている事を大切に扱うという心をもって、今できることをしていくことです。
 もし、残念ながらしばらく経っても良い言葉や前向きな言葉に置き換わらないのなら、その紙は丸めて捨てて、今回は忘れてしまえばよいのです。

 


 その次のステップとしては、「〇〇達成するためにはどうしたらよいか」、「もっと良い言葉を使えるようになるにはどうしたらよいか」、「〇〇がうまくいくためにはどうしたらよいか」というように、その書き出したことへの対策をもう一段掘り下げて、「自分ならこうする」というものを10個書き出してみることです。

 そして、その10個書き出したうち、今からできそうなことを3つに絞り込んで〇をつけ、できそうな順に番号を振って実行することです。
 もし今が朝や昼なら、今日はその3つだけに取り組むのです。
 もし今が夜なら、明日は朝一番からその3つに取り組むのです。

 得体のしれない焦りへの対処は、このようにして落とし込んだ「現実にできる行動」をもって減らしていくことです。
 もしそれで今よりも心が少しでも軽くなったのなら、「今日はよくやった」と自分を認め、今日くらいはゆっくり寝て、また明日から気持ちを新たにして元気に進んでいけばよいのです。

 より良く生きるためには、こうした「実現可能な状態にして片づけること」を一つずつこなしていくことが大切です。
 悩んでいる時というのは考えも狭まり感情も偏っているものですから、この対処をしていく最初のうちは、自分自身のことなのに、幼稚な考えすぎたり精神的にいっぱいいっぱいすぎて、呆れて笑ってしまうかもしれません。
 ただ、継続するほど今の状態を脱しやすくなりますし、少し先のことがよりはっきりと見えてきますので、少しずつでも変化させながら、少しずつでも積み上げていくことが大切です。