自己成長を加速する環境の選び方とコミュニティ活用法

 

 「朱に交われば赤くなる」という言葉の通り、人は周囲の影響を強く受けます。
 日々接している人の行動や考え方、過ごし方は、知らず知らずのうちに自分にも反映されていきます。

 勉強に励む人に囲まれれば自然と学ぶ姿勢が身につき、趣味に熱中する人が多ければ自分もその空気に染まっていきます。
 これは心理学で「モデリング」と呼ばれ、赤ちゃんが親の言動を真似て成長するのと同じ、人が本来持っている大切な力です。

 特に、尊敬している人や憧れている人の行動は、無意識のうちに取り入れやすいものです。
 職場で仕事のできる人のやり方を真似たり、身近な友人の習慣に影響を受けたりするのもその一例でしょう。

 

 

1. 人は「同じレベル」に集まりやすい

 心理学には「同属性の法則」があり、人は共通点のある相手と一緒にいると安心しやすい傾向があります。
 育ちや趣味嗜好、職場や学校などが似ている人同士が自然と仲良くなるのはそのためです。
 その結果、普段の生活では自分と近いレベルの人と過ごすことが多くなります。

 一方で、突出して秀でた人や異質の人と出会うことも仲良くなる可能性も少ないことにもなります。
 たとえば地域の小さな会社に勤めていれば、世界を舞台に活躍する超エリートと日常的に接する機会はほとんどないでしょう。

 周囲に起業経験者がいなければ、収入、リスク、自由な時間など起業の具体像をリアルに知る機会も限られます。
 本やネットで学ぶことはできますが、身近な体験談には及びませんから、真似をしたくても真似ようがないということになります。

 だからこそ、今の環境の延長線上だけでなく、少し先を行く人と接点を持つことが大切になります。

 

 

2. 「数歩先の人」から学ぶという考え方

 成長を目指すとき、いきなり遠すぎる目標を見るよりも、自分より数歩先を行く人を参考にする方が現実的です。
 たとえば年収を上げたい場合、世界的大富豪の話よりも、副業で月10万円を達成した人や、小さく起業を始めた人の経験談の方が具体的なヒントになります。

 そのような人たちが集まるコミュニティに参加すれば、

 

 ①実践的な方法を学べる
 ②同じ志を持つ仲間と交流できる
 ③「自分にもできそうだ」と感じられる

 

といった好循環が生まれます。

 これがモデリングを活かす環境づくりです。
 知識だけで終わらせず、自分が「そうなりたい」と思っている人たちが実際に多くいる場に身を置くことが成長を後押しします。
 もちろん、そのコミュニティは一生のうちに一つしか入れないわけではありません。

 

 ただし、大成功した人や大富豪が自分のすぐ側にいて交流もあるというのなら、当然その人を真似た方がよいのは言うまでもありません。

 自己成長に限定して言う場合、やはり何かのコミュニティに所属して環境を変えることです。
 例えば勉強で言うなら、勉強会→地域の塾→有名進学塾というように、無料よりはお金がかかりますが、大抵は金額の高いものの方が、よりレベルが高く、少ない時間で、結果を得やすいものです。

 自分一人でやるペース以上に成長を加速させるのであれば、より高いコミュニティに所属することです。
 できる範囲のところから始めるためにも、まずはその一歩目を踏み出すことです。

 

 

3. 成長だけに偏らない環境の大切さ

 しかし、所属するコミュニティをすべて「成長目的」に限定する必要はありません。
 趣味やサークル活動は、心を整え、視野を広げてくれる大切な場でもあります。

 お金にならなくても好きだから続けている人の情熱や探求心に触れることで、物の見方や感じ方が豊かになります。
 仕事や勉強とは異なるつながりが、かえって自分を支えてくれることもあります。
    
 発想の仕方、段取りの組み方、得意分野などの成長面以外にも、人との接し方、物事や他人の心の捉え方など、新しい気付きも得られることでしょう。

 成長と癒し、その両方の環境を持つことが、長く前向きに歩み続ける土台になるのです。

 

 

4. 実際に「その場」に行ってみる

 私自身も、音楽を通じてさまざまなコミュニティに身を置いてきました。
 でも、結局は本場で学びたくなり、渡米したことがあります。

 帰国後、人に音楽を教えたり楽譜を書くようになってくると、インストラクターや指導者の集まり、何らかの資格を目指す人の集まり、強豪団体を受け持つ指導者や先生の集まり、作曲家や編曲家の集まり、審査員や運営の方々の集まり、など、様々経験していきました。

 これから先も目指すところはありますが、やはり「その場に身を置くこと」が大切だと感じています。
 気持ちも引き締まりますし、物の見方・考え方、音や人の話の聴き方、表現の仕方、伝え方なども、確実に変わってくるものです。

 私の場合、その場に身を置いた最初の頃は周囲が圧倒的に見え、「漫画や映画の世界のような、自分以外の人達は物凄い能力や必殺技を持っていて、自分一人だけが生身の人間でそこにいる」という感覚でした。
 実際、凄い人だと思っていた人達がその通り凄い人達で、自分のすぐ横にいるのです。

 しかし、そう感じていたってよいのです。
 「その場」に行ってみようと思ったら、そうしようと行動を起こし、実際に行ってみることが大切なのです。
 少しずつそこに溶け込んでいけばよいのです。

 能力や技術のレベルの差なんて最初は多少キツくても、継続していくうちに慣れていきますし、食らいついてでも続けていれば、知らない間に自分自身も成長していくものなのです。

 実際、その場に居続けることで、考え方や表現の仕方は確実に変わっていきました。
 完璧でなくても、「まずは行ってみる」という一歩が、後の大きな変化につながります。

 もちろん今でも、「まだ自分だけが生身の人間」と感じることもあります。
 ただ、不思議なことに、それなのに物語の最終話まで生き残っていたり、続編やスピンオフ作品にもなぜか登場できている、という程度の生身の人間には成長しているようです。
 渡米の時もそうでしたが、やはりその環境に身を置くことは、絶対に外してはならない大切な要素だと思います。

 

 

まとめ

自己成長を加速させたいなら、


・自分より少し先を行く人がいる環境に身を置く
・実際に交流できるコミュニティに参加する
・成長と癒しの両方の場を持つ


このような環境づくりが大きな力になります。

勉強会から専門的な場へと段階を上げるなど、できる範囲で一歩踏み出してみることです。


環境は人を育てます。


まずは小さな一歩から、自分をより良い場所へと導いていきましょう。