自己洞察力を高める方法|自分を知り強みを伸ばす習慣

 

 自分自身を観察する力を持つことは、とても大切なことです。
 自分と対話を重ねることで、自分の特徴や今の状態を正しく把握できるようになります。
 すると、「どこに向かったら良いのか」という方向性や、自分の進むべき道が少しずつ見えてきます。


 自分は何をしている時に楽しいのか。
 何が苦しく感じるのか。
 自分の性格はどのようなものか。
 長所や短所は何か。
 人生の目的や、今のところ目指したい場所はどこなのか。


 こうした問いに向き合うことが、自分の軸、生きていくための指針につながっていきます。
 では、具体的にどのような行動を取ればよいのでしょうか。

 

 

1. 日記や書き出しでアウトプットする

 まずは、自分の考えや行動を書き出すことです。
 日記をつける、紙に思ったことを書くなど、形は何でも構いません。
 ただし、出来事を記録するだけで終わらせないことが大切です。

 それは良かったのか、どう感じたのか。
 あまり良くなかったのなら、どうすれば良かったのか。
 もっと良くなる方法はあったのか。

 こうした振り返りまで含めて書き出すことで、自分の心の動きや行動の傾向が見えてきます。
 認知行動療法で言う「セルフモニタリング」にも通じる方法で、自分を見る力を育ててくれます。

 また、今日あった良いことを三つ書く、といった方法も効果的です。
 自分のポジティブな面に意識を向けることで、「自分にはこんな力がある」と認識でき、次に活かしやすくなります。

 自分を改善しようとすると、ついネガティブな部分に目が向きがちです。
 もちろん欠点を見つめることも大切ですが、そればかりでは苦しくなってしまいます。

 自分の上手くいっている所や、伸ばせる所にも目を向けること。
 それが、前向きに続けるためのコツです。

 

 

2. 実際に行動し、試行錯誤する

 自己洞察力が弱いと感じる人の中には、実際の行動が少ない場合もあります。
 「失敗したらどうしよう」「何か起きたらどうしよう」と考えて止まってしまうこともあるでしょう。

 しかし、新しいことに挑戦してみて初めて、「なぜ上手くいかなかったのか」「何が足りなかったのか」が見えてきます。
 失敗や思い通りにいかなかったことは、「経験すること」と言い換えることもできるのです。

 チャレンジして、インプットして、アウトプットして、フィードバックする。
 このサイクルを回すことで、自分の経験したことは成長へと変わっていきます。
 言い換えれば、「やりながら考える」「トライアンドエラーを繰り返す」ということです。

 試行錯誤を重ねる中で、自分の方向性や目標が徐々に明確になっていきます。
 何もしなければ、自分が何を楽しいと感じるのか、何が大変なのかも分かりません。

 小さな一歩で構いません。
 行動すること自体が、自己洞察の材料になります。

 

 

3. ポジティブな力とレジリエンスに目を向ける

 レジリエンスという言葉があります。
 曲がっても折れない力、元に戻る力、いわば「心のバネ」のようなものです。
 (元々は工業用語で「弾性力」という、バネの伸び縮みする力を測定する時に使う言葉だそうですが、医学をはじめ広く使われるようになってきているようです。)

 辛い出来事があった時、どのように乗り越えてきたでしょうか。
 真正面から受け止めたのか。
 一度距離を置いたのか。

 その乗り越え方の中に、あなたの強みがあります。
 辛い時にこそ発揮されている力は、間違いなく長所と言えるでしょう。

 ネガティブな部分を直すことは、ある意味で「底上げ」です。
 一方で、自分の良い所を活かし、伸ばしていくことは「可能性を広げる」ことでもあります。

 また、「受け流す」、「スルーする」などということも、レジリエンスの一つと言われています。
 何でも正面からまともに受けずに、受け流したり、あえて反応せずに自分の体勢を立て直す、などという対処の仕方も大切です。

 大変なことがあっても、より楽に元に戻れる方法を一つでも持っていれば、それは大きな支えになります。
 自分なりの対処法を少しずつ増やしていくことが、しなやかな強さにつながります。

 

 

4. 継続することが力になる

 自己洞察は一度やれば終わり、というものではありません。
 継続することが大切です。

 人は成長するものですし、生きる環境もまた変わるものです。
 20歳の時のビジョンと、30歳、40歳の時のビジョンとでは、当然変わってきます。
 だからこそ、その都度自分を見つめ直したり、成長に合わせてビジョンも調整する必要があります。

 自己洞察を継続することで、

 「自分は今、疲れている」
 「これは本当は楽しい」

といった微妙な変化にも気づけるようになります。

 もし、自分が楽しいと感じることが分かっていなければ、それを増やすこともできません。
 逆に、自分に合わないことやネガティブな状態に気づければ、少し距離を取ることもできます。

 楽しいことが増え、苦しいことが減り、進む方向が見えてくる。
 それだけでも、自己洞察力を磨く価値は十分にあるのではないでしょうか。

 

 

まとめ

 自己洞察力を高めるために大切なのは、次の積み重ねです。


 ①日記や書き出しで自分を振り返る

 ②ポジティブな面や強みに目を向ける

 ③実際に行動し、試行錯誤する

 ④レジリエンス(心のバネ)を意識する

 ⑤それを継続する


 自分を知ることは、すぐに答えが出るものではありません。
 けれど、少しずつ向き合っていけば、確実に自分の輪郭ははっきりしていきます。

 今からでも遅くはありません。
 できるところから、静かに、自分との対話を始めてみてはいかがでしょうか。