減量を成功させる基本習慣とリバウンド対策

 

 「痩せたい」と思っても、なかなか思い通りに行かないものです。

 体重が減ることと、体脂肪が減ることは同じではありません。
 目指すのは一時的な数字ではなく、体脂肪の減少です。

 今回は、「痩せる=体脂肪を減らすこと」という前提に絞って、基本的な仕組みを整理していきます。

 

 

1. 体脂肪が使われるまでの流れ

 体は、いきなり体脂肪を燃やすわけではありません。
 いくつかの段階を踏みます。


 ①肝臓内のグリコーゲンを消費する
 ②筋肉内のグリコーゲンを消費する
 ③不足したエネルギーを体脂肪で補う


 この③の段階に入って、はじめて体脂肪が減っていきます。
 つまり、③に到達しやすい環境を整えることが、減量の基本になります。

 

 

2. ③への到達を妨げるものを減らす

①甘い飲み物

 甘い飲み物や清涼飲料水は、お茶や水に置き換えます。


②甘いお菓子・ポテトチップスなど

 糖質や脂質の多いものの他、いわゆる超加工食品やジャンクフードは減らします。

 これらは「美味しさが最大で飽きないように」「満腹にしないように」、糖質・塩分・脂質の量や濃さが開発や実験の段階から調整されています。
 自分の意志だけで止めるのが難しい設計になっているため、意識的に減らす工夫が必要です。


③満腹まで食べること

 主食(ごはん・パン・麺)は半分にする。
 代わりに、野菜・キノコ・海藻をこれまでの2倍に増やします。
 タンパク質は、1食あたり20~30gを目安にします。

 「食事を減らしているのに体重が減らない」という場合も、まずはここを整えると変化が出やすいです。

 

 

3. 自分の生活を振り返る

①飲酒量

 減量開始前と同じ量を飲み続けていないか。
 2kg減るまでは断酒、あるいは休肝日を設けるのがおすすめです。


②一日の活動量

 3000歩/日以下は活動量がかなり少ないとされます。
 まずは歩く時間を増やすことから。

 また、生活リズムが乱れている場合、早寝早起きに変えたり、規則正しい生活に戻すこと。
 一日の総活動量、総活動時間が増えれば、それに伴い、代謝量や消費カロリーも増えます。


③現在の筋肉量

 個人差はありますが、目安としては、女性15kg未満、男性22kg未満は少なめとされます。
 筋肉量が少ないと、エネルギー消費も少なくなります。

 

 

4. 運動はシンプルでよい

 特別なことは必要ありません。
 小さく始めて、続けられることを優先します。

 

①筋トレ

 1日10分程度。
 できれば食後なら、血糖値の急上昇を軽減する効果もあると言われます。


②速歩き

 5分速歩き + 5分やや大股で歩く。
 10分で行ける場所まで行き、元の場所に帰ってくる(往復)。
 或いは、通勤・通学の道で取り入れてみるのもよいでしょう。


③スクワット

 10回 × 2セットを、1日1セット行う。
 ①と同じく、食後が効果的。
 最初は椅子などにつかまりながらで可。

 筋トレの場所や時間が取れなくても、「せめてこれだけは」として、別記載としました。
 もちろん、筋トレは慣れたら筋力に合わせて回数や負荷を上げた方が良いですが、ここでは基本や導入の観点から、掘り下げることは省略します。

 

 

5. 水分で減らそうとしない

 水分は、よくとっておくことです。
 水分を減らして体重を落とすのは、本来の目的ではありません。

 水を体から排出するにもエネルギーが必要なため、適切に水を飲むことは体脂肪減少を助けます。
 また、減量中に水分を減らしすぎて便秘になると、かえって体脂肪が増えやすくなります。

 ここでは「痩せる =体脂肪を減らすこと」が目的であるため、水分を絞って体重を減らすことではありません。
 ※水を飲むと強く浮腫む場合は、医師に相談してください。

 

 

6. 体重は同じ条件で測る

 毎日、同じ時間・同じ条件で体重を測ります。

 例えば、


 ①起床後トイレに行く
 ②歯磨き・洗顔
 ③シャワー
 ④体を拭いて服を着る前に測定
 ⑤記録する


 夜は食事や運動量が毎日変わりますが、朝はその日が始まったばかりなので、条件を整えやすいからです。
 「水を飲んだ後」「朝食後」など毎日条件が違うと、正確な変化が分かりにくくなります。

 こうして同じ条件下で記録を続けることで、


 ・自分の調子を把握できる
 ・増えたら行動を修正・抑制しやすい
 ・減っていれば、振り返りや継続がしやすい
 ・成果が出ているなら、その時の達成感や、その後の楽しみも見出しやすくなる


という良い循環が生まれます。

 

 

7. 焦らなくてよい理由

 減量の期間は個人差もあり、長くかかることもあります。

 人の体は飢餓に備える仕組みを持っているためです。
 そのため、エネルギー供給が減ると代謝が落ち、燃費が上がり、蓄えやすくなることがあります。

 ですから、なかなか体重が減らないのは、異常ではなく正常な反応なのです。
 長くても二か月程度で変化が出ることが多いので、特に焦らず続けてください。

 また、3~4kg減ったら、その状態を3~4か月維持してみるのも有効です。
 そこで体を「この体重が普通だ」と覚えさせるためです。

 

 

まとめ

 減量の基本は、思ったよりもシンプルです。
 今回のように、体脂肪を減らすことを目的にする場合、


 ・甘い飲み物や超加工食品を減らす
 ・主食を控え、野菜とタンパク質を増やす
 ・断酒や活動量の見直しを行う
 ・軽い筋トレと速歩きを続ける
 ・水分をしっかりとる
 ・毎日同じ条件で体重を測る


 特別な方法よりも、基本を丁寧に積み重ねることの方が、結果的に続けやすくなります。
 さらに、リバウンドも防ぐことができます。

 急がなくて大丈夫です。
 今日できることを、ひとつ整えるところから始めてみてください。