人は、未来のことを考えると不安になり、過去のことばかり考えて後悔してしまうものです。
それを振り払おうとして「今に集中しよう」と思うのですが、これがなかなか簡単ではありません。
自分にも言えることと思う時もありますが、「そうして苦しんでいる人は何と多いことか」と感じることもあります。
今に集中すること自体は大切ですが、何でもかんでも頑張りすぎるのも良くありません。
無理に集中しようとすると、変に力が入りすぎて本筋からずれたり、余計なストレスを抱えて疲れてしまうこともあります。
さて、世の中には「これをやれば良くなる」という方法がたくさんあります。
しかし、それが自分に合うとは限りません。
無理にやろうとすると、習慣にもならず続かなくなり、そこで自分の無力さを感じて落ち込んでしまうこともあります。
こういう時こそ、それぞれの段階における自分の実力や、そこでできることを見極めることが大切です。
「やれることを、やれる範囲でやっていく」くらいの姿勢の方が、結果として続きやすいものです。
直ちに考えや気持ちが切り替わるわけではないかもしれませんが、対策や対処法を知っておくことで、過去のことを考える時間を減らしていくこともできます。
今回は、今に集中する時間を取り戻すための考え方を整理していきます。
- 1. 無理をしてまで取り組まない
- 2. 今に集中するとは「今を楽しむこと」
- 3. アウトプットを前提にすると集中できる
- 4. 過去の思い出は癒しになる
- 5. 未来は「今の積み重ね」でできていく
- まとめ
1. 無理をしてまで取り組まない
まず最初の心得は、「無理をしてまでやる必要はない」ということです。
世の中には「これをやったら良くなるのではないか」という情報があふれています。
それを見つけるたびに反応してしまうこともありますが、無理をしてまでやる必要はありません。
また、「自分にだけはとびきり良い結果が訪れるはずだ」と過剰に期待して取り組むのも、あまり良いものではありません。
例えば「○○すると健康に良い」と聞いたとしても、その日は体調が悪いのに無理をしてやれば、逆効果になることもあります。
本来なら休むべき状態なのに、「健康に良いから」と無理をしてしまえば、かえって体調を崩すかもしれません。
そうしてうまくいかなかった時、人は自分の中で収まりをつけられず、文句を言ったり不平不満を抱えることになります。
それよりも、
・今日はなんとなくいけそう
・今日はいつもより元気がある
という時に取り組めば良いのです。
具合が悪い時まで「今に集中しなければ」と頑張りすぎるのは、むしろ本末転倒です。
それでは、「気にしすぎ」「一生懸命すぎ」というものです。
この場合であれば、「今に集中する」という考え方は、「自分の状態を整えること」「元気な状態に回復すること」に向いていなければおかしいのです。
2. 今に集中するとは「今を楽しむこと」
「今に集中する」というのは、特別なことではありません。
今この瞬間にある自分や、目の前の出来事を楽しむことです。
例えば、
・誰かの話を聞いて「ためになったな」と感じる
・面白い話を聞いて笑う
・食事を味わう
・目の前の景色を見る
・会話を楽しむ
こうした時間をしっかり味わうことが、今に集中している状態です。
逆に、話を聞いている最中に別のことを考えているなら、今に集中できていないということになります。
今に集中していなければ、物事を理解したり、分析したり、相手の思いを汲み取ったり、感想を言ったり書いたりすることは難しくなります。
3. アウトプットを前提にすると集中できる
今に集中するための一つの方法として、アウトプットを前提にするという考え方があります。
例えば誰かの話を聞くときに、
・感想を書いてみる
・一言コメントをする
・話を要約、整理してみる
・自分の課題にどう役立つか考える
・質問をまとめる
このようなアウトプットを前提にして聞くと、自然と集中して聞けるようになります。
たとえ感想を一行書くだけでも、
・話を理解する
・自分で考える
・文章を整理する
というプロセスが必要になります。
そのため、自然と「今」に意識が向くのです。
今に集中するためには、アウトプット前提で物事に向き合い、実際にアウトプットしてみることです。
こうした小さなアウトプットを積み重ねていくことは、今に集中する良い練習になります。
4. 過去の思い出は癒しになる
過去の思い出についても、少し考えてみましょう。
若い頃に楽しかった時の写真を見たり、思い出の品を手に取って懐かしがったり、当時の仲間と会って昔話をすることには、癒しの効果やポジティブな効果があります。
楽しかった思い出に浸る時間は、それなりに意味のあることと言えますから、決して悪いものではありません。
私自身も、時には昔のことを思い出して少し浸る時間は好きです。
楽しかった時間を一緒に過ごした人たちを懐かしんだり、今目を閉じても浮かぶあの頃の景色や場面をもう一度感じたり、大きなことをやり遂げた時のあの瞬間の高揚感を思い出したりします。
「その時一生懸命生きていたことが今につながっている」ことにあらためて気づいたりして、「よし、これからまた頑張ろう」と前向きな気持ちになれるからです。
ただし、あまり思い出に浸りすぎるのはどうかとも思います。
もちろん、嫌な思い出を思い出して気分が悪くなるよりも、楽しい思い出を思い出して良い気持ちになったり大切にする方が、ずっと良いでしょう。
いいえ、いいに決まってます。
「自分の楽しく美しい思い出は、誰が何と言おうと最高にいい思い出だ」と思っていて構いません。
実際そうなのですし、そうあって欲しいですし、邪魔されたくも、したくもありません。
けれども、私たちは今という時間の中に生きていることを忘れてはなりません。
確かに、過去の楽しかった思い出は、思い起こしたそのひと時の間は癒しの効果や幸せな気持ちになれる効果があるのかもしれません。
しかし、今後何ヶ月先、何年先という方向性を考えたとき、幸せな方向へと自分を推し進めてくれるのでしょうか。
ある時点で良い思い出に浸って思い出して、「よし、また頑張ろう」となって次に進めるのならば、それはそれで良いのかもしれません。
しかし、もしそれができず、過去の思い出の中だけで生きるようになってしまえば、現実からの逃避に傾くことになり、これからの未来を作ることができません。
良い思い出からの良い影響による、今を意識した「では、これからどうやって生きていこうか」という考えに至っていないのです。
未来というものは、「今この一瞬」の積み重ねでできていくものです。
だからこそ今の自分に役立つように、「今この瞬間に何をするか」が、これから先を少しずつ形作っていくのです。
5. 未来は「今の積み重ね」でできていく
未来の自分のために「今この一瞬」を積み重ねるためには、今の自分に対してプラスになることをするとよいです。
と言っても特別なことではなく、今まで知らなかったことに気づき、それを少し行動に移すだけでも、十分に前に進んでいます。
本や動画で学ぶのも良いですが、実際の現場から学んだり体験できるとなお良いと思います。
うまくいくかどうかは分かりませんし、結果の良し悪しもあると思います。
でも、もし仮に失敗したとしても、「○○するなら××はやめた方がいい」という教訓が得られれば、それはすでにプラスなのです。
それは十分に自己成長と言えますし、未来に向けた「プラスになる時間の使い方」ともなります。
やり方は様々あると思いますが、このように「今」を積み重ねていくことで、未来は少しずつ形作られていきます。
将来の夢やビジョンを考えること自体は大切です。
そして、その実現のために、今の状態、考え、気分を大切にし、今日できることに取り組むことが、未来への一番確かな準備になります。
時には、過去に対して反省も後悔もせず、忘れてしまう方がよいこともあります。
明けても暮れても過去にとらわれて後悔し、未来に不安を抱く日々を過ごすなんて、今の自分がもったいないのです。
不安や恐怖は、準備によって和らぐことも多いです。
何の努力も準備もしないままでは、何も変わりません。
ですから、これからは是非将来の夢やビジョンを持ってください。
明確にするほど今日やれることがわかってきますし、そこにより具体的に落とし込めるようになります。
少し先のスケジュールは逆算し、その実現に向けて一生懸命取り組んでいってください。
未来のことを考えて不安になる人が、今日を楽しみ今日やれることに取り組む人よりも多いだなんて、「おかしい」と思ってください。
まとめ
過去や未来に意識が向きすぎると、人は簡単に不安や後悔に振り回されてしまいます。
だからこそ大切なのは、「今この瞬間」に目を向けることです。
ポイント
・今に集中するとは、今の出来事を楽しむこと
・無理をしてまで取り組む必要はない
・アウトプットを前提にすると集中しやすい
・過去の思い出は癒しになるが、浸りすぎない
・未来は「今この一瞬」の積み重ねでできていく
過去の楽しい時間を思い出すことは、確かに大切なことです。
その当時、何を意識し、重大な分かれ道を選択し、最善を尽くしてきたかは、その人にしか分からないことです。
でも、その先を死に物狂いでやり遂げてきたからこそ、今でも色褪せずに楽しく浸れる美しい思い出が、今でも強く記憶に刻まれているのだと思います。
その時間はその人にしか手にできない「人生の宝物」のようなものですが、時間と共に少しずつ忘れてしまうのが怖かったり、赤の他人に茶化されたり「無かったこと」にされてしまうのがこの上なく腹立たしかったりすることも、よく知っていますし、よく分かります。
しかし一方で、あなたが次に進むはずの道において、それら楽しく美しい思い出が足枷になってはならないのです。
今を大切に生きようと思ってもらえたら、まずはほんの少しの時間で良いです。
「自分は過去に生きているのではなく、『今この一瞬』の中に生きているのだ」と改めて感じてみてほしいです。
ほんの少しで構いません。
「自分は今この瞬間を生きている」と感じながら、今日できることを一つやってみてください。
過去の楽しかった輝かしい思い出も、それをまだそこにあるかのようにくっきりと思い起こして浸れる時間も、そのどちらをも持てる人生を作り出せたあなたになら、また「今この一瞬」を積み上げていくことができるはずです。
その積み重ねが、間違いなく新たな素晴らしいものを作り出しますし、後から振り返った時に「楽しい人生だった」と思える時間につなげていくことができます。