長い人生、どうせ生きるなら気楽に生きられた方が良いものです。
そのために意外と大切なのが、「言葉の使い方」です。
言葉の力というものは想像以上に強力です。
うまく使えれば、困難を「実際よりも小さなもの」と感じながら乗り越えていくことができます。
反対に、何でも深刻にとらえてしまえば、物事はどんどん大きく重たく感じられるようになります。
人生を気楽に生きるために必要なのは、お金をたくさん蓄えることでも、より良い職業を求めて転職し続けることでもありません。
まずは、自分の心を少し軽くしてくれる言葉を持つことです。
最初のうちは慣れない言葉を使っても、頭や体がついてこないかもしれません。
それでも少しずつ使っていくうちに、言葉はだんだん自分の味方になっていきます。
言葉を敵にするか味方にするかで、その後の人生の感じ方は大きく変わってくるのです。
1. 「それは普通だ」と思えるようになる
気楽に生きるためには、「それは普通だ」と考えることが役に立ちます。
例えば、自分の子供がだらしなかったり、勉強したがらなかったりするのを見て親が困る、ということはよくあることだと思います。
けれども、子供というのは、まだほとんどのことを知らず、これから経験を積み重ねていく存在です。
そう考えれば、だらしないことも勉強したがらないことも、ある意味では普通のことだとも言えます。
というように、普通のことに対して「それが普通」と思えるようになると、物事の受け止め方も変わってきます。
いちいち腹を立てたり感情的になったりしなくて済むようになりますし、小さな成長や努力にも気付きやすくなります。
ほんの少しでもできたことがあれば、「それが普通だと思っていたのに、よくできたね」と褒めることができます。
大人でも子供でも、誰かから褒められた行動は無意識のうちに増えていくものです。
そこから良い行動が少しずつ積み重なっていくのです。
反対に、「だらしないのはダメ」「勉強しないのはいけない」と一方的に縛りつけてしまうと、相手の心も穏やかではいられなくなります。
場合によっては、「自分はダメな人間だ」というイメージで生きることになり、負の連鎖につながることもあります。
もちろん、不正や故意の嘘など、「ダメなものはダメ」としなければならないこともあります。
しかし、多くのことは「それが普通」と受け止める余地があるものですし、そう思える方が気が楽でもあります。
大人だって、片付けが苦手だったり、三日坊主だったり、物覚えが悪かったりすることがあります。
それも普通ですし、みんな似たようなものなのです。
「それが普通だ」と一旦受け止められるようになると、誰かを責める必要もなくなり、心は穏やかになっていきます。
そして、事あるごとに自信を失わずに済むようにもなるのです。
2. 現状を肯定すると、人は変わりやすくなる
「それが普通」と考えることは、決して怠けることではありません。
曖昧な表現になることで、勝負に弱くなったり、ゆるい人生になってしまう、ということでもありません。
例えば、いつも「自分は三日坊主で何事も続かない」と否定していたら、なかなか新しいことに挑戦しようという気持ちは起こりにくいものです。
ある日一念発起して、「さあ、今日からダイエットしよう!」とはならないでしょう。
しかし、「三日坊主の人が多いのは普通だ」と思えれば、少なくとも自信を失わずに済みます。
「こんな体になりたい」「少しやってみようかな」という気持ちもすぐになくなることはなく、ある程度は維持されます。
すると、「ちょっと始めてみようかな」くらいにはなるかもしれません。
その結果、やってみて3日目にきつくなったとしても、「それも普通だ」と思えれば、そこで踏ん張ることもできるのです。
このように、現状を肯定するための言葉が、「それは普通だ」なのです。
現状を肯定できるからこそ、人は変化していくことができるのです。
その事柄を「普通だ」と思うか、「ダメだ」と思うかで、その後も大きく変わっていくのです。
3. 「普通」を知ると、人にも優しくなれる
「誰の人生にも辛いことはあるが、それが普通なんだ」と思える人は、幸せを感じやすいとも言われます。
ストレスにも強くなり、人との関わりも深く保ちやすくなるため、人生の満足度も高まりやすくなります。
なぜなら、「それは普通だ」と思えることは生活のあらゆる場面にあるし、その言葉を実際よく使うことにもなるからです。
例えば、先生や上司が怒ることがあります。
それは仕事なのですから、見方を変えれば普通のことです。
そんな中でも地道に(あるいは要領よく)結果を出したり、良い人間関係を築いたりしている人はすごいのです。
また、車の運転中に渋滞でイライラするのも普通です。
周りのみんなも早く家に帰りたいし、快適に目的地に着きたいからです。
そんな中でも落ち着いて運転している人や、道を譲ってくれる人はやはり立派です。
このように「普通」を知っていると、ちょっとした日常の中であっても、人間の良さや背景、見えない努力などにも気付きやすくなります。
さらに言えば、
・思い通りにいかないこと
・お金や健康への不安
・人間関係の悩み
これらも、人生では珍しいことではありません。
どんなに理想の自分になっても、風邪を引くこともありますし、怪我をすることもあります。
人に嫌われることもありますし、年を重ねれば持病の一つくらい出てくることもあります。
自分の人生を呪いたくなるような時があったとしても、悩みを抱えているのは誰でも同じです。
生きていれば誰だって、悩みの1つや2つくらい抱えているものです。
でも、「それは普通なんだ」と思えれば、心は少しずつ落ち着きを取り戻し、今までよりも気持ちが楽になっていきます。
そうすると、不安があっても前を向いて生きていけます。
周りを見て「そんな中でもみんな笑顔で一生懸命生きているんだ」と思えば、自然と優しい気持ちも湧いてくるし、「自分も頑張ろう」と元気も湧いてくるのです。
4. 心を軽くする言葉の使い方
気持ちを少し軽くするために、次のような言葉を持っておくのも役に立ちます。
① 人生、良いこと半分、悪いこと半分
運が悪い日、ツイてない日というのは誰にでもあります。
そんな時にこの言葉を言えば、「今日はたまたまツイていなかっただけだ」という気になれます。
そう思える言葉があると、気持ちを引きずりにくくなります。
人生は、悪い日ばかりが続くわけではないのです。
例えば、5枚のコインを同時に投げるとします。
すべて表、またはすべて裏になる確率は32分の1です。
5枚のコインは一日一回投げる、とします。
もし、踏んだり蹴ったりの最悪な一日が「全部裏」の状態だとすれば、そういう日は月に一度くらいあってもおかしくありません。
その反対に、絶好調の一日も同じくらいの確率で訪れるはずです。
そう考えれば、どこかで一回くらい悪い日があったとしても「そんな日もある」と思えるようになります。
その他にも、割と良い日、結構凹んだ日、やや良い日、微妙に良くない日、普通の日など、その割合も同様に起こり得るでしょう。
悪い日ばかりがずっと続くこともない、というわけです。
そう考えれば、「人生、良いこと半分、悪いこと半分」という言葉も受け入れやすくなり、気楽に過ごせるようになるのではないでしょうか。
② 面白い
心理学では、「面白い、面白い」と言っていると、本当に面白く感じられるようになるという効果があると言われています。
例えば、「人でなし」と思えるような考え方をする人や、図々しい振る舞いをする人に出会ったとします。
そんな時、「面白い考え方をする人だなあ」と、新種の人類を発見したような気持ちで眺めてみるのです。
そうすると、悩みや後悔で自分を締め付けることが少なくなります。
仕事であっても、思った通りにいかないところが、実は面白い部分でもあります。
簡単な雑用であっても、「いかに早く終わらせるか」と考えると、それなりに面白くなってきます。
この世の中は、よく見てみると面白いことで溢れているものです。
言葉は不思議なもので、「面白い、面白い」と言っていれば、最初はそのように思っていなくてもだんだん面白くなってきたり、今までになかった着眼点を発見できたりするものです。
悩んでいた人間関係も、つまらなかった仕事も、めんどくさい勉強も、少しくらいは楽しめるものに変わるのではないでしょうか。
実際に、思ったことをやってみて、より良く変わっていくことも多いです。
そういうところもまた面白いのです。
③ この程度で良かった
人生には、大小さまざまなアクシデントがあります。
そんな時に心を軽くしてくれる言葉が、「この程度で良かった」です。
・突き指したけれど、骨折じゃなくて良かった
・車を壁で擦ったけれど、人にぶつからなくて良かった
・仕事でミスして怒られたけれど、何億円もの損害が出ることじゃなくて良かった
この言葉はシンプルなのにネガティブな言葉も中和しやすいので、あらゆる場面で使いやすいと思います。
もちろん、嫌なことが起きたり怪我をした瞬間にそう思えるわけではありません。
辛いものは辛いし嫌なものは嫌ですが、やはりそこは一旦受け止めて乗り越える必要はあります。
けれども、少し時間が経って振り返った時に「このくらいで済んで良かった」と思えると、気持ちはずいぶん軽くなります。
この言葉は、日頃から善い行いをしたり、誠実な対応を心がけていないと、使う機会がまずありません。
また、手抜き仕事をしたり、人様の悪口を言ったりしていると、こちらも使う機会はまずありません。
普通は、やることをきちんとやっている上で問題が生じ、対応したその後に「このくらいで済んで良かった」となります。
ですから、その言葉を使ってみたいと思っても、普段からそれなりの振る舞いができていないと、使う機会すら訪れないのです。
④ いつか笑い話になる
今直面している辛い出来事でも、長い人生の中で見れば、いつか笑い話になることも多いです。
そう思って前向きに切り替えるために、「いつか笑い話になる」という言葉があります。
であれば、今から笑ってにこやかに過ごしてしまえばよいのです。
辛い生活も、「いつか笑い話になるさ」と言えば、暗い気分を少し明るくすることができますし、ネガティブな気持ちを立て直すこともできます。
辛いときのその時点では分からなくても、恥ずかしい思い出や苦しい経験が、後になって面白い話になることは珍しくありません。
だからこそ、辛いときほど「いつか笑い話になる」と言ってみるのも一つの方法です。
この言葉は辛いときだけでなく、ツイていないとき、落ち込んだとき、惨めに感じたとき、悲しいとき、恥ずかしく感じたときなど、あらゆる場面で使えます。
まとめ
気楽に生きるためには、物事の受け止め方が大切です。
その受け止め方を支えてくれるのが、日頃使っている言葉です。
心を軽くするための考え方として、次のようなポイントがあります。
・「それは普通だ」と受け止める
・人生は「良いこと半分、悪いこと半分」
・困った出来事も「面白い」と見てみる
・トラブルの後は「この程度で良かった」と考える
・辛い経験も「いつか笑い話になる」と思ってみる
こうした言葉を少しずつ使えるようになると、同じ出来事でも感じ方は大きく変わってきます。
人生から悩みが完全になくなることはないでしょう。
けれども、「それは普通なんだ」と受け止めながら生きていければ、心は少しずつ軽くなります。
そして、不安があっても前を向きながら、自分なりの人生を歩いていけるようになるのではないでしょうか。