眠りの質は、日中の過ごし方や寝る前の習慣、そして環境によって大きく変わります。
忙しい日が続いたり、考えごとが多かったりすると、「眠ろうとしてもなかなか眠れない」と感じることもあるかもしれません。
ただし、もし体や心が疲れているなら、「日常生活においては何より先に睡眠から整える」くらいに優先度が高いことでもあります。
今回は、寝つきを良くし、ぐっすりと眠るためにできることを整理してみます。
少しの工夫や積み重ねで改善できることもありますので、自分に合ったものから取り組んでみると良いかと思います。
1. 日中から寝る前までの流れを整える
① 朝に体を動かす
朝起きたら、日光を浴びながら体を動かします。
散歩や早歩き、ジョギングや筋トレなど、無理のない範囲で構いません。
朝に体内時計をリセットし、セロトニンを活性化させることで、その後14~16時間ほどで自然と眠気が出てきます。
こうした体のリズムを利用して、就寝時間や起床時間を整えていくとよいでしょう。
また、運動によって1日の終わりに多少の疲労がある状態の方が、寝つきは良くなります。
運動不足も、寝つきが悪くなる原因の一つと言われているのです。
ですから、まずは15分程度でもよいので、朝に体を動かす習慣を取り入れてみるとよいでしょう。
② 入浴で眠りの準備をする
入浴によって一度上がった深部体温が、その後ゆっくりと下がっていくことで、自然と眠気が生まれます。
この体温の変化が、寝つきを良くするポイントになります。
入浴は、就寝の90分前までに済ませるのが目安です。
例えば23時に寝たい場合は、20時半までに入浴を終えておくイメージです。
個人差もありますが、特に遅くまで仕事をした日などは、熱すぎるお風呂に入ると体温が下がりにくくなるため、39度前後の比較的穏やかな温度でリラックスするように入るとよいでしょう。
③ 強い光やブルーライトを避ける
就寝前は、スマホやテレビ、パソコンを使うことを避けるということです。
ブルーライトは昼間の青空に近い波長と言われており、夜に浴び続けると体が覚醒しやすくなります。
現実的には完全に避けるのは難しいですが、入浴前までにパソコンやテレビを済ませ、スマホもメールチェックやアラーム設定など短時間の操作にとどめておくなど、少し意識するだけでも変わってきます。
一方で、青い光から夕焼けのような赤い暖かな光に変わっていくことで、体ではメラトニンが分泌され、自然と眠りの準備に入っていきます。
本を読むには少し暗いと感じるくらいの照明の中にいると、リラックスしやすくなります。
ですから、電子機器の画面を見ることは、就寝の1~2時間前には済ませておくのが理想です。
特に、真っ暗な部屋で布団に入りながら長時間スマホを見るのは、できるだけ避けたいところですね。
④今日一日を振り返る・日記を書く
眠る直前の過ごし方を整える、ということです。
眠る前は、すぐに布団に入れる状態にして、今日あった良かったことを3つ書きます。
ポジティブなことや嬉しかったことを思い出してから眠ると、直前の記憶が脳に残りやすくなり、不安や悪夢から離れやすくなります。
日記を書くのは難しいという場合は、ほんの短い時間でも「どんな一日だったか」をやわらかく振り返る時間をつくることで、気持ちのまま眠りに入りやすくなります。
2. 室温と環境を整える
眠りにつくときの室温は、少し肌寒いくらいがちょうど良いとされています。
深い睡眠に入るためには、深部体温が通常時よりも少し(1度程度)下がる必要があるためです。
体温がなかなか下がらない状態では、ぐっすりとした眠りに入りにくく、成長ホルモンも分泌されにくくなるため、疲労回復もしづらくなります。
ここでは室温について触れていますが、季節や寝具、その他の道具を使えばそれなりに感じ方の条件も変わってきます。
例えば、同じ20度の室温でも夏と冬では来ているものも違いますから、当然体感も異なります。
体温の放熱は、顔など布団の中に入っていない表面積が大きい箇所から放熱していきます。
ですから、夏場であっても手足を布団の外に出すことで放熱しやすくなることもあります。
また、眠りにつくまでには徐々に体温が下がっていくことが重要ですから、冬場に電気毛布などで朝まで一定の温度を保ち続けるのは、睡眠の質という点ではあまり良くない場合もあります。
このように様々な条件はありますが、ぐっすり眠りたい場合は、就寝時の室温は「やや肌寒いくらい」をひとつの目安にして調整してみるとよいでしょう。
反対に考えれば、朝の目覚めが悪い人は、部屋の温度を少し上げるようにれば、強制的に目を覚ましやすくさせることにも応用できますね。
3. 本当に眠れないときは
毎日ではなく時々で構いませんが、次の方法を取り入れてみるのも一つの対策となるでしょう。
・いつもよりハードな運動をしてみる
・風呂に入ってリラックスする
もちろん、ハードな運動を就寝直前にするのも、翌日に疲れが残るほどするのも良くありません。
あくまでも寝つきを良くするために、いつもと違うメニューや負荷を探して試してみるということです。
また、先述の入浴とは別に、リラックスを最優先にして、温度や深部体温、時間のことなどは一旦横に置くというやり方です。
使ってみたい入浴剤を使ったり、温めのお湯に少し長めに浸かったり、マッサージをしてみるなど、体や心が落ち着きリフレッシュできそうなことを探してみるとよいでしょう。
いずれにしても、「眠らなければ」と考えすぎるよりも、体の状態を整えることに意識を向けた方が、結果として眠りにつながることもあります。
まとめ
次のポイントを参考に、自分に合った良い睡眠と寝つきを整える方法を探していきましょう。
・朝に体を動かし、体内リズムを整える
・入浴で体温の流れをつくる
・寝る前は光を抑え、刺激を減らす
・ポジティブな状態で眠りに入る
・室温はやや肌寒いくらいを目安にする
どれも一つひとつは小さなことですが、流れとして整えていくことができるものです。
自分に合ったものを取り入れることで、眠りの質は少しずつ変わっていきます。
すべてを一度にやろうとすると、かえって就寝前の環境を大きく変えてしまうことになりかねません。
ですから、「これならできそう」と思えるところから取り入れてみてください。
うまくいかない日があっても問題ありません。
「整えていく」ということは、そういう日があるからこそ、ちょうどよいところを見つけられるものだと思います。
少しずつでも、自分なりの心地よい眠りの形が見つかっていけば、まずはそれで十分なのです。