初心者でも着実に実力をつけるためにはどうしていったらよいか

 
 「自分のスキル不足を感じたから、とにかくまずは何かしら勉強をしよう」と、多くの人はこのようなことを考えて決めることが多いのではないかと思います。
 しかし、この意思決定のプロセスでは、「特に何も決めていない」ということに近いように感じます。
 特に、「今やる気に満ちている」且つ「速いうちに手応えを感じたい」のであれば、まずは頭の中だけでなく実際に行動に移しながら、現実で、現場で、現物を使って実際にやってみて、フィードバックをしながら学んでいくのがよいでしょう。
 
 
 楽器でも習い事でも仕事でも何でも、うまくいくためには自発的に始めることが基本となります。
 誰も教えてくれないからやらないとか、みんなが集まってくれないからやらないとか、そんなことではいつまでたってもうまくいくことはありりません。
 一番最初の入門編、初級編レベルのことを学んだら、周りなんかに合わせずさっさとやってしまうことです。その後は、「孤独でコツコツ」が基本となります。
 ちなみにここで言う「孤独でコツコツ」とは、「周囲との交流を一切断て」とか、「一切協調性を持つな」などという意味ではありません。
 
 
 人間というものは、物事を一旦選択したり決断したりすると、「立場固定」と言われるように、頭の中のどこかでは「もしかしたらその選択は最善ではなかったかもしれない」と思っていても、「自分が選択や決断をしたのだから正しい」と正当化してしまうばかりに、その選択や決断に固執してしまうことがあります。
 つまり、それが誤りだったとしても、その事実を認められなかったり受け入れられなかったりして、その物事の結果や時間の損失がどんどん広がってしまうのです。
 だから、勉強し過ぎてドツボにハマったり、複雑に思考して迷った結果行動できなくなる前に、ある程度のことを学んだらさっさと行動に移し、修正しながら進む方が早く結果につながることが多いのです。
 「もししかしたら判断を間違えたかもしれない」と思ったら、さっさと振り返って確認するなり、素直に認めるなりして、修正をしたり方向転換をするのがよいでしょう。
 
 
 また、早く成長するためにさまざまなことに「気付く」ことも必要です。
 例えば「特定の奏法を使う時にうまく使えなかった」とか、「あの小節のこの拍の部分でいつもつまづく」といったように気付き、認識することで、その事柄や関連情報に関心が向き、今までよりも理解しやすくなっていきます。
 そして対策を立ててまた行動に移し、反復して身に付けようとしていくことで、新たな気付きを促すことになります。
 
 
 たとえ現在に力不足を感じていても、まずはやってみる。
 その行動からフィードバックし、不足していた行動や段取りに気付き、対策を立ててまた実行に移していく、ということが大切になります。