ストレスを溜めないために相手を無視するのは良いことか メモ

 
 他人にマウントを取る人、嫌味を言う人、何かにつけて攻撃してくる人というものは、なぜか必ずいるものだ。
 こういう人はスルーしてしまうに限るが、それは「心の中ではサラッと受け流す」というようにした方が良いだろう。
 なぜならば、あからさまに無視をしたり反発する態度を取ると、相手はさらに怒って攻撃をしてくる可能性が高まるからだ。
 
 「スルーする/受け流す」ことと「無視する」というのは、違うのである。
 生きていれば社会生活というものがあるのだから、表面的には普通に接して、適切な態度を取ることが大切だ。
 要は「ああ、そうなんですか」、「へえ、知らなかったです」といったような当たり障りのない言動や態度で対応し、心の中では受け流せばよいのだ。
 
 この「心の中で受け流す」というのが重要である。
 自分の心は自分のものであり、自分の自由なものであり、自分の心をどのように取り扱うかも自由だからだ。
 だから、例えば会社で上司や先輩に怒られた時に自分を責める人が多いが、表面上は適切に対応していても、心の中でサラッと流せば流れるものなので、自分をいつまでも責めているよりも流してしまったほうがよい。
 
 
 
 ただ、すぐにできるかといったら、そういうものでもないだろう。
 
 一つには、社会における自分の状態や、他人の目があるからだ。
 職場などで少しくらい腹が立つことがあっても、笑顔でさらっと流せる力を持たずに上司や先輩に対して生意気な態度をとっていたら、余計に怒られてしまう。
 
 また、悪意のあることをされている場合は別だが、あなたがいつも嫌だと思っている上司や先輩でも根がしっかりしていて、見ているところはちゃんと見ている人もいるものいるものだ。
 それに、周りから見ても、あなたが経験不足なだけで上司や先輩の方が正しいというようなこともある。
 上司や先輩は、嫌なことがあっても他人の代わりに矢面に立って受け止め、それを笑顔でサラッと流せるからこそ、上司や先輩でいられるのだ。
 
 
 
 もう一つは、自分の考え方や気の持ち方を変えるのはなかなか難しいからだ。
 真面目、正直、真剣、真摯、几帳面と言ったことは表面的に大切だし社会生活の上でも必要なことだが、心の中はもう少し楽にしておいても良いのではないだろうか。
 不真面目と言ってしまったらなんだが、心の中まで常に真面目でいると疲れやすくなってしまうので、少しくらい不真面目な時を作るくらいでちょうどよい。
 常に気を張りつめた状態が続くのは良くないのだ。
 
 もし、この張り詰めた状態が常に起こっていて、身も心も疲れ切ってしまった上に、さらにギリギリと自分を締め付け続けるようではいけない。
 表面的な態度は笑顔で会社や他人に合わせておいて、心の中では「うるせえな」と言っていたって罰は当たらないのだ。
 ちなみに筆者は、あまり自身の攻撃性を表に出したくないため、どうでもいいようなことで他人からいちいち細かく難癖をつけられた時には、「暇人なようで羨ましいな」と思うようにしている。
 
 
 
 心の中は、自分の自由な空間である。
 その心の中をもう少し緩やかに保ち、ストレスを受け流す構えをとるのだ。
 自分の部屋から一歩外に出たら、何も構えずに無防備な状態を晒したままにしておいてはならないのだ。
 
 どんなストレスだって、受け流したりかわしたりして当たらないようにすれば、ダメージにはならない。
 しかし、ストレス自体を減らすことは、自分の裁量ではなかなか難しいことも多い。
 
 だから、日常生活の中で日々できることは、自分で学んで磨いて作っていくことだ。
 ストレスをよける心構えを持ち、受け流すテクニックを学び、またストレスについて学び、工夫を施していくことが大切である。
 それに合わせて、「ストレスは自分の心の中でスルーする」ことを意識していくと、徐々に楽になっていくだろう。