相手の言うことや今までしてきたことをいちいち気にしたり、いつまでも気にしているというのは、
労が多くて実りが少ないことですし、心のエネルギーと時間の無駄にもなります。
最も良いのは「受け流す力」をつけることです。
「過去と他人は変えられない(エリック・バーン 心理学者)」という言葉がありますが、これは見方を変えれば「過去と他人を変えようとすることほど無駄なことはない」ということであるとも言えるでしょう。
実際、他人を変えようとすればするほど疲れてしまうものです。
また、「自分を否定されないためにはどうしたらいいか」をいつも考えてしまうと、相手の顔色を伺ったり、一挙手一投足を見たり、迎合してしまったり、物事の確認の回数が異常に増えたりして精神的に大変なので、「否定されても受け流す」という心のしなやかさを身につけたほうが楽です。
相手にマウントを取られたとしても受け流す方が簡単ですし、相手の行動を変えたいと悩む必要もありませんから、1秒程度のわずかな時間で平静を取り戻すことができます。
もちろん、相手が不快感を覚えるような言い方ややり返すような使い方でなく、例えば以下のように受け流す言葉を身につけておくと良いでしょう。
・そうなんですか
→ 話を聞いている反応をする
※「話を聞かない」とか「聞こえないふり」だと後で拗れやすくなります
また、追い撃ちをされやすくなります
・〇〇なんですね、それって××ということですか?
→ 質問する
※こちらが一方的に劣勢に置かれたままだと後で拗れやすくなります
※曖昧なままにしておくと後で自分が妄想したり悩み苦しみます
・私はこう思ったけど、あなたはそう思ったんだね
→ 相手を否定しない
自分の気持ちを伝える
・まあそれぞれありますからね
→ 相手の挑発には乗らない
・ちょっと急ぎでお客様に返信しなければならないことがありますので、失礼します
→ 話を逸らす
物理的に距離をとる
心理学では心のしなやかさを「レジリエンス」と言うそうですが、そのレジリエンスを持つことができると、多くのことがストレスにもならなくて済みます。
一般的に言えば「上手にスルーする力」とも言えます。
ただし、「聞こえないふり」ではありません。
上手に受け流す力が身につけば、ちょっとした言葉の言い回しにいちいち反応して噛みついたり悩んだりすることも減ります。
それだけでも心が乱れることが減りますから、職場の人間関係なども今より円滑になり、ストレスも溜まりにくい、或いは解放しやすくなります。
受け流すにしてもコミュニケーションを取ることに変わりはありませんから、言い方、使い方、表情、態度、タイミングなどの経験を重ねながら、心のしなやかさを養っていくと良いでしょう。