人間関係のストレスに押し潰されないための対処法


①心のしなやかさを高める
 「心のしなやかさ」は心理学などでは今はレジリエンスと言われ、一昔前はストレス耐性という言葉が使われていました。
 元は工業用語でバネなどの弾力性や強靭性などについて言う言葉だったそうですが、今ではその「耐える、我慢する」というイメージよりも、やり過ごす、スルーをする、受け流す、躱す、という意味合いの方に変化していったようです。

 「受け流す」と言うと、相手からすると「暖簾に腕押し」というような感覚があるかもしれませんが、こちらとしては相手の言葉の一つ一つをいちいち真に受ける選択以外にも、「へぇー、そういうこともあるんだ」と受け流すやり方も持っていた方が良いのです。
 確かに、もし悪口を言われたとしても「まぁ、あいつはいつでもどこでも悪口言ってる奴だから、あまり気にしないでおこう」くらいにスルーできる方が良いですよね。

 そういうことができる人がレジリエンスの高い人と言えるし、メンタル疾患や適応障害にもなりづらい人と言えるのでしょう。

 

②コミュニケーション力を高める
 メンタル疾患や適応障害を患う人は、人間関係の問題が原因であることが多いそうです。
 十把一絡げにコミュニケーションの能力や技術が高いとか低いとかいうよりも、時には「角を立てずに人と仲良くやれる力」という意味合いでコミュニケーション力というものを見てみることも大切です。

 嫌いな上司の言うことでも話はちゃんと聞いてる体にしてうまく立ち回ることができれば、職場の中ではそれなりに上手にやっていけることでしょう。
 そういう対処ができることも、コミュニケーション力としてその中に十分に含まれるのです。

 コミュニケーション力が向上すれば、人間関係をしなやかに対応できたり、悪口を言われたりマウントを取られたりしても、相手の心無い言葉をいちいち真に受けずにスッと受け流せるということです。
 ①のレジリエンス力を高めたり、②のコミュニケーション力を高めるということは、自分が今いる環境での適応力を高めるということでもありますから、ひいては多くのメンタル疾患や適応障害の予防にもつながると言えるのかもしれません。

 嫌な思い出を反復して思い出し、嫌な感情を増幅し続けたりしてしまう時には、運動してストレス発散をしたり風呂などでリラックスをして気持ちを鎮めるのもよいですが、そもそもコミュニケーションをとっている最中やその前後での対応の一つとして、コミュニケーションの手数や幅、気の持ち方といったものを増やしておくのも良い策となります。