引け目を感じて生きないようにする心構え


 引け目を感じないためには、もっと「押し出す」ことです。
 辛くて一歩下がりそうになった足や体や気持ちを、グンと前に押し出すのです。
 「気持ちの問題ですか?」って、気持ちの問題です。

 さらに、今自分ができることを、とにかく実際に行動に移して乗り越えることです。
 一度にたくさんでなく、できる範囲で小さなことから一つずつでも良いから、もっと「やった」という実績を作っていくことです。
 「自分はこれだけやったのだ」と自信がつくほどやったのなら、それほど引け目は感じなくなります。

 世の中には、自分の得手不得手や、運や、縁や、巡り合わせや、タイミングというものがありますから、全部が全部自分の思い通りにはいかないでしょう。
 だからと言って、自分のせいではないのに自分を責めたり、そこそこレベルの高いことをやっているのに自分の中だけでの理想が高すぎて「これじゃダメ」となっていたら、成し遂げられることも少なくなるから自信もつきません。

 せめて、自分の心の中くらいはもっと強気で良いし、もっと負けず嫌いで良いのです。
 それを、どこかで自分から勝手に一歩引いているから、引け目を感じることになるのです。
 「いいからさっさと押し出せよ」という話です。

 自分の心の中なんて自分の自由なのですから、まずは自分から気持ちを押し出し、第一歩を踏み出すことが大切なのです。
 「勇気をもって一歩」とかでなく、勇気なんていりませんから、ただ一歩を踏み出すだけです。
 そうして、その後は、自分よりも強い人や上手い人や賢い人がいたら、「自分も同じレベルに行こう」とか、「自分はもっと上に行ってやる」と思って素直に練習なり勉強なりすればよいのです。

 ただし、「強気や負けず嫌い」ということと、「手段を選ばない」ということは別であって、当然法律を犯したり嘘をついたり不正をするのはいけません。
 また、相手を一方的に精神的に追い詰めるようなひどい言葉をかけるのもよくありません。
 言うまでもありませんが、相手が大切にしているものを不当に奪ったり壊したりすることもダメです。

 

 さて、気持ちの問題以外で引け目を感じずに堂々とするためには、まず型や正攻法を身に付けることです。
 そして、その型や正攻法に沿って少しずつ実力をつけることです。
 それも、「あの人には実力がある」と周りにも知られるくらい抜きん出るほど技術も体も心も磨き、仲間も増していくことです。

 間違ったやり方や誰かを傷つけたり盾にするやり方でなければ、遠慮せずに堂々と型通りに、正攻法の通りにやることです。
 といったように段階を踏んで、まず自分である程度の基礎が身に付くまでやってみて、次に実際の現場で使い込みながら経験を増やしながら、その後に圧倒的な差をつけていくのです。
 基礎をしっかりしておけば、やればやっただけちゃんと積み上がっていくものなのです。

 少しずつでも自分に確かな実力がついてきたと実感できるようになれば、少なくとも今よりは達成感が出て安心できますし、それに合わせるかのように周囲からの信頼も得られるようになっているものです。
 そこから先では引け目を感じるどころか、楽しみの方が増えて前向きになっていきます。

 もし何かで引け目を感じていて、何となく生きるのが嫌になっているのでしたら、特に冒頭の「押し出す」という心構えは最初の一歩目ですから、忘れてはならないくらい大切なことです。
 頭の中でやるだけですから一円もかかりません。