ダグラス・M・マグレガーについて メモ

 
ダグラス・マレイ・マグレガー(Douglas Murray McGregor / 1906 - 1946年)
米マサチューセッツ工科大学教授、心理学者、経営学者。
著書「企業の人間的側面」において、XY理論を提唱した。
 
 
 
不況で業績が悪化すると、統制的な手法で組織を締め付け、業績を上げようと試みる経営者が多くなる。
一時的には業績が上がるかも知れない。ただ、長い目で見ると多くの場合、従業員の指揮を低下させ、
組織を疲弊させるだけの結果に終わる。
 
この問題を考える上で参考になるのがマグレガーの「X理論・Y理論」である。
X理論とは、単純に言うと性悪説である。
人間は生来怠け者でできるだけ仕事をしたくないと思っている。
 
従ってたいていの人間は統制や命令、あるいは処罰で脅されなければ企業目標の達成に十分な力を出さない。
また、普通の人間は命令されるほうが好きで、責任を回避したがり、安全を望むという考えである。
 
これに対し、Y理論は性善説である。
人間は生来仕事が嫌いということはなく、条件次第で仕事は満足感の源にも懲罰にもなる。
従って統制や命令、処罰だけが企業目標の達成に力を発揮する手段ではなく、
やりがいのある仕事を与えれば人は自ら働く。
 
また、普通の人間は条件次第で責任を引き受けるばかりか、自ら責任を取ろうとするという考えである。
このようにX理論・Y理論は学者の理論ではなく、実務家への人間観を分析したものだ。
 
ところがY理論を採用しない人たちもいる。株主や投資家だ。
経営者や従業員は放っておくと何をしでかすか分からないから内部統制を導入し、
しっかり監視しなければいけないという考え方は、Y理論に通じている。
 
しかしやがて、世の中からY理論が万能ではないことが指摘され始めたためZ理論の研究を始めていたが、志半ばで倒れたとされる。