過去の嫌な記憶を思い出してしまったら、それとは関係のない「行動」に切り替えるとよい。
今すべき重要なことにあらためて向き合ったり、心や体の健康のためにも、次のようなことがよいだろう。
①運動、筋トレなど体を動かすこと
②好きなこと、没頭できる趣味など人生や心が充足すること
③片付けや掃除など予め用意していたタスク
人は、何かをしないように意識するほど思い出してしまうもので、「やってはいけない」と思ったり、「やらないようにしよう」と思えば思うほどそこに注目してしまうので、基本的には忘れづらいものである。
このように思うことは、脳に対しては「やれ」と命令しているのと同じことなので、過去の記憶を忘れようとするほどその記憶を強化してしまっていることになる。
嫌な記憶が甦ってしまうことは、机に向かっていたり、座っているだけだったり、何もしていないときほど起こりやすいので、対処法としては、上記の三点のような行動に切り替えてしまう方がよい。
例えば運動することによって前向きになる脳内物質も分泌されるし、体も鍛えられるし、そもそも負荷の高い筋トレやランニングなどをして苦しい時に、嫌な記憶のことをいちいち考えることはできないものである。
不安に思ってしまう気持ちが表れたり、それに相当する脳内物質が分泌されたりするのは、次の行動を促すための反応とも言われていることからも、やはり上記の三点のような別の行動に焦点を当て、実際に体を使うことで気を紛らわしていくことが重要となる。
だから、趣味や娯楽や楽しみ、運動をしたり片付けをしたりなど、別の没入できる時間としてさっさと切り替えるように仕向ければ、その最中は嫌なことを考えていられる時間も頭の中からなくなってくる。
こういった時間を1時間でも2時間でも少しずつ増やしていけばやがて24時間に積み上がり、忘れたこととほぼ同じ状態になって過去の嫌な記憶が入り込む余地も無くなる。
今大切なことや、これから生きるべき未来に対して目線を向けられるようになるためにも、嫌な過去に囚われないための重要な戦略として心に留めておくべきだろう。