反抗期の子供との付き合い方 メモ


 まず、子供が反抗するということは良いことです。
 なぜなら、もし反抗期がなければ相手との人間関係や距離感がよく分からないまま社会に出てしまうことになるからです。
 反抗するということは、相手との距離感を測っているのであり、つまりは社会性を身につけるために不可欠な段階を進んでいるということになるので、順調に育っていると言えるでしょう。

 ですから、とりあえず子供が反抗してきたら、「もうすぐ大人になるんだなあ」とその成長に喜ぶと良いでしょう(ただ、実際に口や態度に出してしまうと、火に油を注ぐことになることもあるでしょうが)。
 とはいえ、反抗されたら嫌だし、精神的なダメージを受けるでしょうし、「楽しく過ごしたいだけなんだよなあ」と思うものですが、それではどのようにしたら良いでしょうか。

 

①指図しない
 親が子供にいちいち「ああしろ、こうしろ」と言うから反抗するのです。
 なぜなら、親と子供は別人格であり、別の考えや行動特性を持っているため、指図するのは相手の人格を無視した上に行動特性を潰していることになるからです。
 少しきつい言い方をすれば、親の枠にはめ込んで子供を支配しようとしていることになり、子供はその支配から逃れようとして反抗するのです。

 子供は、自分で判断・選択をしたいと思っているのかもしれません。
 たとえ失敗したり恥をかいたとしても、学校で教わったり、本や教科書で自ら勉強したり、ネットで調べたことを、一般的に、社会的に、理論的に、「自分で試してみたいから実際にやってみよう」と思ったことを、やる前から潰されてしまったらそりゃあ反抗するでしょう。

 ただしその一方で、経験が浅いと、「それは倫理的に間違いである」とか、「社会的に悪いことである」とか、「法律に触れる」とか、「一定の配慮をしないと必ず周りに迷惑をかけることになる」など、行動する際に押さえておかなければならないポイントを見落としてしまうリスクもあります。
 子供の言い分もあるのでしょうが、親も親で子供よりは圧倒的に経験が豊富なので、見た瞬間に「それ絶対ダメ」という見分けがつきますから、一概に指図とは言えない一面ももあります。
 大事な子供が絶対に踏み外してはならないことをしそうになった時は、普通は親としては、指図どころか、命令どころか、盾になってでも殴ってでも止めなければならない時もあるのです。

 

②ポジティブなフィードバックを積み重ねていく
 基本的には子供の人格を認めてその方向性を尊重することが大切ですから、「指図ばかり」などということはせずに、ポジティブなフィードバックをしつつコントロールしていくと良いでしょう。
 具体的には「自分がやって欲しいことをやった時にすごく評価する」ことです。

 「宿題やらない」、「練習しない」、「言うこと聞かない」、という状況はよくあることでしょうが、実際に宿題をやったり、練習をして成果が出た時などには、どのような言葉をかけてあげているのでしょうか。
 「もう宿題やったの、早いね。」とか、「教えた通りに練習の成果が出ていて素晴らしいよ」とか言ってあげているのでしょうか。
 いつもいつも相手が「やっていないこと」を指摘することにばかり慣れてしまうと、うまくいったことを指摘する絶好のタイミングを見逃してしまうことになりかねません。

 一先ずは、言い方などは別の問題として置いておき、ポジティブなフィードバックの割合を上げることです。
 コーチングなどではよく言われていることは、ポジティブな割合が3、ネガティブな割合が1という3 : 1の対比で評価やコメントや指摘をしてあげることが、うまくコミュニケーションを取っていく秘訣だと言われます。
 できるだけポジティブな指摘を増やし、時々ネガティブな指摘を挟むようにすることで、相手はそんなに嫌な気持ちをせずに素直に聞き入れてることが増えていくでしょう。

 ネガティブが多いなど感じている人は、最初はネガティブな言葉とポジティブな言葉を1 : 1の同じ割合で言ってあげるようにして、少しずつポジティブの割合を増やしていくことです。
 これは親と子供の関係だけでなく、会社の人間関係や先生と生徒の関係でも使えることでしょう。
 良い行動をやってくれた時にたくさん褒めたり感謝することで、相手も前向きな気持ちで次の機会にもやってくれる可能性が上がるので、ポジティブフィードバックを使ってお互いに嫌な思いをせずに、ポジティブな行動を増やすように働きかけていくと良いでしょう。