職場の人間関係をうまくやるには メモ

 
 誰にでも嫌な人や苦手な人は、一人二人はいるものだ。
 それが職場となれば、出会う人数も増えるから、もっと現れるようになるだろう。
 
 考えるだけでも憂鬱になってしまいそうだが、こちらが考え方や視点を少し変えるだけでも、多少は楽になる方法もある。
 嫌な人や苦手な人たちに振り回されたまま、その人たちのために頭を悩ませたり、眠れない日々を過ごす必要など全くないのだ。
 
 
 
①人をよく観察する
 職場の人間を、動物園で初めて見る動物だと思ってよくよく見てみることである。
 相手が仕事ができるとか、正論を言う人とか、要領がいい人とか、またはその反対のその人の悪い面とか、そういったは情報は一切見ずに、ありのままを見るのだ。
 そうすると、相手から怒られたり、素っ気ない態度をされたり、嫌味を言われたとしても、そうそう腹は立たたなくなっていく。
 
 普通、動物園のゴリラに対して声をかけたり手を振ったりして、何にも反応してくれないからといって腹を立てることはないだろう。
 それと同じように、「その人に対してこのような対応をすると(あるいは態度でいると)、このような反応が返ってくる」ということをただ冷静に観察するのだ。
 
 そうして相手を少しずつ理解していくと、「どのように対応したらいいのか」とか、「どのくらいの距離感が適切か」などが見えてくる。
 例えば、結論から述べて欲しい人に対して、物語の初めから延々と話し始めたら、かなり嫌がられるだろう。
 仕事は仕事と割り切っている人に対しても、適切でないタイミングでプライベートの話を根掘り葉掘り聞かされても探られても、かなり嫌がられるだろう。
 
 というように、相手をよく観察しながら冷静に対応していくと、まず、一つ一つのことでいちいち腹を立てることが少なくなる。
 相手に対して良い悪いでの二つで判断する決めつけを自然としないようになるし、周囲への対応も上手くなっていく。
 そして、好感のある人とは自然に距離が近くなり、苦手な人とは自然に距離ができていくのである。
 
 
 
②大切な人と過ごす時間を大切にする
 家族、友人、気の合う同僚など、大切に思う人と過ごす時間を大切にできる人は、職場の人間関係作りも楽になるものである。
 なぜなら、何でも話せる家族がいたり、大変な時に助け合いができる友人がいたり、切磋琢磨できる同僚がいるということは、そうした存在があるだけで心の支えとなるからだ。
 
 時としては一人でいることも、好きなようにストレス解消できるし、煩わしさもないし、何でも自分で判断できる環境があって良いこともあるだろう。
 しかし、こと人間関係となると、周りの支えがあるのとないのとでは全く違うのだ。
 
 何か嫌なことがあった時、相談できる人が誰もおらずに、孤独感や、苛立ちや、憎悪の増幅に歯止めが効かなくなってしまうと、人一人が積み上げてきた大切なものがあっけなく崩れ去ってしまうまでには、それほど時間はかからないのである。
 
 
 
③雑談を増やす
 親密度は雑談の量に比例する、と言われる。
 一見どうでもいいような会話であっても、相手との共通点や苦労話などの「共感が得られる物事」が見えてきて、親密度が上がるものなのだ。
 
 親密度があると、何か不手際があったり失敗したりして上司や先輩から怒られる時があっても、その内容も過剰さの程度も当然変わってくるだろう。
 また、普段からコミュニケーションをしっかり取れる親密度の高い仲間が多ければ多いほど、悪口や嫌がらせをされにくくなるものなのだ。
 
 雑談が多い人ほど、好感度も高く、仕事の評価も高く、助けを得やすいものである。
 さらに、相手のことを知れば知るほど、優しくしたい、助けてあげたい、という気持ちが強まっていくものなのである。
 仕事に影響するほど雑談がはずんでしまうのは良くないが、雑談だからといって、或いは仕事の話ではないからといって、疎かにしない方がよいだろう。