自己肯定感をどのように育んでいくか メモ

 
 多くの場合、前向きで自信があって積極的な様子の人を、自己肯定感が高い人だと思っていることはあるだろう。
 自己肯定というのは「自分は何てダメなんだ」と思っても、「それでも自分は自分だから」と認められることが本来の意味合いと言われている。
 ダメな自分を肯定できる力や勇気というものが真であり、自分で一旦受け止めるということが大切であって、前向きにしようとか自信満々でいようというはその後のことなのだ。
 
 一見難しそうに思えるが、「仕方がない」ものは仕方がないのである。
 ほとんどの人は、例えば自分がコミュニケーションが下手だと思っていても、本心から苦労の末に上達をさせようと思うことは少ないのではないだろうか。
 そういう時に、「コミュニケーションが下手でも一人で仕事をして結果を出せればいいのではないか」と思えれば、それが自分を肯定していることになるのだ。
 
 もし自己肯定感を高めたいのであれば、自己否定もそれなりにやめる必要はあるだろう。
 「自分は○○ができないからダメ人間だ」と毎日思っているから自己肯定感が低くなるのであって、「まあしょうがないよね」と一旦受け止めればそんなに下がらない。
 誰にでもダメな部分もあれば良い部分もあるし、視点を変えれば短所に見えるところも 実は長所だったということもあるのだ。
 
 仮にあなたが「自分は話し下手だ」と思っているとしたら、実は聞き上手なのではないだろうか。
 コミュニケーションが下手だからダメ人間とすぐに結びつけるのではなく、もしかしたら一人で集中して作業する仕事に向いているのではないか。
 みんなと仲良くワイワイやるのが苦手な人なら、一人で地道にコツコツやる方が向いているのではないか。
 
 そのように裏返して考えれば、短所ばかりでいいとこ無しの人は実はいないし、自分の特化した能力が見えることもあるから、もっと自分を見つめてみたり信じたりする方が良いのだ。
 自己肯定感を高めるためには、他人のことなど関係ないのだ。
 それなのに、自分で自分を下げてしまっている。
 
 
 
 自己肯定感について何とかしたいなら、対策の一つとしては、トライ&エラーを繰り返すことである。
 とりあえずやってみて、返ってきた結果を見てみて、修正していくのだ。
 それが毎日繰り返されればどんどん修正されるし、どんどん成長していくのだ。
 
 中には新しいことに挑戦することを拒んだりめんどくさがったりする人がいるが、自分から何か行動を起こさない限り、経験というものは得られない。
 だから、ずっと進歩も成長もしないし、改善もされない。
 
 物事に取り掛かってから達成するまでは、直線グラフのように一直線に進むのではなく、折れ線グラフの上下の振り幅ように成功や失敗を繰り返しながら進んでいくのである。
 何百回、何千回、一万回ぐらい失敗すれば、それなりにそこそこ上手くいっている時もあるし成長しているものなのだから、一回一回の失敗ごとに一喜一憂する必要はない。
 
 また、個人のトライ&エラーなら、10回や100回繰り返したなんて、やったうちに入らないと思っていた方がよい。
 やってみて、振り返ってみて、改善していく、というサイクルを、何回も繰り返しやる必要があるし、いちいち考えずに体が勝手に覚えて動き出すくらい反復して身に付ける必要もあるのだ。
 そうしていれば、その過程で失敗の悔しさが少しくらい膨らんだとしても、少なくとも何度も挑戦した自分がそこにいたのだから、その間に自己肯定感も高まっていくことになるのである。
 
 「何かに挑戦した → 失敗した」となった時、すぐさま失敗に焦点を当てるのではなく、まず結果がどうあれ、誰が何と言おうと挑戦した自分はすごいのだ。
 それは自分にしかできないことだし、まずそう思えれば、その時点で自己肯定感というのは上がるのだ。
 しかも、物の見方を少し変えるだけで、短所だらけだったはずに思っていた人が、長所や才能に溢れる人に変わるのだ。
 
 何か行動を起こして上手くいかなかったとしても、「またやってみて次こそ上手くいくようにしよう」と考えればよいので、そうなるとすべては考え方次第ということなのである。
 
 
 
 経験値、育ってきた環境、現在の人間関係などという要因は確かにある。
 しかし、今これから自分でできることはやはり、やってみて、振り返ってみて、改善していくというサイクルを繰り返していくことだし、恐れずに少しでも多くのことに挑戦してみることなのだ。
 加えて、自分の考えを具体的にイメージしたり言葉にしながら、周囲とコミュニケーションを上手にとっていくことなのだ。
 
 こうしたことを一つずつ積み上げていくことで自分の自信になるし、挑戦したことそのものが経験値として積み上がるので、最終的には自己肯定感も上がっていくのである。
 
 時には、自分で自分を責めてしまうことは誰にでも少なからずあるだろうが、そこにばかり焦点を当てるのではなく、今自分ができることをやった方がよい。
 それも、今できる限り前向きに考えたり、言葉にする。
 人に悪口を言う前に、前向きな言葉を使い、褒めたり励ましたり支えになるようにする。
 
 結局のところ、自己肯定感を高めるには、ダメな自分でも認めて一旦受け入れ、「やってみて、振り返ってみて、改善する」というサイクルを回し、たくさん挑戦して失敗した中からフィードバックを得る、ということがポイントになると言える。