もっと自分で自分を褒めることの大切さ


 自分で自分を褒めることは積極的にやると良いです。
 日本人は(筆者自身もそうですが)、自分はダメだとか、頭が悪いとか、自分で自分の欠点ばかり言って貶めてしまう人が意外と多いように感じる時があります。
 「人は言葉に影響される」ということが、学問の分野でも精神の分野でも研究結果がいくつも出ているのにです。

 それ以外でも、「たまには自分のことを褒めなさい」くらいは普通に言い伝えられてきたり本などにも書いてあるようなことなのに、何も気にしていないというか、まるで無防備というか、勝手に雁字搦めにしているというか、そんな風に感じることもあります。

 まあ、なかなか他人様のことばかり言えたものでもないのかもしれませんが。

 しかし敢えて言うなら、自分がこれからやることに対して「自分はできる」と思えば、多少なりとも気持ちも能力も発揮できるものです。
 「ワクワクしてきた」と言えば、まず前向きになったり楽しんだりする気持ちが出てきてパフォーマンスが上がってくるものです。
 その反対に、何かの本番前などに「緊張してきた」、「無理かも」と言えば言うほど悪化して、いつもの能力は発揮できないものです。

 

 例えばアファメーションといって、自分に対して肯定的な言葉を述べていくというやり方があります。
 また、例えば心理学や脳科学などの面では、自分を褒めることでドーパミンと言われるプラスに働く脳内物質が出て、やる気やモチベーションをはじめ目的意識や動機付けなどの行動もしやすくなることが言われています。

 このように、やってみた分だけその結果として記憶力や集中力が高まって、ひいては物事がうまくいく可能性が高まるのなら、やってみればよいのです。
 そして、上手くいったら「よくやった、さすが私。」と自分のことを褒めればよいし、もしうまくいかなくてもそれはそれとして、新しいことに挑戦した自分を褒めればよいのです。
 褒めようと思えば、褒めどころなんていくらでも見つけることができるでしょう。

 もう一方で、自分で自分のことを悪く言うとストレスホルモンが出て、様々な能力を下げるだけでなく記憶力や集中力など他の面まで落ち込んでしまうことが分かってきています。
 そのたった一つの良くない出来事のことで自分のことを下げるだけ下げて落ち込んでいる時間なんて、あなたの人生にどれだけ割いてもよい時間なのでしょうか。
 これから良くなることだって山のように待っているのですから、もはや考えるまでもなく、もっと自分を褒めていくことの方が大切なのは明らかなのです。

 仮に、何かを達成するまでの間に多少停滞する時期があっても、「自分はよくやっている」、「自分は大丈夫だ」、「今の自分でOKだ」などと言って認めることで自己肯定感が上がります。
 また、「今の自分はまだまだかもしれないけれど、まだ結構やれているし、ここまで頑張れているから取り敢えず一旦は認める」ということでも自己肯定感は上がります。

 もしダメだったとしても、「何もできなかったけど、そんな自分でも大丈夫」、「また次に頑張ればいい」などと言えばよいですし、例えばモテないのなら「見た目はまだまだこれからだけど、そのかわり愛嬌があるからいい」などと言うというように、一旦は自分のことを認めることで少しでも良い精神的効果が得られるのです。

 というように、とにかくどんな手を使ってでも、自分のことを自分で下げないことです。

 

 確かに、世の中一生懸命やっても、いつも周りが褒めてくれるということはそれほど多くはないのかもしれません。
 みんな自分のことで忙しいのですから、当たり前と言っても言い過ぎにはならないでしょう。

 しかし、だからこそ、自分のことくらいは自分でどんどん褒めましょう。
 子供なら泣いたり落ち込んだりすれば誰かが構ってくれたのでしょうが、大人になったらそうはいかないのです。
 いちいち公に口にしなくたって、自分一人の時に独り言として言うだけでも自分の頭の中で思うだけでも良いのです。

 そうやって前向きに自分のことを鼓舞してあげれば、元々自分が持っているやる気や能力は元の位置まで上がるし、気持ちも前向きになるし、「何だかなあ」と思っていた物事も手を動かしていれば少しずつ良い方向に向かってゆくものなのです。
 自分を褒めるだけで良い効果や良い結果に繋がるきっかけになるのであれば、積極的にやる方が良いです。

 「それができれば苦労しないよ」と思うかもしれませんが、気持ち次第で何とかなることだって確かにあります。
 しかも、気持ちなんて自分でそう思えばそうなるだけですし、タダなんですから、自分の良いことや前向きなことを考える数は悪いことを考える数よりも圧倒的にたくさんあって当たり前ですし、そうしないとむしろ損です。

 もっと自分の考えをよく知ったり見直したりしてみたりして、自分の行動を振り返りながら、もっともっと自分のことを褒めていった方が、今よりもちょっと明るい人生に向かって進むことができるのですから、やった方が良いのでははないでしょうか。

 もし今日が底をついた一日だったとしても、それでも「今日も一日よく生きた。大変よくできました。」と自分を褒めるのです。