本番で緊張するのを何とかする方法 メモ

 
 誰でも、本番では今までの成果を十分に発揮したいと思うものだろう。
 結局のところ、もし今のところ上手にできていないのなら、本番までに上手にできるようになるまで何回でも練習することだ。
 緊張しやすいのは「その時だけは上手にやろう」とするからであって、練習であれ本番であれ、やった分だけできるのだ。
 
 本番で緊張せずに上手くやりたいとしたら、「人前で何かをする時、その前に何回ぐらい練習していますか?」ということだ。
 例えば何かのプレゼンだったり発表だったりするとしなら、10回くらいはやった方が良いのかもしれない。
 そして1回やるごとに、例えばメモや台本などに、「どもってしまったところ」や「操作がまごついてしまったところ」などチェックをつけて、次の回に修正しながらやっていけばよい。
 
 筆者は音楽指導に行くことがあるので、練習の回数について生徒の皆さんに話すことがある。
 音楽だけに限ったことではないだろうが、あるフレーズやある一小節が上手く演奏できない場合、「そこだけ切り出して何度も反復する」ことが重要だ。
 難しくてできないところ、必ず躓くところ、何となくうやむやにしてしまうところならば何度でも練習するのだが、まあ100回や200回繰り返すぐらいではやったうちには入らない。
 
 本番というのは生物なので、そもそも一発でできていないと伝わらないのだ。
 何かの発表会や大会ということであれば、せめて10回中9回は成功できるようになるとか、しばらく時間を空けた後ふと演奏してみた時に一発で成功できている、というような状態になっている方が望ましいのだ。
 
 少し言いづらいことだが、また、そんなことはないと信じたいのだが、緊張しやすい人ほどなぜか練習を疎かにするものである。
 または、基礎を疎かにするものである。
 
 難易度や一回当たりの反復時間にもよるが、音楽の演奏においての筆者の反復回数は「まっさらな状態から習得しようとするなら1000回くらいは当たり前」と思っているため、それはここでお話しするにはちょっと異常な例かもしれないので、話をプレゼンや発表の例に戻すが、持ち時間が30分の発表だとしたら、10回も練習すれば今の実力の上で誰でもそこそこ上手くやれるはずなのだ。
 だから、もし人前で話すのが苦手なら、10回くらい練習してから臨めばよいだろう。
 
 
 
 自己紹介など、ピンポイントで「そこが苦手」とわかっているなら、事前に書き出して読み上げるくらいはしておくことだ。
 ちなみに筆者は音楽の練習の朝礼や夕礼の時に、大勢の前で話すのがちょっと苦手だったので、慣れるまでの間は上記の通り書き出して練習していた。
 また、ちょっと長い話をしたり大切なことを言う時は、その要点を箇条書きでメモして話すようにしていた。
 
 というように、慣れるまでのうちは、補助の道具を使うことも恥ずかしがらずにやった方が良いだろう。
 プレゼンだって、2回3回と繰り返すうちに覚えてきて、その覚えた箇所は少しずつスラスラと話せるようになるはずだ。
 そうして「10回目の時には何も見ずにやろう」と思ってやれば、それなりに目標ができて気持ちも入るし、回数をこなして覚えていくうちに自信もついてくるので、本番ではそこまで緊せずにやれるだろう。
 
 確かに、質疑応答や予想外のツッコミのことを考えたらげんなりしてしまうのかもしれない。
 しかし、活きたコミュニケーションというのはその場でしか経験できないものなので、その点は場数を踏んでいくしかないのだ。
 何にしろ、練習しないで臨む場合と、練習を重ねて臨んだ場合とでは、そこまでの学習の密度としても慣れ具合としても圧倒的に違うのである。
 
 コツとしては、「型」を作ってやることだ。
 その上で「もうこんなに練習しなくてもそろそろいいんじゃないか?」と思うくらいに十分にやれば、練習不足とは言われないだろう。
 それなのに、ゼロから全てを考えたり、自分の個性を出さなければならないと考えて、変に上手くやろうとしてしまうからかえって上手くいかなくなるのだ。
 
 
 
 プレゼンであれば、資料を作りながら台本も書くようにするといいだろう。
 無言でスライドばかり作って、しゃべる予定をそっちのけにするから後で困ることになる。
 また、資料がいらない場合だとしたら、話しながら台本を箇条書きに起こしてみて、話の流れや構成を確認して、より伝わりやすい形に並べ替えて練習てみると案外シンプルにまとめられるし、やっている途中で楽しくなったりする。
 
 人生はやった分だけの結果が出るものなのだから、せめて練習不足にはならないようにして、散々な結果よりもまあまあの結果は残せるようにしたいものだ。
 そりゃあ今の段階で言えば、抜けも漏れもあるし、見えていないこともたくさんあるだろう。
 本番をこなした結果そうした点が今後の課題となれば収穫だし、それは歴然とした努力不足ということにはならないはずである。
 
 今自分ができる準備を十分にやったら、100点ではないにしろ70点ぐらいの成果は出せるものだ。
 ところで、あなたは本番までにどのくらいの練習をしたのだろうか?
 プレゼンならプレゼンで、それをやるのが上手な人というのが少なからず周りにいるはずであるが、その人達をどのくらい参考にしてみたのだろうか?
 
 上手な人というのは、間違いなくものすごい練習量をこなしているものである。
 必ずと言っていいほど、誰にも知らないところで練習しているのだ。
 周りには、上品に、サラッと、スマートに、最高のパフォーマンスを発揮していると見えるのかもしれないが、実際のところは泥臭いほど、死ぬほど練習を重ねているものなのだ。
 
 
 
 「○○が上手になりたい」というのなら、何回でも練習することである。
 今のところ上手でないというならば、知識や準備や練習が足りないだけである。
 あなたの努力不足について、別に人間性を否定したり格下に扱うように発言しているのでなく、ただ単にやった回数や時間の問題なのだからそれを言っているだけなので、是非とも希望を捨てずに持っていて欲しい。
 
 世の中で、上手くいっている人というのは、努力もせずに簡単に結果を出しているように見えがちだが、実際はそんなことはないのだ。
 ただ、誰にも見えないところで「あいつ頭おかしいよ」と言われるくらい練習を重ねているのが大部分であり、それが普通であり、当たり前なのだ。
 上手くなりたければ膨大な回数や時間をかけて、知識をつけて技術を磨き、準備と練習を重ねて、場数を踏んでいくことである。
 
 もし、壮大な何かに挑戦するということでなく、人前でちょっと何かを発表するくらいだったら、少しメモったりまとめたりしながら10回20回繰り返してみれば、かなり上手にできるようになるはずである。
 練習すれば誰でもできるようになるのだから、臆せずやってみて欲しい。
 そして、今のレベルではちょっとしたことの練習なのかもしれないが、こうした型や手順を身に付け、それらを活かしながらやっていれば、いざ大きな挑戦に立ち向かうことになった時にはかなり上手に立ち回れるのではないだろうか。