仕事に行くのが辛いと感じることを緩和する方法 メモ

 
 仕事というものは、生きていくにはお金が必要なため最低限の作業をこなせなければならないし、それなりの質と量も問われる上に適当にもできないので、基本的にはキツいものである。
 それは会社側から見たって、人材にはそれなりのスキルが必要だし、人作業ごとに手間暇もかかり、人を雇って育成しながら給料を払っていかなければならないので、決して楽ではない。
 また、「仕事は楽しい、やりがいがある」という人がいても、納期もあれば残業もあり、炎上プロジェクトもあれば性格の悪い奴とやり合ったりと、100%楽しいということもないものだ。
 
 だからまずは、仕事は辛いもの、またはそういう一面が備わっているものと考えるのが当たり前としておいた方がよいだろう。
 そこが分からないと、自分だけが辛い状況に置かれてるわけではないのに「なんで自分だけこんなに辛いんだろう」と悩むことになってしまう。
 
 ただ、多くの人は、仕事の中に楽しみや喜びを発見するので辛さが中和されているのだ。
 そして、辛いし、面倒臭いし、ぶん殴ってやりたいと思っていたとしても、言わないだけなのである。
 だから、「仕事が辛いけど何とかしたい」という悩みを相談としたとして、世間様から返ってくる回答のうちシビアなものの一つとしては「みんな辛いし、どんな仕事でもそうだよ」ということもなることを分かっておいて欲しい。
 
 
 
 その上で、仕事が辛いという原因を何とかするための方法の一つとして、「守破離(しゅはり)」という考え方を手に入れることだ。
 能や狂言、茶道、武道などの世界では有名な言葉だ。
 ざっくり言えば、「このステップで仕事を学んでいけば効率的に学べる」という方法である。
 
 ・守 → 基本を徹底的に学ぶ
 ・破 → 応用を学ぶ
 ・離 → 教えから離れて自分の方法論を極める
 
 さて、自分の仕事はこの三つのうちではどの段階に当てはまるのだろうか。
 会社だったら最初の3年、専門職なら5~6年は「守」の時期かもしれない。
 これは学生の部活だったら、ボール拾いや雑巾がけや基礎練習ばかりの時期とも言えるだろうから、仕事に置き換えてもちっとも楽しくないだろう。
 
 ちなみに、「仕事の第一歩が踏み出せる」ということは、今いるその場所の仕事の基本を学び身に付け、一人で一人前にできるよいになることである。
 その水準に至るまでは、誰がやっても時間はかかるし辛いものだから、あまり思い詰めなくてもよいだろう。
 マニュアルばっかり、単純作業ばっかり、会社やチームの業績には直結しないことばっかり、毎日同じことの繰り返し、というのは全く楽しくないが、その状況を守破離の「守」から「破」や「離」にステップアップしていかれると楽しくなってくるのだ。
 
 
 
 人から言われたことをやるだけの仕事や人生というのは、誰だって楽しくない。
 そこに自分なりのアイデアを加えたりするから楽しくなっていくのだ。
 
 例えば、パソコンの電源を入れてから立ち上がり切るまでにどのくらいの時間がかかり、それまでにどんなことができるか。
 コピー機で資料を20ページ20部を印刷するのに、1ページあたり、1部あたりどのくらいの時間がかかるか。
 教わった作業が一通り終わるまで何分かかるか、自分でタイムアタックしたら質を保ったままどのくらい縮められるか。
 
 このように、上司や先輩から言われたり教わったりした仕事を「どこまで自分の仕事にできるか」というところが、辛い仕事を楽しくやれるコツでもあるのだ。
 また、昨日までできなかったことができたり、今までのやり方に工夫を加えてより良い成果を上げられることが自己成長でもある。
 その辺りのことが感じ取れないと毎日同じような状態が続き、「意味わかんない、つまんない、つらい」となってしまう。
 
 正直なところ、人から言われた仕事だけをやり続けて「仕事って楽しい!最高!!」となっている人はいないはずだ(そう思いたい)。
 その仕事の大意や目的や大枠を外すことなく、より良くするために何かを加えたり、工夫をしたり、発想を加えたり、効率化したりしながら実践していくことが大切だし、楽しさを見出すきっかけにもなる。
 そうやって日々の仕事の中で1つでも自己成長を実感できるようになることで、仕事の辛さが減り、楽しさが生まれてくるようになるのである。