些細なことで他人からいちいち否定されて腹が立つ時の対処


①「それはあなたの考えですから」で打ち切る
 世の中には色々な人達がそれぞれの考えを持って生きているので、自分と他人で意見が合わないということは当然ある。
 また、意見だけに限らず考えや行動についても、他人から肯定されることも否定されることもある、というのが普通である。
 持ち物、服装、仕草、言葉の言い回しなど、ほんの些細なことで人から否定されたり意見が異なることくらいはよくあることだ。

 些細なことでもいちいち言われてしまうと癪に障るだろうが、一日のコミュニケーションのうちで何度も否定されたり、言うことすべてを常に否定されているわけでもないはずだ。
 時々起こりうる「傷つくことやショックを受けるようなことを言われた時」に、たまたまダメージを受けやすい心理状態だったのかもしれない。
 反対に考えて見たって、いつも「あなたの考えは素晴らしい」、「あなたは正しい」とばかり言われる世界もちょっと怖いことくらい分かるだろう。

 「良くない状況」と「良くない心理状態」と「誰かの発言」が、たまたま運悪く重なり合ってしまって、心に突き刺さる感覚を味わってしまうことは、誰にでも多少はあることなのだ。
 その度に立ち直れなくなったり落ち込んでいたら、こちらだって生きていくのも大変になるのだから、多少のことくらいは大らかな気持ちで受け流してあげるとよい。

 ただし、しつこい場合は「それはあなたの考えですから」とさっさと打ち切ってしまうのが良い。
 自分と自分の時間は大切に扱わなければならないのだ。

 

②「人物」と、行動や言葉の「内容」を切り分ける
 あなたは、あなたのことをいちいち否定してくる相手を、普段どのように思っているのだろうか。
 もしも、自分が最も信頼を置いている人や、最も仲の良い親友から否定されたり、さらに自分の存在まで否定されるようなことを言われたら、確かに誰でも落ち込むだろう。

 それでは、元々大嫌いな人や、自分にも周りにも疎まれている人から否定された時は、その時の受け止め方や対処の仕方は、前述の人の時と比べて同じだろうか。
 恐らく、「何言ってんだこいつ?」と心の中で思ったり笑ったりして受け流すのではないだろうか。

 「あなたを否定してきた相手が自分にとってどういう人なのか」ということは重要である。
 どうでもいいような人から否定されても、どうでもいいと感じるのが普通だ。
 だから、家族や親友などをはじめとした大切な人から否定されるのでないなら、別に気にする必要はないのだ。

 冷静に考えて、否定されること以外でも、例えば何か意見を言われた時などでも、信頼する人からの意見は参考にするし、自然と受け入れるのではないだろうか。
 であれば、全く信頼できない人から何か言われたって、真に受ける必要などないのだ。

 確かに、いちいち否定されることそのものについては腹が立つだろうが、視点を変えれば「人間関係の親密度と、情報や発言の内容を切り分ける力が未熟だった」と考えることができるのだ。
 ポジティブに言い換えれば、「あなたの切り分ける力が伸びれば、この先の伸び代はまだまだもの凄く期待できますよ」ということである。

 

③自分の時間を捧げない
 そもそも、普通に生きていて普通にしている人に対して、ほんの些細なことでもいちいち否定してくる人には、ロクな奴はいない。
 せいぜいマウントを取りたいとか、何とかして精神的に優位になりたい、要は「少し及んでいない」人なのだろう。

 本来は、そういう人たちの言うことをいちいち真に受けていること自体を「馬鹿らしい」と思わなければならないはずだ。
 そして心の中で笑い飛ばし、サッと受け流して自分のことに自分の時間を使うべきなのだ。
 いちいち腹を立ててその人のことや言われた言葉を何度も思い返すことは、「その人に自分の貴重な時間を捧げてしまっている」ことになるのだ。

 残念ながら恐らく、今後も人から否定されたり変なことを言われたりする機会は何度かあることだろう。
 だったら、そもそもサッと受け流せるような対処法や受け答え方や振る舞い方を身につけておくとか、
 たとえ一時、一瞬、真に受けてしまい、ショックを受けてしまったとしても、すぐに持ち直したり考え直したりできる方法を身につけておく方がよほど有効なのである。